鍋ぶた77 縁結びスポットでのフラッシュバック
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誤字訂正、ありがとうございます!
八十助さんの奥さん、素晴らしいお宝持ってたみたいです…
松田八十助様
換金総額836万円ナリ!
みゆきは八十助さんを車椅子に乗せてダンジョンへ散歩にでかけた。ゴン太を連れてくるのだ。ついでにキツネのプヨ丸も。その間に健介がある程度リフォームを終わらせると言う計画だ。
「八十助さんは、ダンジョンで私が必ず守ります。そして、レベリングもしましょう!」
みゆきは八十助とパーティを組んだ。車椅子の冒険者、八十助。みゆきの結界ならB2は余裕である。うさゴンは、ちゃっかりと八十助の膝の上だ。(一緒に来ていた事を忘れるくらいにずっと寝ているうさゴン…)
ダンジョンの許可を取るのにオーナーに会いに行くと、釜井オーナーはびっくりしている。
「あれー!やそすけさん、元気そうで!!」
「おー、久々だね、ここに来るの、正一郎〜元気そうじゃの。今日はゴン太に会いにきたが、うちに連れて帰るよ」
「やそすけさん、ゴン太はテイムしてたから仲良くしてくれてたんね、ありがとね、後で家いきますね」
「おーけーよー!」
みゆきは八十助とうさゴンと夕日丘ダンジョンへ入った。
みゆきはプヨ丸を呼ぶとキツネプヨ丸が現れた。八十助さんが驚いているので、紹介した。
「ほぉ〜これは可愛らしいスライムですの〜!」
「これからダンジョンのお掃除をしてくれます」
「益モンスターですな」
「そうですな」
八十助さんは、B7までは攻略した事があるそうなので、
転移でB2に降りた。ゴン太がいるところまで向かう途中に、ゴン太が座っていた。
「ゴン太、大きくなったなぁ〜」
ゴン太は鼻をすんすんすると、ゆっくりと歩いて来た。
八十助さんが、ゴン太に触れ、頭をゴシゴシと撫でると、ゴン太は八十助の胸元にぐりぐりと押しつけ、顎下にまでグイグイと顔を潜らせた。
「キュォーン!キュォーン!」
夢にまでみたであろう、八十助さんとの再会。なかなか信じられなかったが、実現した事を理解できたゴン太。
「よーしよしよし、お前さんはお利口だな、ごめんな〜なかなか来れなくて」
「キュオーン!」
グイグイグリグリ…
「お、よし、よし…」
グイグイ、グイグイ、グリグリグリ〜
「お、わ、ぶ、わかったから…」
あ。八十助さん、潰れそうだよ。ゴン太、落ち着いて、
「ゴン太〜お座り!」
「コ…ガフツ」
ゴン太は、我に返った。それでも八十助さんから離れずにピッタリと寄り添っている。かなり時間があるので、夕日丘ダンジョンの制覇、イッテミヨ〜!
B8ボスはビッグキラーバット。魔法を跳ね返してくるので、投石玉をぶつける。衝撃波でクラクラして地面に落ちたところをフローズンで凍らせたら討伐完了だ。
「ぐぉっ!!なんじゃぁ〜レベルアップがとまらん〜!」
八十助さん、すいません、次も行きますよ!
B9ボスも楽勝コースだ。雄鹿がツノをぶつけにきたが、落とし穴に落とす。昨日はフローズンだったので、今日は稲妻落としをしてみると、ツノに落ちてあっという間にキラキララ…
「ぬぉう〜!」
八十助さん、ごめんなさいっ、最後!!ラスト!!
