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それは始まってもいなかった

これは昔から伝わる物語。


なんでも願いを叶える魔女

願いを叶えれるのは選ばれた人だけ

それは魔女に呼ばれた人だけ


魔女はどこにでもいるけど、どこにもいない

姿形も分からない

出会った人に聞いても「覚えてない」「知らない」と応えるばかり。

それもそのはず、願いを叶える条件として魔女に関する事をひとつでも漏らしたら願い事は消えてしまうだけではなく大事なものが消えてしまうということ。

それは家族だったり、恋人だったり、宝物だったり…

契約を守ってくれれば何も怖いことはない



さぁ、あなたの願い事は?



この世界アイテールは3つの国で成り立っている

鉱山地帯で資源が豊富なイグニス帝国、氷彫刻で有名でまた新しい芸術を生み出しているグラキエス王国、冒険ギルド本部があり、また土地に恵まれ農作物、酪農で有名なステルラ共和国。

これら3つの国には互いを助け合い、時には争ったりしている。

その3つの国では昔ながら囁かれているお伽話がある。


「願いを叶える魔女」のことだ

神出鬼没で同じ場所には7日から2週間までしかいない。

見つけた人には願いを叶えるということ。

ただ禁忌を犯すと願いは消え見つけた人の寿命を思い出を奪うという。

そんな夢物語のようなお伽話がある。

それを信じて探す人が後を絶たない。



そんな魔女の宿命を背負った少女のお話。


イグニス帝国にある町で少女は走る。

逃げるように走り続けた。

少女はぼさぼさの長さが揃っていない髪、満足にご飯が食べられなかったのか痩せこけていた。

「もっと…もっと早く。遠くに行かなくちゃ

捕まってたまるものですか」

少女の呟きは誰の耳にも届かず消えた

遠くでは兵士が町中をくまなく少女を探していた。

「『アレ』を逃すな!!

赤き女帝に差し出せ!!」


そして少女は見つからないように最新の注意を払いながら闇に隠れるように消えた。









ある場所で旅をしていた女性は倒れた少女を見つけた。

少女の容姿は髪は白く、瞳はとじていて色はわからない上にやせ細っていた

女性は少女を見てただ一言呟いた。

「アルブスの生き残りかーーーー」









数年後

ステルラ共和国のちいさな町の市場で少女はけが人の手当てをしていた。

何やら盗っ人がいて、店主に咎められるのを背中に聞きながら逃げたようだった。

店主の息子が慌てて追いかけ、捕まえかけたが盗っ人は魔術を使い息子は怪我を負っていたのを遭遇して今に至る。

「はい!これで終わり」

「悪いねぇ…急いでたんだろ?」

「ううん、気にしないで。宿に帰るだけだから」

「にしても、あの盗っ人めー…まさか魔術を使えるとはありゃ、簡単に捕まえられねぇしどーすっかなぁ…」

店主の息子は考え込むがいい案が出ないようだ。

少女もなんとか助けてあげたいが悩む。

「探し物はこれかいー?」

すると、目の前でドサッと音がした。

音がした方向に2人は目を向けると、女性とその足元に盗っ人の姿があった。

女性はこの国には珍しい黒に近い紫の短い髪に紅い瞳をしていた。

女性はぽりぽりとかくと

「ちょーっと暇つぶしに相手したらのびちまってねぇ…ま、そんなことはどうだっていいのさ。それよりお使いに時間かけすぎじゃぁないかい?スイ」

「先生、ごめんなさい。」

少女の名スイ。

スイは女性のことを先生と呼んでいる

先生はスイの目線に合わせて微笑んだ。

「まぁあんたが無事でよかったよ。そこの兄さん、ほれ盗っ人だ。持っていきな

大丈夫目が覚ましたとしてもしばらくは魔術使えないようにしといたから」

先生は盗っ人を店主の息子に渡した

息子は慌てて

「あ、ありがとうございます!お礼もしたいので是非お店に…「いや、急ぎの用ができたんでね。すぐに出なきゃならないからまた来た時にお邪魔するよ」ああ…ではその日をお待ちにしております」

先生はスイの手を引いて宿に戻った。




宿に着くと先生とスイは荷造りを始めた。

とは言っても詰めるものはほぼない

日頃使う回復薬や病気に対する薬やその材料などをまとめていた。

「スイ、次行く街には魔術暴走が起きているらしい。だから別行動はあってもお前は留守番だ

…いいね?」

「分かってるよ。お留守番は慣れてる。

でも先生どこかの街に居着いて薬屋さんを開こうとかしないの?」

先生は荷造りの鞄をぱちんと締めた

そしてスイの方に向けてにっこりと笑い彼女の頭を撫でた。

まるでその問いには答えないと誤魔化すかのように。
















同じ時間で別の場所にて2人の男性が話していた。

「ーーして、セゾンは今どこにいる。あやつめふらふらとしよって」

「まぁ、いいじゃねぇか。それより例の子とネージュを見つけないとなぁ」

2人のうち片方はいらだちを隠さないように、もう片方は愉快そうに笑っていた。

「赤き女帝が見つける前に蒼き王がこの手に掴むまでよ。逃がさねぇよ白き魔女よ」

愉快そうに笑っていた男は立ち上って笑みを深めた。

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