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剛腕JK  作者: ロキ
40/92

3回裏 1番 レビン

3回裏 田早稲実業 3ー3 田無第一


 相手ピッチャーはそのまま、強者ムーブのおっきい人だ。

こっちは1番バッターのレビンちゃんから。


おっきい身体をいかしたダイナミックな投球フォームから放たれる速球は

140キロを超え、威力十分。

身体の小さい女子にとっては、恐怖を感じるかもしれない。

でも、普段からあたしの球を捕球してるレビンちゃんにとっては、

普通のボールだ。

じっくり見て打てるくらいに思ってるだろう。


「レビンちゃーん! かっとばせー!」

「がんばってー! レビンちゃーん!」


ベンチから声をかけ、勝負を見守る。


ピッチャー第1球を投げた!


外角高めのストレート。レビンちゃんは見逃し。判定はボール。

このピッチャー、ストレートの他はどんな球を投げるんだろう?

ベンチにいた男子、しもれーに聞いてみた。


「しもれーさん、このピッチャー、どんな球投げるか知ってます?」


「しもれー……まぁいいけど。」

「あぁ当然知ってるぜ。味方とはいえ今は敵だしな。

フォークだ。あいつのフォークは分かってても打てねーんだよ。

さっきも、みんな三振してたろ?」


「ふーん、そうなんだ。

レビンちゃんと同じか」


「え!?」


あたしが、小さく呟いたら、しもれーさんは変な顔をしてたけど、

聞いてくる事はなかった。


2球目は内角高めのストレート。

レビンちゃんはこの球も見逃した。審判の判定はボール。


これで、ノーストライク、2ボールだ。


3球目、ど真ん中に甘い球が来た!


レビンちゃんが振りに行った!

が、空振り!


なるほど。フォークボールか。

2ストライクとってから投げれば、三振だったのにね。

見せちゃったら、次はどうかな?


カウント 1ストライク、2ボールで、4球目。


内角高めのストレート。

打ちにいったレビンちゃんの打球はファールになった。


カウント 2ストライク、2ボール。


5球目はたぶん、フォーク。

来るのが分かってても打てないって、しもれーが言ってた。


「レビンちゃーん! かっとばせー!」


5球目、ピッチャー投げた!

外角、高さは真ん中!


カキーン!


レビンちゃんのスイングスピードが、落ちる前にボールを捕らえた!


センター前ヒット!


「ナイスバッティン!」

「ナイスヒット! レビンちゃん!」


次のバッターはトレノちゃん。

ネクストバッターズサークルには、ヤムちゃんがいる。


監督のサインは送りバント。

盗塁のサインはない。確実に2塁に送りたいみたいだ。


相手ピッチャーは、初球バントを警戒して、1球外してきた。

キャッチャーはボールをとって、2塁へ投げるフリをした。


ノーアウト、1塁。カウント ノーストライク、1ボール。

トレノちゃんは、送りバントの構えだ。


ピッチャー、1塁ランナーを気にしながらも、バッターへボールを投げた!


コツ


3塁線へ転がるボールを、サードがとって、キャッチャーを見る。

キャッチャーは、1塁を指している。それを見てサードは1塁へ送球。


「アウト!」


送りバント成功!


1アウト、2塁で、バッターはヤムちゃん。

監督のサインは打て! エンドランや、単独スチールはなしだ。

あたしは、ネクストバッターズサークルで待機。


「ヤムちゃーん! 逆転だよー! 打ってー!」


あたしは、ヤムちゃんに打って欲しくて、声をかけた。

ヤムちゃんは、コクリと頷いて、目がギラリ。

トレノちゃんの目力めぢからとおんなじだ。


1球目、走るかもしれないレビンちゃんを警戒しながら、外角低めのストレート。

審判の判定はボール。


1アウト、2塁でカウントは、ノーストライク、1ボール。

監督のサインは、そのまま。盗塁なし。バッターは打て! だ。

2塁ランナーは足の速いレビンちゃん。

1ヒットで、ホームまで還ってくる。


絶対に打たせたくないこの場面。このピッチャーなら三振狙いだと思う。


しもれーの話しを一緒に聞いていたから、フォークがくるって知ってる。

ヤムちゃんの場合、あえてそのフォークを狙って打ってくるからね。

配給を読み切っているのか? 握りが見えているのか?

