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短編集  作者: 玖波悠里
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騎士と魔王

特につながりのないかなり短い話を連ねるつもりです。

悲劇が多いかも。

私は、もうあなたのために死ぬことはできない。

私は、あなたのために生きることもできない。

私は、あなたと共に生きていくことすらできない。

私の背負ったものはあまりにも重い、

私が背負ったものはあまりにも尊い。

私の守るものはあまりにも私にとって大事なものだ。

だから、私はあなたの前に立つ。

だから、私はあなたの前に立ちふさがる。

けれど、たった一つだけ。

誰にも言うまい、誰にも知られない。

それでも私は。

心だけは、あなたと共にあろう。

いずれ私が死のうとも、あなたが逝こうとも。

たったひとつ、あまりに不誠実な私があなたに差し出せる、たった一つのもだから。



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