酒吞童子、必殺技炸裂!!
グラナータ家元食堂。
今では、大きな広場となっているここで、一人の男が小さな子供を抱いていた。
「お疲れ様でした、大将。 後は、任せたぞ」
大きな男、酒呑童子は先程から近づいてきていた、ピンク色のスライムに、レンのことを任せ、自分は、今なお喚き散らしている邪人と向き合った。
「きさまぁぁぁ、よくも、よくも俺の左腕を。なんでか、魔法で補完できねぇし。あと少しで、そのガキを殺せるところだったのに。くそぉぉぉぉ!」
邪人は、今までなら切られたとしても、黒雷魔法で一時的な義手を作ることができ、持ち前の邪人としての再生力にて、次の日には生えていた。
しかし、今何故か黒雷魔法で義手を作ることが出来ない。
邪人は、初めて切られた痛みを今、長時間体験しているのだ。
「黙れ、小童」
次の瞬間、空気がピリ付き、酒呑童子から発せられるオーラに邪人は、生まれて初めての恐怖を覚えた。
「ひっ、な、なんなんだよお前!!」
「黙れ!!お前は、誰に手を出したのかわかっておるのか?我が主。貴様など遠く及ばない崇高な方を殺そうとしていたのだぞ!!」
酒呑童子は、腰に指した長い方の刀を鞘から抜き、自然体に構えた。
「貴様ごとき、この1本で十分じゃ。覚悟せい」
そう言うと、怯えきっている邪人目掛けて酒呑童子は、斬りかかった。
「やめろ、やめろ、やめろぉぉぉぉ!!」
それでも、流石と言うべきか。
邪人は、発狂しながらも何とか斬撃を防いでいた。
「くそぉ、くそぉ。死にたくない、死にたくないぃぃぃぃぃ!!」
酒呑童子が、攻撃を始めて数分。
防戦一方だった、邪人は突然、今までよりも大きく、狂った声で発狂し出すと、体が漆黒の闇に覆われた。
「邪獣神化:邪神雷豹」
数秒後、強烈な風と共に闇が晴れた。
そこから現れたのは、姿が変わり果てた邪人だ。
「ガゥワァァァ!」
大気を揺らす程の咆哮と共に現れたのは、体長は3mを優に超え、黒と紫で染められた禍々しい豹だ。
目は4つ有り、色は全て真っ黒。
尻尾は5本で触手のようにうねっている。
「おうおう、なんじゃ。それが本気か?」
邪人は、返答することも無く、酒呑童子に襲いかかった。
右爪を振り上げ、勢いよく切り裂く。
「ギィヤァァァ!」
「ふんっ」
酒呑童子は、その攻撃を難なく避ける。
レンと戦っていた時以上の速さなのだが、酒呑童子には関係ないようだ。
数回、同じような攻撃を仕掛けるも、酒呑童子はひらりひらりと躱す。
邪人は、これ以上は無駄だと思ったのか、一旦攻撃をやめ、ジャンプして、さっきの場所まで戻った。
「なんだ?もう終わりか?」
邪人は、体勢を立て直すと、自分の周りに黒雷で出来た槍を形成した。
「ほおぅ?それがお前の魔法か?」
「グォォォォォ!」
酒呑童子の言葉に返答するように、邪人は槍を飛ばした。
その数、およそ50。
弾幕が如く、一斉に発射された槍は、酒呑童子を襲った。
数秒続いた弾幕は酒呑童子に傷をつけたかに思われた……が、
「おい、小童。攻撃が一辺倒になってきておるぞ」
どこからともなく、突然邪人の背後に現れた酒呑童子は、邪人を蹴り飛ばした。
「グゥルォォッッ!!」
邪人は、蹴り飛ばされてショックだったのか、狂ったように吠え出した。
邪人の咆哮に呼応するように、周りの環境が変わっていく。
空には、黒雲が漂い、あちらこちらで雷が落ちている。
更に、邪人の爪には漆黒の闇が纏わりつき、爪が触れたところが灰色となり崩れている。
「おいおい、さすがにこれは不味くねぇか?これ以上、暴れさせると、大将に弄られそうだな」
酒呑童子は、数秒考えると、刀を鞘に収め、邪人を捉えた。
「意識もないようだしな。せめてもの情じゃ、一瞬で大将の元に行かせてやろう」
そう言った瞬間、空気が変わった。
今までは遊びだったのか、酒呑童子の殺気が辺り一面を支配した。
狂ったように吠えていた邪人も、空気が変わった事に気づき、プルプルと怯えている。
「お主が大将にしたことに比べればどうという事は無い。無残に散れ」
「グウォォォォォォォォォ!!」
邪人は自分の怯えをかき消すかのように大地を揺らす咆哮を上げながら酒吞童子の周りに黒雷を落としながら、黒雷で出来た槍やボールを無造作に放った。
だが、構えた酒吞童子には一切効かない。
酒吞童子のあまりにも強すぎるオーラで、当たるはずの雷やら魔法を搔き消している。
「酒吞刀術 居合───」
酒吞童子は、敵からの攻撃を受け続ける中、手を柄にかけ、姿勢を低くすると、次の瞬間には刀を抜いた状態で邪人の後ろにいた。
「──刹那・菊一文字」
バタンッ!
一瞬だった。
邪人は、一瞬の内に体中を無数に斬られ勢いよく血を流し、倒れた。
倒れると直ぐに体は白い魂状になり、レンに吸収されていった。
「ふぅ、まぁ今のわしじゃこんなもんか」
邪人が倒れたことにより、辺りを覆っていた黒雲も晴れ、勝利の快晴が空一面に広がっていた。
酒吞童子が、勝ったこともほどほどにこれからどうするか考えていると、空中から視線を感じた。
すぐさま視線を感じた場所に、斬撃を飛ばす。
斬撃は、敵に当たることも無く空に上がっていった。
「チッ。逃げられたか・・・」
逃げられた酒呑童子は、追いかけるため、自身のユニーク魔法で鬼火を召喚し、逃げたやつを追跡させる。
追跡をしていると、辺りが段々と冷たくなってきたことに気づいた。
「なんだぁ?また、新手か?」
それから数分後、突然酒吞童子が立っている足元から氷山が現れた。
「うおぉぉ。あぶねぇ」
酒吞童子は、危険を察知するやいなやジャンプすることで避けた。
するとまだ残っている屋敷の方から二人の男が現れた。
「お前かぁぁ!レンを殺した奴は!!」
「ほっほっほ。ロイ様、レン様は死んではおられませんって先ほどから何度も言っているでしょう?全く、家族のことになると周りが見えなくなるんですから・・・困ったものです」
現れたのは、グラナータ家長男ロイエースと、翼が生えており、鼻が長い仮面をつけた謎の人物だ。
「おぉ。お主は大将の兄上じゃな?わしは、前世から大将の右腕をしておる。名前はまだないが酒吞とでも呼んでくれ」
・・・・
・・・・
・・・・
「えーっと、話きいて───」
「問答無用!死ね!」
「話聞いてって、ぎやぁぁぁぁ」
「ほっほっほ。愉快、愉快」
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「レンたちはこの後一体どうなるのっ……!?」
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