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61話 魂の叫び

 ついに、総合PV50000達成しました!皆さん、本当に有難うございます!!



 目の前の炎は空中に浮かび何とも不気味な音を出していた。


 

 一瞬、空中に浮かんでいるため魔法か何かかと思ったがどうも違う気がする。


 炎はもうすぐ目の前。しかし、隣のミーシャを見ても気付いた様子はない。


 やはり、ボクにしか知覚出来ていないようだ。


 そして、ボクにはなんというか五感だけでなく何か別の第六感のようなものが何かを伝えているような気がする。


 ”ニ゛⋯⋯イ⋯⋯ズベ⋯⋯グィ!”


 近づくと、それがただの呻き声ではなく何か意味のあるものだと気づいた。何かをボクに、いや周りに訴えているようだった。


 「ご主人様?」


 ボクはミーシャが呼んでいるのも無視してその炎に近づく。第六感が近づくべきだと、そして近づかないべきだと訴えている。


 ”ナ゛ン⋯⋯⋯オ゛⋯⋯ガラ⋯⋯ヲ⋯⋯⋯⋯⋯ウ!”


 ”ナンデ⋯レ゛⋯ラズベデヲ⋯⋯ウバウ!”


 なんで俺からすべてを奪う、か。



 何となく、予感めいたものを感じながらボクは鑑定を使う。




 名前 アデル?

 種族 ノン・レイス

 LV --

 HP0/0

 MP5/5

 物攻0

 物防0

 魔攻5

 魔防5

 速10

 スキル

 魂体

 怨念


 称号

 死者




 魂体⋯物理的な干渉を受けにくくなる。ただし傷つきやすい。


 怨念⋯恨むことで周囲に悪影響をもたらすこともある。


 死者⋯既に死んだ者。恨みが強いと不死者になることもある。




 どうやら、あの少年の霊らしい。


 幸い悪い影響なものは感じられないが、一体どうすればいいのだろうか。


 このまま放置すればほぼ間違いなく不死者アンデッドになるだろう。けれど、ボクにアンデッドを倒す手段があるのか判断できない。アンデッドであるボクに魔法が効くから大丈夫だとは思うけどね。


 さてこれからどうしようか⋯⋯と考えた時、その判断材料となるものに一つ心当たりがあった。


 何でボクがこの魂に何かを感じたのか、ということだ。


 はじめこの魂に引き寄せられたのは第六感というかなりあいまいなものしか思いつかなかったけど、よくよく考えてみると自分が魂統合というスキルを持っていることを思い出したのだ。


 この世界に生まれた当初、スキルを確認したときは『波長の合った』っていうのがよく分からなかったけど、この引き寄せられるのが波長の合うってことのような気がする。


 なんで、出会って数日のアデルと波長が合って今まで殺した奴らに波長どころか魂さえ見えなかったのかは分からないけど⋯⋯。


 可能性としてはアデルが不死者になろうとしてるからとか、怨念を纏っているからとか上げられるけどね。


 まぁこれからどうすればいいか分からないし、早速確かめてみるか。



 「魂統合」



 そう口に出した瞬間、彼の魂が強く発光する。まぶしい光ではなく何故かありえないはずの黒い光だった。


 ”ア゛⋯⋯ ゥア゛⋯⋯?”



 魂からは先程までの呻き声とは違う何が起こっているのか分からないといった困惑の声を出した。




 ⋯⋯ボクが言えるセリフではないけれど死んだ後くらいは恨みなど忘れて、天国で幸せに過ごしてほしいものだ。



 しばらく発光が続いた後、今度は彼の魂がボクに吸い込まれていく。


 

 魂が入ってくることで記憶入ってきそうでなんかあれだけど、もう複数人分の記憶があるし今更だよね。


 吸い込んでいくとやはりというべきか彼、アデルの記憶が入ってくる。けれど、特にどうってことはない。


 沢山の記憶の海にまた一つ記憶が沈んでいく。


 

 彼の楽しい思い出も、辛かった思い出も、強い恨みもすべて沈んでいく。


 

 『彼』の存在は海に沈んで見えなくなった。


 けれど完全に見えなくなったわけではなかったようだ。


 


《 剣術 を習得しました》


《 剣術 は剣術に統合されました》


《 警戒 を習得しました》


《 気配察知 を習得しました》


《 怨念 を習得しました》


《 怨念 は属性:怨呪 に統合されました》


《 怨念吸収 を習得しました》


 

 


 魂を吸収したせいか生前と死後のスキルの一部を習得したようだ。


 他にも、火魔法もあったはずだけど手に入れることは出来なかった。


 適正外のものは習得出来ないのだろうか。


 それはともかく、彼の魂を統合し終わったようだ。


 先程まであった引き寄せられる感覚もないし、呻き声もない。これでもう大丈夫だろう。



 「⋯⋯⋯⋯様、ご主人様!」



 おっと、また集中しすぎてしまったみたいだ。



 「あぁ、何でもないよ」



 そう言ってごまかす。こう言っておけばミーシャの性格上、聞き返してはこないだろう。


 

 ボクは先程のことはまた後で考えることにして、その場を立ち去った。

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