B10では、ゴン太がライバル心剥き出しだ。が、みゆきは早く終わらせたい。『パラライズ!落とし穴!ファイヤトルネード』を唱えると『コンッ!』とゴン太も狐火を混ぜ込んだ。
狐火のトルネード…ゴン太も爪痕を残したのね…
「グォッオー気合いじゃぁ〜」
怒涛のレベルアップに耐え切った八十助さんは、なんとレベル8から元のレベルを越えてレベル43までに上がった。ゴン太はレベル45だ。
☆☆☆☆☆
松田八十助
レベル43
HP110/110【MAX156】
MP100/100
テイマーレベル2
☆☆☆☆☆
ゴン太【テイム状態/マスター松田八十助】
妖狐レベル45[火・風]
HP155/155
MP122/122
狐火
狐火トルネード(ちゃっかり覚えた)
☆☆☆☆☆
おじいちゃんだけに、ピークの数字にならずともなかなか元気なステータスになった。
「八十助さん、行きますよ〜」
「山下さん、ありがとう、ありがとうね」
八十助さんはゴン太を撫でている。ゴン太が八十助さんの顔をペロリと舐めた…
顔を覗き込むなんて、野暮な事はしないみゆきさん。久々のダンジョンで疲れたであろう八十助さんを労いながらお楽しみの自宅に帰るのでした。
八十助さんの胸には
【夕日丘ダンジョン攻略ピンバッチ】が輝く。
『最年長テイマーYASOSUKE!』
なぜかポップな字体で書かれている…。それが可愛くて、羨ましいみゆきさんなのでした…
▲▽▲▽▲
松田家を通り過ぎてしまった。
「あれ?行き過ぎた?ん?ここ!?」
八十助さんの自宅、外観が大きく変わっている…2階にサンルームがあった大きな家は、サンルームが1階に移動し、屋根にソーラーパネルがついたスッキリとした家に建て替わっている。部屋数は少なくなり、庭が広くなっている。うさゴンとゴン太が真っ先に走っていった。後ろからぷよんぷよんとプヨ丸が続く…
「これ、わしん家か??え、ええんか?入っても…?」
「わぁ、素敵に変身しましたね!」
「あ、松田さん、お疲れ様でした、どうぞ、どうぞ」
門から玄関までと、庭までに手すりがあり、歩きやすそうだ。車椅子も楽に入れるバリアフリーで広い玄関だ。みゆきは八十助さんの車椅子を押しながら玄関に入る。とにかくスムーズ…
リビングがとても明るい。ベッドまでのアクセスも良いし、洗濯物を洗って干して取り込んで、タンスに仕舞うのが同じフロアで出来てしまう、サンルーム。
「いいなぁ〜これ…我が家もこうしたい…」
「これならヘルパーさんも楽だし…八十助さん、筋肉つけていきましょ。きっとご自分でも出来ますよ!」
部屋や廊下にも手すりがあり、歩行をサポートしてくれる。八十助さんは、手すりをつかみゆっくりと立ちあがろうとしたのでみゆきは体を支えて補助をする。一時的なサポート魔法をと考えた。骨や筋肉を強化するイメージだ。
「歩けるように手伝うパワーアップゆるめ!」
八十助さんは、手すりを掴みながら、自分の足で立ち上がった。ゴン太が飛びつきそうなのを健介が素早く抑え、八十助さんが躾をする。
「ゴン太、お座りだぞ」
「クォッ…ガフッ」
我慢して座るゴン太、足をふみふみしていて気持ちを抑えるのに精一杯だ。八十助さんは、5分くらい歩き、ベッドに横になった。汗だくなので、ベッドごとクリーンをかけてあげた。
「はぁ、筋肉痛になりそうだけど、今日は夢のような日じゃ」
お昼のヘルパーさんが来てくれたが、おっかなびっくりで家に入ってきたのは言うまでもない…ゴン太の事は、テイムされていて、賢いと伝えたら安心していた。テキパキと仕事を済ませて、5分程雑談して帰っていった。みゆきにとって、勉強になるテキパキ仕事だった…
八十助さんが疲れて眠ってる側でゴン太も居眠りし始める。サンルームで、みゆき達は焼き鳥と、お弁当を食べてお昼を済ませた。
▲▽▲▽▲
「ね、みゆきさんよ、ちょっときて」
食後、健介がリビングを出てすぐの大きな扉前に呼ぶ。なんだか重厚な扉だ。
「これさ、前に解体した家のリサイクル品なんだけど、ママさんの合成とかで、新品みたいに出来ない?」
みゆきは『鑑定』すると、なんとエレベーター(中古)だった!足腰弱い老人にはたまらない一品!!合成するのにエレベーターをアイテムボックスに入れないといけない…がなんとかならないかなぁと思うみゆきさん。アイテムボックスのアイテムを見ながら考えていると、
【ガイド】が出てきた。
[対象物をロックして合成が出来ます]
おお〜!みゆきはエレベーターに照準を定めてロックし、合成を試みると、必要なアイテムが出てきた。鉄や鋼、火や水の魔石、鉄鉱石などが出てきた。素材がない場合はマネーの力…今日の稼ぎの金貨60枚つぎ込むと、合成完了した。
【鑑定】
「八十助さんのエレベーター]
型遅れのエレベーターが最新エレベーターに
リニューアルされた。20年の保証が出来ます。
あぁ〜、私の家にもプリーズ!!
