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4話 人骨と体

 


 あれから、どのくらいの時間が経ったのだろうか。


 


 一日は経っていない気がするけど、1時間くらいだったかそれとも半日くらいだったのか。全く何も見えないというわけではないけど十メートル先も見えないこの状況では時間の感覚など全くない。


 何か危険なものが近くにあったら困るのでもし何かあったらここに戻ってくることが出来る程度に周囲を見回ってみたけれど、ほとんど何も見当たらなかった。



 ほとんど、というのは自分のいた場所の近くに骨が散らばっていたからだ。


 その骨は、一応形の整ったものもあったものの、大抵は風化したようになっており、欠片があるのみだった。



 魔物の骨かと一瞬体が強張った。



 しかしその骨は知識がないのでよくわからないものの、人骨に酷似しており、いやおそらく人骨だろう。


 そして、形の整っている骨の近くに服の一部らしきものがあった。




 「Love」




 そう書かれていた。



 紛れもない英語で。


 絶対とは言えないけどきっとこれは”ボク”の一部になった者の骨なのだろう。



 うーん、なんだかなぁ⋯⋯。



 いや、思うところがないわけではないけれど今考えてもどうしようもないからやめておこう。


 


 でもこれだけかぁ。


 

 少なくとも「ボク」が見回った中で生き物の痕跡はこれしかなかった。


 人間はおろか、動物も魔物も植物もボクのような幽霊みたいなものすら見当たらない。


 

 普通、植物くらい、ありそうなものだけど。


 理由として考えられるのはこの周りの黒い霧のようなものだろう。


 見るからにして有害そうだしね。



 にしても、一体これは何なのだろう。


 有害そうで生物もいなさそうだが、ボクには何の影響も見られない。


 全く苦しくないし、気を失いそうになるなんてこともない。



 

 どうにか知る方法はないのかね。




 ⋯⋯鑑定とかならどうにか出来るかも。


 こういう霧みたいなものに出来るかわからないけれど、やることにデメリットなんてないし。




 「鑑定」




 本来声に出す必要性はないが、少し寂しくなったのか、ファンタジー小説に影響されたのか無意識に出てしまった。






 死の瘴気

 瘴気の中でも特に強力なもの。




 

うわぁ⋯⋯なんかやばそう。


 


 いかにも危険なものっぽいけれどボクにはなんともないなぁ。




 どうにかできることでもないし、今は気にしなくてもよさそうか。


 


 今やるべきことは……何ができるかの確認かな。




 自分自身の体は移動中になんとなくだけどわかった。


 

 足や手はないけれど浮遊することが出来るけれどせいぜい三十センチくらいしか浮けない。


 あと、体の大きさや形はある程度変えられる。


 子供くらいな大きさから大人くらいの大きさくらいまでできるし、人型にしたり動物みたいにしたり霧みたいにしたり。


 あと、霊だからか物に触れることは出来なかった。




 うーん、わかったことはこれくらいかなぁ。



 触れることが出来ないから無敵っぽく見えないこともないけれど、異世界ものでは魔法とか効いたりするし光弱点なんてものもあるからそんなこともないんだろうなぁ。




 やっぱり強くなる必要がありそうだ。



 強くなるには色々な方法がありそうだけど、今できそうなのは魔法が出来るかを試すくらいかな。


 


 


 


 





 


 


 


 


 

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