安らかな一時
「う、う~ん。 セルティカ?」
「はああああああ!?レン様!? 大変、大変みんなに知らせなきゃ」
?
あんなに焦ってどうしたのだろう。
そういえばあの後ってどうなったんだろう?
とりあえず、僕はまだ生きることができるようだ。
(それにしても、ちょっと気絶したぐらいで大袈裟な。ねえ、アカさん)
・・・
(アカさん?どうしたの?もしかして僕がいう事聞かなかったからって拗ねてる?)
・・・
(ほんとにどうしたんだよ。そのことなら謝る───)
「レン!レン!大丈夫か?」
扉から勢いよく入ってきたのは我が兄ロイエースだ。
「お!?ほんとに起き上がってる!!どうだ具合とか悪くはないか?」
「どうしたんだよロイ兄。別に大丈夫だよ。ちょっと気を失っただけだって」
「レン、ちょっとって2週間近く寝たっきりだったんだぞ?」
2週間!?
ちょっと待て、僕が2週間寝たっきり?
そう言われてみれば、なんか体が思うように動かない気が・・・。
「失礼します。飲み物とごはんを持ってきました」
「あぁ。ありがとう、セルティカ。ほら、レン食べろ。話はそれからだ」
セルティカが持ってきたのは、暖かいハーブティーに、消化によさそうな麦がゆだ。
「ありがとう、セルティカ」
それから僕は、あの後どうなったかを聞いた。
そういえば誰か忘れているような・・・?
僕は、ごはんを食べながら話を聞いた。
ロイ兄が帰ってきたときには全てが解決していたらしい。
死傷者は驚きの0人。
あれ程の襲撃で死傷者が出ない事は過去にないらしい。
最初の方の僕の結界と、途中参戦のスラ吉がいたからこそ死者が出なかったようだ。
僕は、ロイ兄に無茶苦茶褒められた。
なんと言っても、国を落とすことの出来る邪獣が襲撃してきたのだ。
無茶苦茶大変だった。
特に最後の邪人戦なん───
「あああああ!?そう言えばセルヴァさんどうなったの?死傷者0っていう事は生きてるの?」
「ああ。生きてるぞ!流石に今まで通りっていうのは無理だが、普通のメイド業ならできるぐらいには回復するらしい。スラ吉の処置がよかったみたいだな」
よかったぁぁぁ。
僕を庇って死にかけたのだ。
生きてて良かった。
(ナイスだ、スラ吉!!後で、お礼を言いに行こう)
後は・・・って、大事なことを聞くのを忘れてた。
「ロイ兄?ロイ兄が来た時にオーガっぽい見た目の魔物いなかった?」
「あぁ。そうだった。そのことでレンに確認があるんだった」
ん?
なんか空気が暗くなったぞ?
しゅんちゃん、なにをしでかしたんだ?
「あのな、レン。怒らずに聞いてほしんだけど・・・俺が帰ってきたときに、レンの近くにその魔物が居てな・・・、俺は周りが見えなくなってて・・・そのぉ、そいつが言ってた、前世での右腕だの、レンに神からの伝言があるだの聞こえていなくてな・・・・気づいたら、半殺ししてた」
・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
悲報、しゅんちゃん、ロイ兄にボコられる。
って、笑ってる場合じゃないじゃん。
ていうか、さらっと僕に前世がある事言ってるじゃん、あの馬鹿垂れ。
「えぇーと、生きてるなら万事OKだよ!」
「そうか?それでな。俺たちじゃ判断出来ないから、レンが起きるまで、地下に閉じ込めてるんだ。なかなか強いから、俺とサチェル爺で交互に見てるんだ」
へぇ、サチェル爺も協力しているとは。
サチェル爺とは、本名サチェルファータ・アンティーという、伝説の天鼻族の司祭様だ。
鼻は長く、翼が生えている。いつもは、仮面をしていて、素顔を知っている人は、お父さんとお母さん以外いないらしい。
強さは折り紙付きで、噂ではお父さんより強いらしい。
「へぇー。サチェル爺が見張ってるんだ。それじゃあ、食べ終わったら、まずそっちに行こうよ」
「分かった。じゃあ、それまでレンの話を聞かせてくれよ」
「了解。まずあの日は、僕はスラ吉とお昼寝をしてたんだ・・・・」
※※※※※※※※※※※
僕は今、ロイ兄に連れられ、地下に向かって階段をおりている。
ご飯を食べている最中、あの日のことを話していると、みんなを助けたところは褒められたが、邪人を1人で相手したところをはなすと
「レンは、まだ8歳なんだ。そんな強敵を前に立ったら是が非でも逃げろ!お前には、まだ未来があるんだ!!」
と、熱く怒られてしまった。
そんなこんなで、現在しゅんちゃんがいるはずであろう部屋の扉の前にいる。
それと、起きてからずっと、隙を見てはアカさんに話しかけているのだが、一向に応答がない。
もしかしたら、僕と同じく、意識が戻ってないのかもしれない。
「サチェル爺?レンを連れてきたぞぉぉ!」
「ほぉーーい。今、行くのじゃ」
ロイ兄が、扉を開けながら話すと、奥から声が聞こえた。
地下とはは思えないほど広い。
それに爆発音や何かを殴る音が鳴り響いていてうるさい。
「ロイ兄、ここってな───」
ズドンッ!
突然、僕の横を何かが通って行った。
「あっ、大将!?お久しぶりです!」
「え、しゅんちゃん!?」
そこには、壁にめり込んだ、ボロボロのしゅんちゃんがいた。
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