表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: 玖波悠里
8/19

不眠症

目が覚めた。

最近ずっとそうなのだ。

真夜中になると目が覚める。

月が出ている日も、そうでない日も。

それからしばらく眠れない、仕方がないから起きだして散歩でもする。

目が覚めて、ひたすらすぐ目の前を凝視するよりよほど建設的だろう。

どうやら最近仲間が増えたようだ。

時折歩いている影を見かける。

声をかけたいとは思うがどうやれば声が出るのか、そもそも向こうに聞こえるのかも怪しい。しかし以前に比べてずいぶん積極的になったものだとは思う。

深く考えなくなったからだろう。

ずいぶんと劣化の進んだ体を見下ろして思う。

この分だと頭のほうもやられてるんだろう。

悩みこまないのはいいことだ。まぁ、別段考えることもないのだが。

とうとう朽ちきったら、影になるのだろうか?

体が軽そうで、良さそうだ。

眠たくなってきた。

欠伸をしたら、顎が取れかけた。

ずいぶん不格好な体を引きずって、自分の墓石に戻る。

年季の入った棺に収まると、草まで生えた土の乗った蓋をぱたんと閉める。

さて、ぐっすり眠れそうだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