表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鍋ぶた片手にダンジョンへ  作者: ミンすけ
可愛いお供が出来ました
8/93

鍋ぶた8 かわよなうさぎ

挿絵(By みてみん)


ここまで読んで頂き、誠にありがとうござい

ます。いいねと評価がとても嬉しいです。

読みやすく、独りよがりにならないように

気をつけておりますが、物書きって本当に

難しいですね。


みゆきさんの冒険が、いよいよ少しずつ始まりそうですよ!


深夜2時


バイト疲れ、部活でお疲れ、仕事でお疲れ、の皆様はぐっすり夢の中、真夜中の2時。みゆきはトイレに行きたくて目が覚めた。



レベルアップは落ち着いたがなんとなくダンジョンの様子が気になった。最大限に気配を消し、装備万全にコソコソとダンジョンへ向かう。


部屋はいつもの通りだが、新しい通路が2メートルほど伸びている!



ダンジョンの通路には、所々に洋風瓦の破片が、砂利のように散らばり、壁際に草花が茂っている。



「なんか、いい匂い、なんだっけ?この匂い」



ほのかにアップルミントの香りがしてきた。ハーブなのだろうか?


突き当たりに草の群生地があり、みゆきには見覚えのある薬草が生えている。


そういえば昔、この薬草を見つけると、みゆきは必ず摘んでいた。そして、錬金スキルで傷用軟膏を作っていた事を思い出した。


HP5〜8回復の素人の軟膏だけれど、当時はとても重宝していて、友達や仲間に配っていたものだ。懐かしくなって、摘みに行く。



手前の落とし穴を塞ごうとして中を見ると、宝箱が2つ落ちていた。



「ドロップ品だ!」



自分だけの宝箱を初めてゲットしたみゆき。深呼吸して、アイテムボックスに収納する。そして、

すぐ宝箱を出して開けてみた。


【スライムの軟膏】

無味無臭無害のクリーム

保湿や、薬の軟膏の元になる


【ゴブリンの斧】

普通の斧

小さいので細かい作業に向いている

切れ味は普通…



スライム軟膏は、傷用軟膏の材料なので、タイムリーなアイテムだ。ゴブリンの斧は細い木の剪定とか、薪割りに使える。



「薪割りはしないけど…」



ゴブリンの斧…みゆきはクリーンをかけた…



落とし穴を塞ぎ、薬草を摘み終わると同時に

背後に気配を感じた。まさかのリポップだ!慌ててパラライズを唱えた!



「キュッ」



姿を現したと同時に、地面に倒れていたのはとてもふわふわな魔物だった…


クリーンをかけて撫でると、毛並みがふわん、ふわんしていて、柔らか〜い、止まらな〜い


挿絵(By みてみん)


【鑑定】

アンゴラツノラビット(風/光)レベル1

肉は食用。柔らかくて美味しくハーブの香りがする。毛皮は加工し易く、素早さの効果がつくので人気がある。稀に耳の裏に魔石が埋まっていて、属性により色が違う。あまりにも素早い為、見つけても討伐が難しい。



「レアなのね!?しかも、2属性!?」



しかもお肉が美味しいときたもんだ。討伐の難しいうさぎちゃん…チャンス到来だ。


だけど、だけど



「こんなに可愛いのにできないよ〜!」



無心で撫で回していると、ツノラビットは気持ちよさそうに目を細めた。



「可愛すぎる。懐くかな…?」



たしか、闇魔法でテイムできるんだよね?やってみる?そりゃ、やってみよ!!だ!



「テイムしてもよいかな?」



猫おばさんならず、うさぎおばさん。


ツノラビットがこっちをみた。今、絶対、意思疎通できてる。分かり合えてるよ、私達!(気のせいでもあるよ、みゆきさん)



「テイム」



アンゴラツノラビットが一瞬光った。成功したののだろうか?ふわふわを触りながら、みゆきは鑑定をしてみる。


【鑑定】

(テイム状態/マスターみゆき)



「おぉー!やったー。お前さん、宜しくね」



麻痺解除のポーションを使い、遠慮なく撫でまくるみゆきさん…


耳裏のモコモコの毛を掻き分けると、緑と黄色の宝石がうまっていた。うさぎなのに、目が…猫みたいだ。すりすりしてくれる。


秘密基地に戻ると部屋に付いて来た。テイムしていれば、ダンジョンの外に出れるみたいだ。外には出せないから、ダンジョンで飼えばいいのだ。



階段の方の入り口に鍵付き扉を作り、踊り場にも扉をつけた。安全二重構造だ。うさぎには悪戯しないように言い聞かせてから、名残惜しいが家に帰る。



「名前、どうしようかな」



毛足が長くてふわっふわ、クリーミーなペールオレンジカラー。虎の様な…鋭い目…




▲▽▲▽▲




「ラブリー…ラビット…ゴン…蔵…虎………

の介太郎………うわぁっっ!!」



今何時???


