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塩マネージャー vs サバサバ系女子、私が選んだ対抗策は ‘ぶりっ子’ でした  作者: 雨宮 叶月


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第39話 夏休み②

朝、LUCENTの雑誌撮影は順調に進んでいた。私の段取りが良く、ロケ班との連携もスムーズ。モデルのメンバーたちも海辺での撮影に映えて、順調に午前中で全行程を終えることに成功した。


撮影終了後、スタッフは撤収。メンバーたちは解放され、ようやく本当の“休暇モード”へ突入。


佐伯が誰よりも早く水着に着替えてビーチに走っていく。


「きゃーっ! ひっっっっさしぶりの海ー!! やば! 波たっか! え、これ泳げるやつ!?」


ノリノリで砂浜を走り回る佐伯。水着は派手なビビッドピンクのフリル付き。本人は「ナチュラルセクシー」とか言ってるが、派手なだけ。


そんな中、私は日陰のビーチチェアに腰を下ろした。


白とネイビーのストライプパラソルの下。サングラスをかけ、シンプルなホワイトの水着を身に着けていた。露出は意外と多い。洗練されたシルエットが逆に目を引く。


今日だけ特別にある売店?で海のお兄さんに頼んで買った、ソーダ味の棒アイス。手には、溶けかけの雫が細い指をつたう。


その姿を見て、メンバーたちがざわついた。


「え、やば……黒宮さん、モデルかと思った……」


「脚なっっが。てか腰のライン綺麗すぎん?」


「かっこいい、というより美しい……」


「なんかあの棒アイスすら高級に見えるの、なんで?」


私はそれを意に介すことなく、涼しげ。


「ふふっ、これこそが究極のスローライフ、、、!」


サングラスの奥の視線があちらを向いた。


「……あれぇ? 佐伯さん、すっごく元気ですねぇ♡ もう日焼け止め落ちちゃったんじゃないですかぁ?」


「……は? うっさいわ」


佐伯はぷいっとそっぽを向いたが、明らかに視線は私のスタイルを気にしている。


「てかそれ、どこのブランド? そんな水着、通販で売ってないんだけど」


「ん~? 一点物ですぅ♡」


「え。そういうマウントとってくるの?」


「え~♡ 気にしないでくださぁい♡ “適切な休暇”ですから♡」


再びバチバチとした火花。



一方、霧島と天城はテントの影で飲み物を飲んでいた。


「……いやマジであれって戦いなんだよな?」


「うん。あのアイスの溶ける速度まで計算に入れてそうで怖い」


「俺たちの“海”となんか違くね……?」


「うん。たぶん俺たちは、素直に海を楽しんでいい人種」


そして夏の午後が、ゆるやかに進んでいくのだった――

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