どっちか分からないけど。


さぁ、2球目。


2塁ランナーを気にしながら、ピッチャー投げた!


内角低めのストレート。審判の判定はボール。


1アウト、2塁でカウントは、ノーストライク、2ボール。

バッティングチャンス!


ピッチャーとしてはカウントを稼ぎたい所だし、取りに行ける球も

持っている。

十中八九、フォークだ。

分かってても打てないって、しもれーは言ってたけど、ヤムちゃんはどうかな?


3球目、ピッチャー投げた!

内角、高さは真ん中。


カキーン!


ヤムちゃん、打った! 打球はライトとセンターの中間を抜けた!

長打になりそうだ!


2塁ランナーは、3塁をまわって、今、ホームイン!

1点追加! 3-4。

田無第一遂に、逆転!


打ったランナーは、2塁でストップ。


「ナイバッティン!」

「ヤムちゃーん!」

「逆転、逆転!」

「いいぞ、いいぞ! ヤムちゃーん!」


3塁側ベンチで、監督が大騒ぎ!

あたしも、還ってきたレビンちゃんとハイタッチした。


さぁ、あたしの番だ! やるぞー!

と思って、打席に入ったのに、相手側の監督から、申告敬遠され、

1塁に歩かされてしまった。


練習試合なのに、敬遠とかないわー

でも、あたし達の攻撃はまだまだ続く。


1アウト、1塁、2塁で、打順は5番、にしこくさん。


「にしこくさーん! 打てるよー!」

「がんばれーにしこく!」


ベンチから応援の声が飛ぶ。


監督のサインは、1球待てのサインだ。

なにかやる気だ。


相手バッテリーは、1球外して、3塁へ投げるフリをした。


1アウト、1塁、2塁、カウントは、ノーストライク、1ボール。


監督のサインは、送りバント。

今度は、待てはない。


にしこくさんは、バントの構えをしてバッターボックスに立っている。

ヤムちゃんもあたしも、リードは大きめ。

ピッチャーがプレートを外して、牽制球が1塁にきた。

ちょっとリードが大きかったかなと思ったけど、余裕で戻る。


さぁ、仕切り直して、2球目。


コツ


にしこくさんが当てたボールは、3塁線へと転がっていく。


ヤムちゃんとあたしは、ボールが当たった瞬間にダッシュ!

サードがボールをとった時には、2塁も3塁も投げられない状況になっていた。

サードは、1塁へボールを投げ、アウト一つ追加した。


送りバント成功!


2アウト、2塁、3塁で、バッターは6番 下連雀しもれんじゃくさん。


「ナイスバント!」

「にしこくさん! ナイスー!」


ベンチを見ると、監督さんが、にしこくさんをハグしてた。

あぁ、やっぱり……

とは思ったけど、次の瞬間、にしこくさんに突き飛ばされてた。ははは……


打席に入ったしもれーが悲壮な顔をしてる。

あれれ?

どうしたのかな? と思ったので、声を出した。


「しもれー! かっとばせー!」

って言ったら、ヤムちゃんも続いてくれた。


「しもれー! 打てー!」


悲壮な顔をしてたしもれーが、少しだけ奮起した気がした。


が、強者ムーブのピッチャーのフォークボールにあえなく空振りの三振。


追加点ならずでチェンジとなった。

だが、この回、遂に逆転!

中盤4回表、1点勝ち越しで、田早稲実業の攻撃を迎える。


お読み頂き有難うございます!

よろしければ、ブックマークと評価の方も宜しくお願いいたします。

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