AM6:30

完璧な寝坊をしでかしたみゆきは、慌てて

キッチンへ。


今日は土曜日で子供達は休みなのだけれど、旦那は今日も仕事だった!お弁当を作らないと!家を出るまで30分!今のみゆきなら、いけるよっ!頑張れ!!



お弁当箱を取り出し、炊飯器を開け絶望…


(あああー詰んだ。お米が炊けていない…)

 


「パパ、焼きそば弁当ってありかな?」


「うははっイイね!!」



健介は笑って答えた。

(いいんだ!よかった〜最高だよ、パパさん)


急いで作ったお弁当を渡し、お昼になった頃に、固まっていない事を祈って健介を見送ったみゆきさんなのでした…



▲▽▲▽▲



子供達は土日の朝はゆっくり寝ているので、今のうちに秘密基地へ、レッツラゴー!



秘密基地に入ると長椅子にふわふわな塊が乗っている。



(ハァ〜癒される〜)



落とし穴を作るのを忘れていたので、モンスターがいるかと思って来たが通路には何もいなかった。


(うさぎが倒してくれてるのかな?お腹空いてないかな?)


なんだか汚れてたので『クリーン』を掛けてからなんとなく『鑑定』してみると、


【鑑定】

アンゴラツノラビット(風/光)レベル3

風魔法レベル1

光魔法レベル1



レベルが上がっていた…


ツノラビットはみゆきをみてちょっと目を細めた。『どぉ?すごいでしょ?』と、言ってそうな顔。絶対にドヤっている。



「あなたすごいね〜通路の敵、倒してくれて

 たんだね〜」



背中を撫でながら、名前を考える。


夜に出てた候補は、強そうなゴンザレスとか虎之助、など候補があったが、可愛いうさぎにはにゴツすぎるんだよね。



「うさぎゴンザレスからうさゴン。うん、よきよき」


うさゴンは、嬉しそうに


「キュッ」


と、鳴いた。


うさゴンはぴょんと椅子から飛び降りて、ダンジョン通路へはいり、通路の草を美味しそうに食べ始めた。



「草食なんだね」



うさゴンをみていたら、急に空中が光り出し、ゴブリンがリポップされた。


危ないと思った瞬間に、ピカっと閃光が走り、思わず目を閉じる。目を開けると、ゴブリンに、うさゴンが体当たりしていた。



(おそらくツノが…アレだよね…)



キラキラ〜と、ゴブリンが消えた。



「うさゴンが強くてびっくりしたよ!可愛いのに頼もしい子!」


みゆきはこれからのダン活(ダンジョン活動)への不安が少し薄れた。


通路のようすを見に行くと、突き当たりがT字路になっている。ダンジョンが広がっている!緊張して左右を確認した。


右は昭和の町並み風な壁の道だ。まるで、人が住んでそうな家の壁だ。ただ、人の気配が全くないので、物寂しい雰囲気がある。家の窓や扉もあるが、開かないし、中は何も見えない。まるで、誰もいないテーマパークみたいだ。その先は少しカーブして行き止まりだった。


左の通路は大きいカーブで先が見えない。ゆっくり歩くとスライムが、ぷよぷよと道を塞いでいる。


みゆきは咄嗟に『落とし穴』を作り即穴埋めた。元に戻った通路に宝箱が現れたので、穴を埋めてもドロップ品はゲットできるようだ。



「軟膏だ。今度傷薬作ってみよう」



カーブの先にはひび割れた大きい道路の様な道があり、サイドの壁はやはり朽ち果てた建物が壁になっていた。


窓の一つは出窓で、ドライフラワーが下がっていたり、ガラスの置物が飾ってある、ノスタルジックな世界観だ。


TVのダンジョン特集で、似てるようなダンジョンを見たことがあるが、それは中華っぽかった。


ここは、なんだか、昭和レトロの雰囲気だ。とても絵になるので写真を撮っていく。通路は20メートルくらいで行き止まった。


そろそろ家に戻らないと、子供達が起きてくる頃だ。名残惜しいが、ダンジョンを後にした…



土日は家族と楽しく過ごしましょう!!でもその前に、実家の母の様子も見てこないとね…


うさゴンをたくさん撫で回してから家にもどるみゆきさんなのでした…


読んで頂き、ありがとうございます。

↓広告の下辺りに☆☆☆☆☆の評価が

出来るようになっています。

評価頂けると幸いです。

どうぞ宜しくお願い致します!


うさゴンが可愛いと思って下さった方、どうか、いいねをお願い致します(*´◒`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] みゆきさんの設定だと『T字路』より日本の法律の正式な用語である『丁字路』と記載するほうが物語として違和感が無いと思います。
[一言] >みゆきは昔、薬草を見つけたら錬金スキルで軟骨を作っていた。HP5〜8回復の素人の軟骨だけれど、当時はとても重宝していた。  薬草から(焼鳥とかの)軟骨が!?  コリコリかじってるとHPが…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