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63話  平和な街、サーファス

 ⋯⋯なんとか、間に合わせることが出来ました(現在、投稿三時間前)。来週も期日通り投稿できるかは分かりませんが、今回もよろしくお願いします。

 

 あの事件から数日、ボクとミーシャは森沿いの道をゆっくりと歩いていた。初めはミーシャも少し暗い雰囲気だったが、今ではそんなこともなくなった。あくまで雰囲気だけであって、内面のことは分からないけれど。ちなみに、ボクは忘れることにしたし今ではそこまでは気にしていない。過ぎたことを考えても仕方がないしね。


 道中には魔物もいたけれど、ゴブリンやウルフなどそうたいして強くない魔物ばかりだったので何も問題はなかった。途中、ミーシャに戦わせたてみたけど問題なかった。勿論最初は、複数だと危ないから一匹残して他はボクが殺してから相手させていたけど今はもうこの辺の魔物なら複数相手でも問題ない。


 そんなこんなで歩いていくと、少し遠くの方に街が見えてきた。かすかながらにぎやかな声も聞こえる。


 その街に近づくと門の前に列が出来ていた。その並んでいるうちの一人、優しそうな男性に声を掛ける。



 「すみません、この街に入りたいんですけど身分証明書とか、必要なんですか?」


 

 「ん?君、田舎から来たのかい?まぁ必要ではあるけれど門で仮身分証明書なら発行してもらえるよ。仮証明書は一週間しか効力がないけどその間にギルドで証明書を発行してもらえばいい」


 大丈夫だったようだ。これなら身元のないボクでも入れる。

 


 「その、こんなことボクが聞くのも何なんですが⋯⋯それで大丈夫なんでしょうか?」


 ただ、ここは国境。話を聞いたときにも思ったけどこんなんで大丈夫なんだろうか?そう思い尋ねる。


 「あぁそれは俺も思うが⋯⋯この辺はあの暗黒山のせいで国境がかなり曖昧だからな。あんな厄介なところはどこも領土にしたがらないし⋯⋯」


 その近くで並んでいた冒険者らしき男が答える。そんなものなのだろうか?


「それに、ここは平和な街サーファスだからな。心配ないさ!」


 平和な街?


「平和な街⋯⋯ですか?」


 そうボクが聞き返すと男は少し驚いた様子だったが、そういえば田舎から来たんだったなと呟いた。


 「あぁ、そうだ。じゃあここは俺もこういう時に定番のセリフでも言うか。⋯⋯ようこそ!平和な街、サーファスへ!」


 彼はそう言うと笑顔でそんなテンプレなセリフを言った。


 そして、何故かボクはまた新しいページが始まっていくのを何となくではあるが感じたのだった。




-------------------------------------------------------------------------------


 門で仮身分証明書を発行してもらった後、ボクはギルドに向かっていた。男に聞いた通り身分証明書を発行してもらうためだ。


 門から大通りをまっすぐ進んで行くと大きな建物があった。



 そこには、建物の大きさに見合った看板に『冒険者ギルド』と書かれている。


 どうやら、目的地はここのようだ。


 「⋯⋯その、本当に入るのですかご主人様」


 ミーシャがこちらの顔を見ながら聞いてくる。というのも小説の中のと同じで冒険者ギルドというのは荒くれものも多く、騒動も多いのだとか。


 そのため、新人や依頼人が重傷を負うこともあるらしい。


 だから一般人にはギルドというのは下手すれば街の外よりも恐ろしいというイメージなのだという。


 最もだから入らないなんて選択肢はないけど。身分証明書は必要だし、だからと言って基盤も知識もない状態で商業ギルドや鍛冶ギルドに行っても意味はないから。


 そもそも、中から強そうな気配は隠蔽されてなければなさそうだ。


 「大丈夫。もし何かあっても君を守りながら逃げるくらいは出来るだろうから」


 

 「⋯⋯はい」


 そうは言ってもミーシャの顔は優れない。けれど、時間でどうにかなるわけでもないし⋯⋯ここは案ずるより産むが易しというし中に入るとするか。



 ボクは怯えるミーシャの手を引きながらギルドに入っていく。



 カランカラン



 ボクが中に入るとそこにあった光景は⋯⋯



 ⋯⋯。


 ⋯⋯。


 ⋯⋯。


 ⋯⋯は?



 

 そこにあったのは荒くれ者の巣窟とはとても思えないようなものだった。清潔で受け付けには多くの冒険者がしっかりと並んでいる。勿論中には苛立っていることが一目で分かる者や併設された酒場で飲みすぎたのか如何にも危なそうな男もいるが、それでも巣窟とはいえないものだ。


 少し呆然としてしまったけど、ボクはミーシャを連れて受付の列に並ぶ。少し警戒しながら周りの様子を見ていたけど特別ボク達に敵意を向ける者は居なさそうだ。多少の興味を持ったような視線はあるが、所詮はその程度だ。



 そしてとうとうボク達の番だ。


 


 「いらっしゃいませ。本日はどのような件でしょうか」



 ボクの初ギルドはいたって穏やかな形で始まった。


 

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