右腕参上!!
「ふぅ、何とかなったな」
僕は、煙の中で呟いた。
小さな箱庭の太陽によって、食堂は破壊され、吹き抜けの更地になった。
セルティカとゴブ助がいた時は、どうなるかと思ったが、案外死ぬ気でやったらどなんとかなった。
(あぁ〜、マジでキツい。転移使いすぎた。目から血まで流れるし…)
《頑張ってください、マスター。まだまだ、あいつは生きてますよ》
(分かってるって)
奴の居場所は、空間魔法で確認している。
僕の最大火力を食らっても何故かピンピンしているようだ。
「おいおい、こんなところでぶっぱなす奴がいるか?ここはお前の家なんだろ?」
「今更だよ。ていうか、なんで五体満足なの?どっか欠損しててよ」
煙の中から、邪人はゆっくり現れた。
見たところ、どこにも傷を負っていない。
「馬鹿言え。あれくらって無傷なわけねぇだろ。奥義使ってしまって、魔力すっからかんになったわ。」
ふむ、何か特別な方法で身を守ったらしい。
「俺の魔力量も不安になってきたから、そろそろ本気で殺すぞ」
そう言うと、獣人は腰を低く構えた。
「ふぅ。黒雷招雷:雷鳴一身」
ドォーーン!
邪人が、何か言うと空からいきなり黒い雷が邪人目掛けて降ってきた。
「行くぜぇ」
次の瞬間、僕は吹き飛ばされていた。
(は?どういうことだ)
幸い、結界を張っていたので体に傷はない。
それに、この状況から僕の結界が一撃で破られたみたいだ。
(やばい!?)
ゴォォォーン!
咄嗟に転移して避けることは出来たが、これは大変なことになった。
《マスター、信じられませんがあの邪人、黒雷と一体になったようです》
なんだと…。
それじゃあ、無理ゲーじゃないか。
「オラオラオラァ!まだまだ行くぜぇ。さっさとくたばれ、クソガキ」
それから、数分。
時間を気にする余裕もない僕は、吹き飛ばされては転移を繰り返し、何とか生きている。
「はぁ、はぁ、はぁ」
僕は、身体中ボロボロで限界を迎えていた。
目からは、血が流れ続け、さっきから頭の中はガンガン鳴っている。
遂に、限界が来たのだろう。
僕の体は、一瞬ふらついてしまった。
(あっ、やばっ)
「隙あり」
「ゴボッ」
《マスター!?》
その隙を見逃す敵ではなく、僕は邪人のパンチをモロにくらい、口から血を吐きながら吹き飛ばされてしまった。
「ふぅー、やっと当たったなぉ」
邪人は、僕がもう動けないとわかっているのか、ゆっくりした足取りで僕の元に歩いてきた。
「ハァ、ハァ、ハァ」
「おいおい、無理すんなって。お前は、十分頑張ったよ」
邪人は、近づいてきて、僕の首を掴み持ち上げる。
「グホッ」
「今、楽にしてやるよ」
邪人は、そう言う拳を握った。
どうやら、その拳で僕の心臓を突き破るつもりのようだ。
「ゲホッ、ちょ、ちょっと待て。子供相手に、ハァ、やりすぎじゃないか?」
僕が、そう言うと、邪人は一瞬動きが止まった。
邪人にも、思うところはあるようだ。
「うるせぇ。楽しかったぜ。じゃあな!」
邪人は、今まで見せたことも無い笑顔でそう言った。
拳を固め、いざ僕の心臓を貫こうとした時、突然邪人の動き後が止まった。
「あぁ?なんだそれ?お前、まだ何か隠してたのか?」
僕の背後から、とてつもない力の奔流が感じられる。
《こ、これは!?》
「おいおいおい、これはどういうことだ!?なんだ、その禍々しい魔法陣は!?」
???
僕だけ、この状況に理解していない。
首を掴まれたまま、チラッと後ろを見ると、そこには懐かしい景色があった。
赤黒い文字で書かれた魔法陣がひとつ、大きく地面に拡がっている。
その魔法陣のなかは、グツグツと、血が沸騰している。
魔法陣の中だけ、まるで地獄の景色のようだ。
(あぁ、懐かしい。やっとか、遅いんだよ)
次の瞬間、グツグツ湧いている血の中から、禍々しくゴツイ赤門が下から浮き上がって来た。
「チッ!ガキ、てめぇ。まだ、こんなすげぇの隠してたのか。」
「グオッ」
邪人は、焦ったのか首を掴む力が強くなり、急いで殺そうと、僕に拳を放ったその瞬間、
シュン!
「・・・あ?ギャアアアアアアア!!」
赤門から、出てきた何者かが、僕を掴んでいた手を切り落とし、僕を助けてくれた。
いや、正体はわかっている。
例え、姿形が変わろうとも。
「な、ナイスタイミングしゅんちゃん!」
「遅れてしまい申し訳ありません」
しゅんちゃんは、姿が変わろうともしゅんちゃんだった。
当たり前だけど、転生前と姿が全く違う。
こちらの世界で言うオーガに近い姿だ。
2mを超える身長に大きく立派な角が2本。
袴を来ており、顔にはイカした刺青を入れている。
髪は白色で腰まで長い。
「いいって、いいって。現に、こうやって間に合ってくれたんだし」
「そうですよ!なんで、わしが来る前に死にそうになってるんですか!」
「あはははは。まぁ結果オーライってことで。僕は、もう疲れたから、後はいつも通り任せたいんだけど良い?」
「御意」
(ふぅ、これでやっと休める。しゅんちゃんに任せておけば、この程度直ぐに解決してしまうだろう。それにしても、今日は、僕頑張った!あぁ〜、頭痛いし目も痛い。血も流し過ぎたなぁ。言うても、僕まだ8歳だし。頑張りす───)
しゅんちゃんに任せたことで、緊張の糸が切れ、僕は今までの疲労が一気に押しかかって来るて、死んだように眠った。
《マスター、お疲れ様でした。次回は、私も力になれるようにしときますね…。それと、後は任せましたよ。前世でのマスターの右腕にして、神創神獣の最高傑作》
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