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76話 分身による調査


 結局、ボクが今後どうするか考えて出た結果は、真面目に熟考した割には至極簡単なものだった。


 それは「情報収集」、本当は早くここから離れたいところだけれど次の村に向かうには資金が少ないしそもそも次の村がここよりましな保証などない。


 かといって、何もしないなどというのは問題外。そのため出来るだけのことをしようというわけだ。


 ⋯⋯にしても、本当にボクって考えすぎだな⋯⋯日本と違い生ぬるくなどないこの世界では必要なことではあるけれど、毎回毎回こうだと⋯⋯ってこれが駄目なのか。今後少しくらいは気を付けてもいいかも知れない。



 ともかく、情報収集をするわけだが、具体的に何をするかだけれど方法は一つ。自分の目で見て回るというそれだけだ。何らかの組織が関与していた場合、迂闊に聞き込みをして目を付けられるわけにはいかないし、信用できる情報屋に聞けるようなつてもない。


 ないないだらけの結果そうするしか方法はないわけだ。⋯⋯早速今夜から始めるとしよう。





----------------------------------------------------------------------------


 現在、ボクは普通の人なら寝静まっているであろう深夜に町を徘徊していた。


 とはいっても、これは本体ではなく分身体。そう、あの時ブラッドベアの攻撃に耐えるのに使った分身体だ。あれから、分身体をつくる能力も何度か使い練習した。そしてその結果、今では人型の分身をつくれるようになった。


 とはいえ、まだまだ慣れていないのもあるせいかしっかりとしたどこから見ても人間といった感じにすると分身体のステータスは大きく下がり、ステータスを上げると人型は崩れてしまう。そんな感じで試行錯誤した結果がこれだ。




名前 ウルル(分身)

種族 集魂霧(ムブラ)

LV --

HP31/31

MP53/53

物攻12

物防11

魔攻22

魔防14

速9

固有スキル

分身体(アバター)

 

称号

分身体



分身体(アバター)⋯本体の持つスキルを使用することが出来る。ただし、スキルレベルは本体より大幅に下がる。


 


 正直、かなり弱い。ゴブリンとどっこいどっこいという感じだ。アバターによってスキルを使えるというけど、風魔法はそよ風、水魔法はコップ一杯、一番マシなのは無属性だけどそれでも不意打ちすれば大人を転ばせるくらいしか出来ない。


 なら怨呪はどうかといったところだけど何故か魔法が発動しない。


 いや、しないといったら語弊が生じるか。正確には怨呪として発動させようとしても闇魔法になってしまう。まぁ、闇魔法でも問題ないし威力自体は無属性より少し上だからいいと言えばいいんだけどね。


 


 しかし、壊滅的な能力に勝るとも劣らない欠点がこの分身体にはある。それは、ボク自身が分身体を動かさないと全く動かないということだ。よく小説で見るような多少なりとも意思を有するそれとは違い、勝手に動くことはない。分身体の視覚でとらえたものは本体にも見えるから遠くからでも操作は出来るんだけど⋯⋯。いわば、カメラ付きのラジコンを動かした感じだ。


 そのため、分身を操作しているとそちらに集中力がとられてしまい本体を動かしたり警戒したりする方が疎かになってしまう。だから、この前のような方法くらいしか戦闘時には役に立たず今のような状況でしか使えない。


 まぁ、今使えるのなら今はいいじゃないかとも思うけど。


 

 ⋯⋯と考えている間にも分身体、正体がばれないように中年男性の姿をしたものを外で歩かせているのだけど特に異常はない。気配察知もしているけどそれらしい気配は見当たらない。スキルレベルが低いせいだろうか?


 ギルド周辺はなし、入り口周辺もなし、商店街もなし⋯⋯そう一つ一つ怪しい人物や物がないか確認していき、どこにも見当たらないか⋯⋯そう思っていたころ。


 場所は都市によくできるという⋯⋯そして、大きくはないが一応は都市ともいえるこの平和といわれる街に存在する貧民街、スラムだ。




--------------------------------------------------------------------------------


「た⋯⋯助けて!」



 ボクがスラムに入ろうとした時に聞こえたのはそんな声だった。スラムというのは上下関係などもあり部外者の人間が入るには危険すぎる場所だ。しかし、今は情報が必要だしそもそもこの体は分身体なのだ。死んだところで問題はない。


 そう思い気配を辿りある程度近くまで近づいた後ボクが見たのは、普通の強姦などとは違い――――――




 覆面を付けた人物がボロボロの服を着た女性を今にも捕まえようとしているところだった。



 何か後付けみたいな感じになってしまったなぁ⋯⋯設定(後付けだから)。

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