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駄目なら駄目らしく

作者: 高尾天

はぁ

俺は大きく息を吐き捨てる。それはため息のようであり、しかし、どういう思いだったのか。なにか肺に病気を患っているのか、大きな期待をされ悩んでいるのか。

そんな訳ない。

最底辺とはこんなものなのかと、単に自分にガッカリしているだけである。


俺は、20歳でホームセンターで働いている。

けど、働いているなんて見せかけだけであり、ほぼ、働いていない。いわば案山子だった。

俺は、この仕事について4年も経つのにも関わらず、全くと言っていいほど仕事ができない。猫の手も借りたい・・・とあるが、俺に関しては俺より、猫の方がいい仕事をしてくれるだろう。と、問いかけたら皆、口を揃えて

「その通りだ」

と、言うだろう。異論はない。

人としてはいい方だと思うが、如何せん仕事に関しては、ダメダメ。なので皆、俺には冷たい視線を浴びせてくる。入ってきたばかりの子でも1ヶ月も経てば、そちら側にまわる。

今は、勤めているホームセンターからの家路を歩いている。

帰り道は、自分のダメダメさに振り返っていることがほとんどなので元気になるのは家に帰ってからだ。

さて、家に帰ったら何をしようか今のうちに考えなければ・・・


「きゃっ」


体に何かがぶつかった感触があった。見なくてもわかる。人がぶつかったのだろう。適当に挨拶して帰ろう。そう思い行動に移そうとした時、

「すいません!」

大声、とまではいかないがそれなりに大きい声で謝り、深々と頭を下げた。その声の主は女性であり、顔を合わせた瞬間、固まってしまった。

彼女はとても魅力的でとても惹かれるものがあった。

彼女は軽い会釈をして、自分の進行方向とは逆に歩いていった。

何故だろう。ぶつかってきたのは彼女なのに、いや、すべて彼女に非がある訳では無いが、とてもじゃないが、悪い事をしたというのを感じさせなかった。なぜそうなのか、すぐに分かった。

立ち振る舞いだろう。

俺は結構、会社では暗い方である。彼女は俺とは対照的にみえた。

印象か……

そうだ!俺も明日から少しずつ明るくしてみよう!

物事が良い方向に傾くかもしれない

そんな小さな期待を胸に僕はもっと、真面目に明るくしてみようと、心に残しながら

「明日は、いつもよりもやってやるぞ〜」

と、声に出しながら歩く。


きっと、明日は良い日にはならないが悪い日にはならないだろう

今回は読んで頂きありがとうごさいました。

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