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2.14.27 ヒロインは先輩(村娘)?

■■■ 第2章 中編あらすじ ■■■


 生首だけで異世界に送られてきた馬宮(まみや)真一(しんいち)。

 だが全身の他のパーツ15個も、どうやら全てこの異世界のどこかにあるらしい。

 『右手』を拾った『ヒーラーさん』の回復魔法のおかげで命拾いをした真一は、残るパーツを探しに旅に出る。

 はずだったが、送られてきた森はモンスターだらけの危険地帯。

 次々と襲い来るトラブルをなんとか切り抜けた真一は、ついにこの異世界の村を発見する。

 だがそこからやって来た少女は、なんと真一が片思いしていた大学の先輩だった。

 そんな村に迫りくるとんでもない危機とは?

 そして真一とヒロイン少女の物語の行方は?


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 なんで由華(ゆか)先輩が異世界に!?

 由華先輩もこの異世界に召喚されたのだろうか?


 混乱して言葉を失う真一。

 呆然としたまま由華先輩の顔を眺め続ける。

 相変わらずめっちゃ美人。

 すっげぇカワイイ。

 それにいつもより若々しい感じである。


 ん?

 ってか、幼すぎじゃね?

 そもそもこの由華先輩、中高生くらいだよな?


 どう見ても大学生じゃなかった。

 そもそも落ち着いて考えてみれば、由華先輩が異世界にいるわけがない。

 よくよく見てみれば、他人の空似であった。

 それでもビックリするぐらい良く似ている。


 と、最初は由華先輩の顔に驚いていた真一。

 けれども考えてみればそれどころではなく、、、


 人間いるじゃんっ、この異世界!

 ってことは、あの村ってもしかして、ゴブリンの村じゃない?

 普通に人間の村?

 だったら大勝利なんですけどっ!


 あそこが人間の村なら、真一が助けを求めることができる。

 この異世界についていろいろ聞けるかもしれない。

 しかも由華先輩にそっくりの美少女までいるのだ。


 改めて少女の様子を確認してみる。

 真一と目を合わせたまま、驚いて固まっている少女。

 何かの動物の毛を編んだような服を着ており、明らかに村娘っぽい感じだ。

 カゴを持っているので植物採集にでも来ているのだろう。


 体格は小柄だが、そこまで幼い感じではない。

 高校生かせいぜい中学生くらいの、アイドルもびっくりの美少女だ。

 活発で優しそうな雰囲気の子である。

 彼女と仲良くなって、いろいろ教えてもらって。

 そこから異世界ロマンスが始まったりして♪などと、妄想を膨らませる真一。


 これ、完全にこの子がヒロイン枠だなっ!



〜〜妄想タイム〜〜


「シンイチ!あれが『始まりの街』だよっ!」


 活発で愛らしい少女が、山の麓に見える街を右手で指差す。

 そんな少女が左手で胸に抱きかかえているのは、、、

 満面の笑顔の生首であった。


「ありがとう、ユカ!ここまで来れたのは君のおかげだ」


「そんなことないよ!村を出るきっかけをくれたのはシンイチだもんっ♪」


「あぁ、一緒にこの世界を見て回ろうな!」


「うっ!ずっといっしょにねっ♡」


 少女の小さくない胸の柔らかさを後頭部に感じて、生首勇者は人生で最高に幸せであった、、、


〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 そんな妄想から我に返った真一。

 とりあえず友好的にコミュニケーションを始めることにする。

 とびっきりの笑顔で。

 最初の一言はやはり、、、


(※生首だけで)「コンニチハ?」

   、

   、

   、


 真一が話しかけると、硬直していた少女がゆっくりと、、、

 少しずつ、、、

 表情を崩して、、、


「ギャアアアアアアァッ!!!!」


 恐ろしいほどの大音量の悲鳴を上げ、、、

 一目散に逃げ出していった。


 バゴっ!!


「ぶべっ」


 そう、、、


 真一の生首を思い切り蹴飛ばした後に。


 強烈キックで宙を舞い、落下と合わせて2ダメージを負った真一。

 だがそんなもの気にすることなく、慌てて引き止める。


「ぁ、待って」


「ファミャアアアアアッ!、イプドグぅうぅぅー!!!」


 だが少女にはそんな声など全く耳に入らない様子だ。

 村の方へ向かって全速力で逃げ去っていく。

 真一がアワアワしているうちに、一瞬で見えなくなってしまった。


 そう、真一は気付いていなかったのだ。

 客観的に見て、自分がどれほどグロテスクな姿をしているかを。

 『生首だけでコンニチハ』したらどう思われるかを。


 モンスターの血だらけの、おぞましい生首。

 どう見ても、ただの死体である。

 恐ろしい死体を見つけて、腰を抜かしそうなほど震えていた少女は、恐怖で動けなかった。

 それでも頑張って真一を見つめていたのは、村の誰の死体かを見極めるため。

 泣きそうなのを必死でこらえて、勇気を振り絞って観察していたのだ。


 そんな死体がいきなり動き出し、、、

 不気味な笑みを浮かべて、、、、

 意味の分からない謎の恐ろしい呪言(じゅごん)を吐いてきたのだ。


 涙を流し、股間を濡らしながら、少女が逃げ出したのも当然のことである。

 彼女は今夜、1人で眠ることはできないだろう。

 まさに『究極ホラー声掛け事案』であった。


 一方、加害者である不審人物はどうしていたかというと、、、

 少女を呼び戻すために大声を出そうとしたものの、『あること』に気付いてそれどころではなくなっていた。


「あれっ!?いま、言葉が分かった??」


 少女が逃げるときの叫び声。

 それが真一には意味のある言葉に聞こえたのだ。


『ファミャ《嫌》ぁああああっ!、イプドグ《化け物》ぅうぅぅーっ!!!』


 少女の言葉は間違いなく馴染みのない異世界言語だった。

 真一の耳には聞き慣れない発音として届いている。

 なのに真一はその謎の音声の意味を、何故だかはっきりと理解することができたのだ。


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