鍋ぶた92 フーイズ、ロドニー?
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誤字訂正、ありがとうございます!
イラストの時間がなかなか取れず…
が、最近手足の痛みも和らいできたので、少しずつ頑張ります。
バタン!ガチャ!
みゆき達は慌てて扉を閉めて施錠した。
《むり!ムリムリムリムリムリ!》
セイフティーゾーンに迷い込むモンスターほど不気味なものはない。外の虫は気にならなくても、部屋の虫が気になるのと同じやつだ。
《食べ物の匂いにセイフティーゾーンまで来ちゃうって、あれだよね…》
みゆきは、器に鍋焼きうどんをよそって通路にそっと置き、窓から様子をみた。
カシャン、カシャン、カシャン…
だんだん近づいてきて、子供達は部屋の隅に固まっている。強くてもホラーはダメなのね。みゆきもハラハラしながらも、うどん食べるのかな?の好奇心に勝てない。
部屋の前にやってきた。うどんを見つけて、ない目を輝かせている。お箸は使えないようで、器から直に飲み出した。
ばたっぼたぼた…バタタタタジャバーッ
体に収まることなく通路にうどんがぶちまけられた…
どくろの背中に哀愁を感じる…
「お腹空いてるのかな?ご飯に興味を示すモンスターって初めてじゃない??食べたいのに食べれなくてかわいそうね…」
みゆきはどくろ剣士が動かないので、暫く見ていた。地面から海老天を拾い、口の中へ入れては床に落ちていき、うどんを拾って食べては床にベチャっと落ちていく。気の毒になったみゆきは、衝動的に扉の外に出た。
「ねぇ、お腹すいてるの?」
「ガシャン!!」
どくろ剣士はびっくりして腰を抜かしている。みゆきは『クリーン』をかけて、通路や服に飛び散ったうどんや汁を片付けた…
▲▽▲▽▲
《ねぇママ大丈夫かな?》
《翔、みてきて!》
《やだよ!更紗行ってきてよ!》
ブランケットで体を隠す三人は、繊維の間から微かに透けて見える扉を見ていた。
ガチャリ、キィ〜
「ねぇ!柑奈」
「「「ひっ!!!」」」
柑奈が恐る恐る顔を出すと、みゆきの後ろに綺麗な顔の男性が立っていた。
「柑奈、言葉わかる?」
「▱?Φ〻腹ウΜ⁂§Empty‰」
「…お腹空いたって感じ?」
みゆきは、男を椅子に座らせて、うどんとフォークを渡す。自分がまず、フーフーしてからチュルチュルと食べてみせた。男性は、みゆきの真似をしてうどんを、啜り目を見開く。破壊的な笑顔を見せ、ペロリと鍋焼きうどんを食べ終えた。よくみると、涙を流している。
「ほら、みんなも早く食べて」
もたつきながらも美味しそうにうどんを食べる男性をじっと見ていた子供達も、はっとして席に戻ってきた。チュルチュルとうどんを食べ始めると、まだ食べたそうにじっと見つめて来るイケメン…
みゆきは笑いながら、雑炊を作り始めた。
「はい、胃に優しいから、ゆっくり食べて、スローリーなイートをプリーズプリーズ」
「ぷりーずぷりーず?」
「ゆっくり、たべる」
「オー!」
言葉が伝わって嬉しい様子の男性。みゆきは名前を聞いてみた。
「なーまーえーはーなーんデスカー?」
「なーまーエーはナーデカー?」
「うーん、あ。分かった!わたし、みゆき、この子、かんな、さらさ、しょー」
なんとか、伝わった。
「!オー!ロドニー」
「ユー、ロドニー?」
「ロドニー、ミユキ、オー!ミユキー!」
ロドニーはみゆきに、きつめのハグをした。タジタジしながらも、笑いながらみゆきはロドニーをなだめて、服についたロドニーの涙や鼻水を『クリーン』するのを子供達は見逃さなかった。
「ママ、まさかのまさか。ロドニーさんって、どくろ剣士?さっきまで骸骨だった人?」
「そーなの!あれ、すごい伝説のやつ、使ってみた!」
「うわ、ヨウツベみたいな事言ってる…」
「秘薬?コスモドロップ?」
「そ」
伝説の秘薬、簡単に使うなよ…と思うけれど、泣きながらも嬉しそうに、雑炊をフーフーするロドニーをみていると、それが正解なのだと思い直す子供達なのでした…
▲▽▲▽▲
肉体を手に入れたロドニーは言葉が通じないので何者なのかもわからない。たくさんある隠し部屋のあるB7を案内してもらいながら、柑奈がずっと言葉を通訳したり、教えたり、教わったりしている。
鑑定すると
【人間】
ロドニーと名乗る人間。伝説秘薬により、奇跡的に人間に戻った。記憶はほぼない。
困ったねぇ、人間じゃ、テイムできないよ…先にテイムしないでよかったと思うみゆきさんなのでした…
▲▽▲▽▲
「おーーーっす!よし、話は分かった。じゃあさ、ロドニーはどうしたい?ここに、このまま住むか、うち来るか。てか、住民登録と上手くやらなきゃ騒がれちゃうだろうし…」
健介が合流し、ギョッとするところからスタートしたが、コスモドロップの話、生き返ったどくろ剣士の話を聞き、一度脱力してから、立ち直ったところだ。
「わたシのほしいは、みゆきさんに イエに いるです。いいですか?」
「うちに住むと?ダンジョン?家?」
「まぁ、うちにいるのは構わないけど…年頃の娘がいるからなぁ…ロドニー、無駄にイケメンだから…」
「ママさん、隣の空き地、買っちゃおうぜ…」
「!!!」
「でっかく建て替えしちまおう」
「「「「ええーーーー!!!」」」」
▲▽▲▽▲
それからすぐに山下家ハウスは、隣の空き地と共に大きく囲われ、大きく建て替え開始することになったのでした。(ご近所の目があるので、出来上がってからも暫く垂れ幕で隠されるのでした…)
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