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66話 本屋とミーシャの⋯⋯?

 今回はまだ未完成のため後で編集し続きを書こうと思います。本当にすみません⋯⋯。

 「⋯⋯ご主人様、朝になりました」



 夜が明けて、ミーシャに起こされてまた朝が始まる。最も、一晩中警戒し続けていたので寝ていたわけではないけれど。



 「おはよう、ミーシャ。じゃあ朝食を食べに行こうか」


 きっともう朝ご飯くらいは出来ているだろう。少し前から部屋の外で動く気配がいくつかあったから



 「はい」



 これがご都合主義の物語の世界だったらヒロインとラブラブになったりあんなことやこんなことをしたり何てことが起こるけれど、この現実という名の物語ではそんなことは通用しないらしい。いくらか軟化し少しは自分から話してくれるようになったけど、コイビトどころかトモダチですらなくシリアイレベルでしかない。


 ボクの目的的にも問題だし、何よりこんなギスギス⋯⋯とまではいかないけど居心地の悪い空気は望むところではない。


 ⋯⋯今日の用事のついでに何処かミーシャとの仲が改善させるようなところに行こうか。



 そんなことを考えながらボクは朝ご飯を食べ終え、宿を出るのだった。



---------------------------------------------------------------------------


 何かをするときに最も大切なものは何か。



 これっ!と一つ決めるというのはなかなか難しいけれど、候補くらいはほとんどの人が思いつくだろう。



 例えば、力や権力。あれば相手に邪魔されにくくなる。


 例えば、勇気。あれば何かを実行するときにエネルギーが増す。


 けれどボクはそれに劣らないくらい知識が大切ではないかと思うのだ。多くの人が知識を候補に入れるように、知識がなければ適切な判断は出来ない。適切な判断でなければそれを勇気が後押ししても意味がないし、力を有効に使うことはできない。


 ⋯⋯と、何だか漠然としていてスケール大きな話になってしまったけれど言いたいのは知識⋯⋯情報は大事なものということだ。


 その為、現在ボク達は本屋の前にいる。とはいっても、この世界の本は日本の物よりも高いため売っているのは古本が主だ。しかし品揃えはよく、具体的な数は分からないが普通の図書館などよりは多そうに見える。


 「ほっほっほ⋯⋯いらっしゃい。どんな本をお探しかね?」


 そう聞いてくるのは店主の老人だ。長くて白いひげを生やし、それを整えるように触っている。


 かなり老齢に見えるが、声の調子はまだまだ活力に満ち溢れ見た目以上に若々しく感じる。ステータスを見ても、この年にしては高い方のようだ。


 「はい、国の文化についての本とスキルについて。最近まで人口の少ない村にいたもので、常識なんかを知りたいんです」


 嘘は言っていない、嘘は。



「ほっほ、そうかい。それじゃったら⋯⋯これなんかどうじゃ?」



 そう言って店主の老人が持ってきたのは、『プリレル王国の文化』、『スキル大全集』という如何にもな本だった。


 にしても、伝えてから持ってくるまでの時間の短さ⋯⋯流石はこの量の本を販売する人物というべきか⋯⋯まぁ、この二冊の本の需要が高いだけなような気もするが。


「はい、大丈夫です。二冊でいくらですか?」


 そう聞くと店主の老人はまた髭を触り考え始める。


「普通は2000ブルくらいじゃが⋯⋯お主には1500ブルで売ろう」


 そう、自ら値段を下げる店主の老人。因みにブルというのはこのブリレル王国のお金の単位のことで、細かいことはまだ分からないが日本の一円=一ブルくらいだ。


「いえ、悪いですよ。特にお得意さんとかいうわけでもないですし⋯⋯」


ボクは店主の老人の提案にそう答える。


「ほっほっほ、人の親切は素直に受け取るものじゃよ。それに何の理由もないわけではない。何故か⋯⋯何故かはわからぬがお主には何か感じるのじゃ」



 その何か・・が何だか分からないが、こう言われると断りにくい。


「⋯⋯そうですね。では有難くそうさせて頂きます」


そう言ってボクは盗賊から奪ったお金を払う。



「まいどあり。また本を買う時があれば、ぜひお越しを⋯⋯」


 そう言って店主は店の奥の方に入っていった。



「さて、ミーシャ。店を出よ⋯⋯ミーシャ?」


 ボクがミーシャの方を見ると、一冊の本の表紙をじっと見つめている。


 題名を見ると、『ぬいぐるみのお家』。どうやら中には色々なぬいぐるみが描かれているらしい。


「⋯⋯ミーシャはぬいぐるみが好きなのかい?」


 ボクはミーシャに近づき、聞く。


「えっ!⋯⋯あ、ご主人様。えっと⋯⋯その、すみません」


 気が付いたと思ったら急に謝りだすミーシャ。おおよそ、奴隷として主人の用事が終わったのに気付かなかったからとかで謝ったのだろう。個人的には内心、奴隷でもそれくらいいいのに⋯⋯と思うがこれまで奴隷として酷い扱いを受けてきたであろうミーシャにそれを要求するの酷であるし、謝罪は受け入れておこう。



 それにしてもぬいぐるみか⋯⋯。この世界の玩具などは大量生産されていた日本とは違い、スキルや魔法があるとはいえ手作業が主流のため少し値段が高い。それでもぬいぐるみなら布と綿さえあれば作れるため恐らく入手するのは困難ではない。現に、本屋に来るまでの道にあったような気がする。


 丁度、ミーシャとの関係を良くするためにどこに行こうか考えていた所だし寄っていこうか。


 「ミーシャ、折角だからぬいぐるみのお店に行こうか」


 ボクはミーシャの肩に手を乗っけながら言う。


 

 「⋯⋯ふぇ?」



 そして、ミーシャから返ってきたのは何とも可愛らしい声だった。

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