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47話 女神フェルヌスと他の神

 何も残っていなかった、なんて言ったけど実際はそんなことはない。


 ちゃんと、モルバールだけは残しておいた。こいつは差別感丸出しで殺そうとさえするような過激な人物ではあったものの他の同調で安心を得るような奴らと違ってしっかりとし自らの意思がしっかりしていた。こいつなら、話を聞けそうだ。別にタル―シャさんを信じていないわけではない。けれど一人の人間から、視点から、視たものというものには偏りがある。そして、ボクはそれを誰よりも知っている。


 ボクには多くの記憶があるけどそれぞれの記憶にそれぞれの考え方、そして一つの事実に対しそれぞれの捉え方がある。


 だから、一見正しいように見えてもそうでないことだって沢山ある。


 皆が皆すべてを見通すことなんて出来やしない。一部しか見えていない。一部しか見ないから、間違えてしまう。


 だからこそ、それを改善しなければいけない⋯⋯そう思っている。


 

 ともかくそんな訳でこいつを殺さないでおいたのだ。ボクの危険分子になるリスクよりリターンの方が大きいだろうと思ったのだ。


 「⋯⋯で、こんなことをした詳しい理由から聞くとしようか」


 もう、周りの死体はすべて始末しておいた。いったん風魔法で死体やらなんやらを集めてその後得意な怨呪魔法で瘴気を発生させ浸食し脆くなったところを粉砕し一度村を出て森の土に埋めておいた。これであんな奴らでも森の栄養として役に立てるだろう。


 因みに死体の処理はモルバールを気絶させてからやった。どうせ、見せていたらまた訳の分からない理論で罵倒してくるに違いない。これから口から溢れるほど出てくるだろう罵言暴言をこれ以上増やしたくない。


 実際⋯⋯



「ふんっ、そんなことも分からないのか?先ほど言ったように貴様が獣人などという穢れた種を連れてきたからに決まっているだろう!!」



 これ、彼の仲間だった奴ら⋯⋯村人たちが殺された後に出てきたセリフがこれだよ?おかしくない?


 普通、あれだけの仲間が殺されていったら仲間意識とかはないかもしれないけど、恐怖くらい感じてもいいのに、この強きっぷり。ここまで行くとある意味尊敬するよ。


 「じゃあ、何で穢れた種なんだい?」


 別に人種差別のようなものは「違い」が存在すれば他に理由なんて無くても起こるものだ。それは地球で体験したことだ。人間は似たものと同調し違うものを排斥したがるものなのだ。そして、それは過去も現在も、きっと未来も同じだ。だから仕方がないといえば仕方ないけどだからと言って被害にあう側からすれば黙ってなどいられない。


 今回はボクが直接差別を受けたわけではないけれどそれでもこうして被害を受けているのだから許す必要なんてないだろう。


 しかし、獣人が差別されても仕方ないようなことをしたのなら多少は妥協してもいいかとは思っているけど。

 

 「人族とは女神様に祝福されし優れた種族、他は災いを齎す穢れた劣等種族。当たり前だろう?なのになぜ誇り高い人族の一員であるはずの貴様がなぜこのようなことをする!!」


 あー。この人他種族差別だけじゃなくて人族至上主義も患ってるのか⋯⋯。そして、具体的には何も話さない⋯⋯というかこの男にとっての理由はこれだけみたいだね。見る感じ誤魔化してるとかじゃなく本気で言ってるみたいだ。滅茶苦茶面倒くさいなぁ。しかも女神、ねぇ。なんか興味深いものが出てきた。


 女神、それがボク⋯⋯いやボク達に加護を与えなかった存在。なぜ、加護を貰えなかったのか知りたいところだ。こんな奴から得られる話なんてたかが知れているけどないよりはいい。


 差別の方は聞いても無駄っぽいしこっちも聞いておくか。


 「じゃあ、その女神について教えてもらおうか」



 そういうと先程の怒りに見た顔から一変、キョトンとした顔になった。



 「?はぁ?そんなものあの、人族を創造し守護をされる女神フェルヌス様に決まっているだろう」


 どうやら常識だったらしい。今後は気を付けないと。別にこいつならいいけど。


 「一応聞くけど女神フェルヌス様について話して」


 そこから尋問をやっているのに如何にも楽しそうにフェルヌスの話を披露してきた。


 

 結構話が長かったため要約すると、昔は何柱もの神がいたがその中でも人神フェルヌス、獣神、魔神、龍神が力を持っていた。そしてある時、人神は人族を作り出した。そして、人族に地上の維持を任せようとした。しかし、人族は有能だった為他の神たちは羨み嫉妬し勝手に人族に手を加え邪な存在である獣人族、魔人族、龍神を作り出した。しかし強欲であったその種族達は地上の管理を行っていた神聖な存在である人族から富を奪い、自分たちのものとした。その為、世界はどんどん荒れ果てていった。

 それに人神は嘆き悲しみ遂には他の神の暴走を止め地上に勇者なるものを遣わし他種族、主に当時人族にかなりの悪事を行っていた魔族の王、魔王から人族を守りそして他種族の王を打ち取り平和になった。

 そして、今もなお他種族は人族に対して悪を働くため勇者がそれを止めるため、活躍しているという。


 

 

 

 ちなみにこのフェルヌスは複数の単語を組み合わせて作ったものですが⋯⋯もし分かったら凄いと思います。というわけで、正解者には豪華賞品、「作者による0円拍手」が贈られる⋯⋯かも(いらない)。

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