6話 魔力感知と⋯⋯
あれから更に長い時間が経った。
途中から流石に飽きてもうやりたくなくなったがそれでもどうにか続けた。
そして、その努力が実ったのかついにその時が来た。
《 魔力感知 を習得しました》
⋯⋯ふぅ、やっとか。
なんだか達成感よりも精神的な疲労の方が大きい気がする。
まぁ、何日間も休憩殆どなしでぶっ続けでやっていたから当然といえば当然だよね。
それにしても、こんなに続けられるなんて、人間の時だったら考えられないよね。
ボクの一部になった人にも努力するのが得意な人もいたが、流石にここまでではない。
確信はないがきっと魔物になったことで精神に何かしらの影響があったのだろう。
いまのボクが普通の人間の精神と違うのには思うところがないわけではないけど⋯⋯、まぁ今更だよね。
それはおいといて、まず魔力感知を見てみようか。
魔力感知⋯魔力を感知する。
⋯⋯そのままだね。
まぁ、思った通りのスキルでよかったかな。
早速、発動させてみようかな。
(魔力感知)
⋯⋯。
⋯⋯。
⋯⋯。
おぉ、スキルがあるとないとじゃ全然違うね。
さっきまでよりも魔力をはっきりと感じ取れる。
にしても⋯⋯なんだ?
自分に魔力があるのはいいとして外にも薄いけれどある。
いや、これはなんか違う。
魔力みたいだけど何か違う気がする。
もしかしてこれが瘴気なのかなぁ。
魔力と瘴気は似ているのかな。
瘴気感知みたいなものもあるかもね。
それはおいといて次は魔力を動かすことかな。
⋯⋯いや、やっぱり次は休憩しよう。
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ある場所では。
「⋯⋯今回の奴らはどうだ?」
髭を生やした老齢の男が問う。
「能力は決して低いということはありませんが、あまり高くはありませんでした。ただ、頭は悪いので駒にするのには丁度いいのではないでしょうか?」
中年の特徴もなさそうな男が答える。
「ふむ、そうだな⋯⋯まぁ能力が高いのも問題だしな。制御できなくなった時に困る」
「えぇ。それに今回は他の奴らもそこそこ強いようですし問題はないのでは?」
「そうだな」
そういうと二人の男はその場を去っていった。
――――まだ、彼らは知らない。