2階にお邪魔すると、ゲストルームになっていた。
みゆきは破棄素材から、家具を作り配置、シンプルなインテリアでまとめ上げた。それから、奥様の着物類を修理する。思い出の着物はリフォームでゴン太の首輪リボンを作り、『八十助の相棒!ゴン太!』と書いてある【夕日丘ダンジョン攻略証明ピンバッチ】をしっかりつけてあげた。
修理した奥様の着物はなんと高級品だった。新品同様になった途端、一気に換金額が変わったのだ。ちなみに一番高いお着物が、
高級着物3,200,000円
(ネットショップ800,000円)
すごい換金額だ。トータルの見積り836万円から、倍以上に金額アップして1,830万円になる。健介に伝えると、かかった経費は350万円くらいだったそうなので、かなりの黒字だ。
14時00分
八十助さんが目覚め、自力でトイレへ行った!
時間がかかったが、本人は満足気だ。
ゴン太の首にリボンをつけたら、大喜びして尻尾がバタバタしている。八十助さんには換金額が大きく変わったと伝え、八十助さんの盗難防止、持ち主登録付きのマジックバッグに、返金額800万円とエリクサーやEXポーションなどを詰めてあげた。
「山下さんには、感謝してもしきれません、ほんとにこんな夢の様な事が起こるなんて…ゴン太と今日はゆっくり過ごします。ありがとうございました…」
健介は、名刺を八十助さんのベッド脇のポケットに入れた。
「何かあれば、遠慮しないでご連絡くださいね」
「はい、頼りにさせて頂きますね…」
リビングで別れ、玄関を出た。オートロック、鍵、瞳認証、指紋認証、暗証番号で入れる仕様だ。ベッドからも操作出来るハイテクな一軒家…
建て売りしても、即売れそうだなぁと思うみゆきさんなのでした…
▲▽▲▽▲
残りの時間で、B5の縁結びスポットに行ったみゆき達。ちょっとした観光だ。
「わぁ、変わってないね!」
「おお〜懐かしいな。てか、誰もいないのが不思議だな」
「確かに…並んでたよね、ここ…人が…」
すごく楽しい気分なのに、だんだん胸焼けがしてきたみゆき。頭がモヤモヤし始め、縁結びの小川の前でしゃがみ込んでしまった。
「おい、解呪!解呪しとけ。頭から変な色でてんぞ!」
「う、解呪!全部解呪!もし残ってるなら、健介さんと私の呪いを解呪ーーーーっ!!」
イライラしてつい、ドッカーン!と解呪をしてしまったら、怒涛の如く記憶がフラッシュバックしてきて頭がパニックになるみゆきさん…
「お、おまえよーっ…」
健介もガクンと膝をついた………
10分、動かない2人の周りでうさゴンとプヨ丸が心配そうにうろうろしている…
山下夫妻は思い出してきた……
20年前の、この場所でお互いの恋が実り両思いになった事、2人が付き合うことになり、この場で仲間たちに祝福された事を。
そして、その後すぐに……記憶を操作された事を…
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ここまで読んで頂きまして、本当にありがとうございます!みゆきさん、その辺にいそうな普通の主婦なのにここまで来れたのは、皆様のお陰でしかありません…是非、いいねでみゆきさんを応援して励ましてください(TvT)