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41話 嫌な村人

 うーん、胸糞悪い話だねぇ。


 

 主に村人が最悪だ。


 一人の人間に聞いた話だから信用できるわけじゃないけどなんかあの村人達見てるとなんか信憑性を感じるね⋯⋯。


 「⋯⋯馬鹿みたいな話さね。アラーナちゃんに何の悪いことはないのに⋯⋯。アラーナちゃんが悪者ならただただ守られているだけで戦闘の邪魔でしかなかった村人は一体何なのさね⋯⋯」



 本当にそうだ。



 自分達は守られているだけなのにあーだこーだ言うのはどうかと思う。


 しかも、恋人を亡くした直後のアラーナさんに、だ。



 ⋯⋯こういう人種は地球にもいたけどきっと他人のせいにしていないと生きられないんだろうね。


 「あたしもあの戦いの時、あの二人を見ていたけど自分たちを良く思っていない村なんかのためにここまで⋯⋯と思ったさね。⋯⋯あの時、あたしも手伝えればって今でも思うさね⋯⋯」


 聞けば、タル―シャさんはこの世界でも珍しいといわれる結界魔法の使い手なのだという。



 そのため、ブラッドベアが村に侵入するのを遅らせ、村人たちが避難する時間を稼いでいたらしい。


 その時、ブラッドベアが強かったことや村人たちの避難が下手だったり、家にあった自分の財産を取りに戻る馬鹿などのせいで結界に割く魔力が大きくなり、援護にまわれなかったという。


 あ、そういえば、タル―シャさんに発言権があるのは村長であるということもあるけど、この結界魔法が使えるからなんだとか。


 この村の人達は差別をしたり威張ったりするくせに基本、人任せなので戦闘が出来る人間は少なく、出来ても精々ゴブリン一匹に辛勝して自分は強いとか言い出す馬鹿ばかり。


 そのため攻撃できないとはいえ結界魔法が使えるタル―シャさんはこの村に必要な人物であるため、発言力があるらしい。


 そして危害を加えられることもほとんどなく、あったとしても馬鹿な村人たちは短絡的に殴ろうとするだけで結界魔法で簡単に対処出来るのだとか。



 ⋯⋯なんか王国の時から低かったけど、さらにこの世界の人間に対する評価が下がっていく気がする。


 

 不意打ちとはいえ、スキルとかを知らなかったボクでさえゴブリン十匹同時に倒せたよ?



 今ならもっと倒せるだろうし。


 それを一匹倒して強い~とか、どれだけ井の中の蛙なんだよ⋯⋯。



 ボクだってまだまだ弱いと思ってるのに。


 「⋯⋯そんなんでこの村の戦力的に大丈夫なんですか?」


 次、同じことがあったらどうするのかね?


 「いんや⋯⋯駄目だろうねぇ。平和な今でもあたしがいないとこの村は滅ぶだろうさ。ゴブリンなんて一匹しかいないなんてことは少ないからねぇ」


 ふーん。


 じゃあやっぱりこの村にいる時でも魔物の警戒もしていかないとね。


 「⋯⋯まぁ、一応戦えるのはいるんだけどねぇ」


 「へー、そうなんですか」


 

 その辺は特に興味がないからてきとうに返す。


 いても、魔物の警戒をしていれば襲撃されそうになったら気が付くしね。



 「それが、さっき話に割り込んできたあの子⋯⋯そしてさっきの話で出てきたブライアンの弟のアデルなのさね」


 

 ふーん。あの子がねぇ⋯⋯。



 まぁ、確かにこの村の中ではましだったかも。



 さらっとしか見てないけど確かレベル13でHP100でMP20、他は40~50くらいだった。


 他の村の人達はレベル5くらいでステータスも半分なかった。



 ⋯⋯村の大人達が十五ない少年に負けるって。


でも、これじゃあ村を守れないよ?


 前、ボクが戦った盗賊なんかが来たらもう、お終いだよ。


 

 タル―シャさんくらいだよ?


 まともなのは。



 物攻や物防こそ20~30と少し低かったけど魔法使いというだけあってMPはなんと200もあった。


 ボクを除けば今まで見た中でも最大だ。



 これならそのブラッドベアとやらを少しくらい止められてもおかしくはないだろう。



 「おっと、話をしすぎたねぇ。もうすぐ夕飯だし今日は食べていきな」



 あぁ、もうそんな時間か。


 別にすごく重要な情報が聞けたわけじゃないけど久しぶりに長めの会話をしたな。


 

 話し相手は今までもミーシャがいたけど対等の関係というわけでもないし話しかけても途切れ途切れで長く続かないし。



 その後、夕食を食べたボク達は少し早めの夕食を食べた後、タル―シャさんの家で就寝することにしたのだった。

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