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70話 初依頼と迷惑な奴ら

 ギルドに登録するときに、旅人は都市間での手紙などの運搬や各地の名産品などの納品などが主、と言ったがあくまで主であって別にそれ以外ないわけではない。冒険者ギルド、という名前には似合わないかもしれないが雑用のような依頼もあるのだ。そして因みに、それは冒険者も旅人も受けられる。


 あの後、ボク達が選んだのは薬草採集だ。採集時に色々と知識や経験が必要なものは無理だが、中には必要ないものもある。


 今回ボク達が採集するのは劣化ヒール草。正式名称は他にあるそうだが、、この名前の方が定着していて知らない人が多いとか。


 そんな劣化ヒール草はファンタジー物代表のポーションに使われているというヒール草の通称の通り劣化版だ。これを使うと劣化ポーションが出来る。勿論劣化なので回復量は普通のポーションよりも少ないが劣化ヒール草は生命力がかなり高いヒール草よりも更に高く生息数がかなり多いので劣化、劣化とここまで連呼したがそう意味では劣化、というのは間違いと言えるほど重宝されているらしい。


 と、数が多いため見つけやすくギルドでは初心者向けの依頼として出されているそうだ。


 そんな訳で初心者であるボク達はこの依頼を選んだわけだ。あと、ミーシャのポーションづくりの前段階としてでもある。この後、一部持って帰ってポーションづくりをさせてあげようと思う。流石にかなりの種類のあるポーションの作り方をいちいち教えている時間はないので自分で学べるように文字を覚えさせているが、劣化ポーションも調薬の中ではかなり簡単な部類に入り教えるのに時間もあまりかからなそうなのでちゃんと勉強しているご褒美も兼ねて教えてあげようと思ったのだ。


 なので、ボクの隣を歩くミーシャは少しご機嫌な様子だ。尻尾もゆっくりだが揺ら揺らと揺れている。


 「ご主人様!劣化ヒール草ってこれじゃないですか?」


 下を見てみると確かにそれっぽい草が何本か生えていた。


 「じゃあ、この図鑑と比較して確認してから採ってね」


 因みに、ボクは鑑定も使えるのでそんなことは必要ないのだがそれに頼りすぎるのも問題なので確認にだけ使用するつもりだ。


 にしても⋯⋯この図鑑分かりやすいね。日本にいた時にそこまでしっかり見ていた記憶はあまりないので日本のにもあったのかは分からないが葉の形や茎の長さだけでなく、その草と間違えやすい物についても書かれている。


 正に、採集用と言った感じだ。



 ⋯⋯と、そんな事よりボクもやるとするか。



------------------------------------------------------------------------------



 ボク達はあの後初心者とは言えないほどの劣化ヒール草を採集⋯⋯などせず普通量採ってきた。別にずっと鑑定を使っていた訳じゃないし、そもそもの話、こういうところで大量に薬草なんかを採集するファンタジーの主人公は馬鹿かかなり自分勝手な奴じゃないだろうか。


 今回の劣化ヒール草もかなり生命力が高く沢山生えているし採ってもまた生えてくる。けれど、それはある程度の場合の話だ。


 いくらファンタジーでも植物は一日で生えたりするわけではない。この劣化ヒール草も流石ファンタジーだけあってミントのおよそ二倍、一か月程度で種から成長し採れるようになるがそれでもそこそこの時間が掛かる。


 だから採りすぎると、その場所で採集できるのは単純に考えれば一ヶ月後となってしまうのだ。そしたら、その後そこで採集しようとした人はどうなるのか。いい場所がまた見つかればそこで採ればいいがそうじゃなかったら?もし、その人が一日一日の暮らしがやっとだとしたら?


 だから、そんなことも考えずに採るのは馬鹿としか言いようがない。もしくは、分かっていても自分の利益しか見えずわざとやる奴か。だとしたら、こんなボクが言うのもなんだけれどかなり最低な奴だ。


 ともかく、どちらにしてもそんなことをやる奴は迷惑というわけだ。


 ⋯⋯と、何でボクがまたそんなことをつらつらと心の中で語っているかと言えば簡単だ。ここにもそんな迷惑な奴がいるからだ。


 そいつらは厳つい男二人組だった。一人は両手に溢れんばかりの薬草を持ちモヒカン頭の男。持っている薬草と、その顔が全然印象が違っていてかなりおかしい。


 もう一人は、モヒカン男の兄貴的な存在らしく背中にかなり黒い刀身に赤い線の入った派手な装飾の大剣を背負った男だ。どちらも柄が悪そうで正直近づきたくないし、ここで薬草が取れなくなっても別に旅人のボク達はあまり問題ではないので注意しようなど思わなかった。


 しかし、


「おい、おめぇ可愛いなぁ⋯⋯。俺の性奴にしてやるよ!ギャハハハハ!」


「はっ!兄貴がそう言ってるだから有難く思えよ!ヒャハハハハ!」


 ⋯⋯厄介ごととはこちらから近づかなくてもやってくるということだろうか。ボク達が避けるように通り過ぎようとした時にどうもミーシャが目をつけられてしまったらしい。冒険者ギルドでは絡まれなかったのでこのまま当分は大丈夫かなと期待していたのだけれど⋯⋯。


「ひっ!⋯⋯ご、ご主人様⋯⋯い、嫌ぁ」


 そんな風に言われ⋯⋯脅されたミーシャはすっかりビクビク状態だ。ボクが見た中であの村の夜よりも増してひどい状態だ。ゴブリンなどの魔物と最初に戦わせた時も若干怯えていたがここまでではなかった。


 推測だが、奴隷にしてやるとかいうのは元奴隷⋯⋯今も奴隷だけれどひどい扱いをされなくなったミーシャには酷い扱いを受けたトラウマのせいで禁句なのではないだろうか。でなければいくら何でもこんなに怯えたりはしない。



 そんなことをボクは冷静に・・・考えながらボクはミーシャと男の間へと堂々と向かった。

 やっと、何となくファンタジーっぽくなってきましたね。最近は説明が多く、どうかなぁと思っていたので何とか今回書けて良かったです(とは言いつつ半分以上説明)。


 あと、因みにファンタジーの主人公についての話はウルルのように馬鹿だとかは思っていないのですが、もし現実ならこんなことになったりするのかなぁという風に思っていたのでちょっと多めに書いてしまいました、すみません。


あと、総合評価300pt超えました!ありがとうございます!


 

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