鍋ぶた70 甲冑侍狸、ぽんぽこポン!
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幸いです。少しでも面白かったと思って
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お願い致します(*´◒`*)
誤字訂正、ありがとうございます!
最下層のボスはやはり強いですねぇ。
村長もうさゴンも頑張ります。
みゆきさんは、懐かしく短剣で戦うよう
ですね…無理しないでね…
ポン、ポン、ポンポンポンポンポンポン…
いよ〜っ ポンッ
甲冑侍狸が士気を高め、赤と黒のオーラが
目に見えるようだ…
対して、みゆき達はまたフル回復をする。
いよ〜っ
「ヤァ〜!!」
「キュ〜」
うさゴンの元気印の『応援』肉級スタンプ
&バフ!
みゆきの『結界、無敵!』からの
HMPポーション!
みゆきから攻撃を仕掛ける。
「パラライズ!落とし穴!」
甲冑侍狸はすばやく避けた。やるなっ!
避けながら、みゆきに斬りかかってきた。
素早くて対応出来ないが『無敵』により
全く衝撃を感じない。
みゆきは反撃する。
剣もいいが、ちょっと重くて扱い難い。
魔法の短剣と龍神の短剣を装備する。
太陽の剣よりも軽くて、素早く攻撃できる
のが利点だ。
「さっきも思ったけど、結構動ける!
思い出してきた!」
(『ダンスと剣技』スキルの事を忘れて
いるよ。みゆきさん…)
みゆきは斬りつけるが避けられる。
が、剣を振り切ると水の刃が甲冑を削って
行く…偶に、大きな水球が飛んでいくので
甲冑侍狸は調子が狂うようだ。
飛んで避けた先に、すかさず魔法の短剣で
『落とし穴』を発動するも、ふわり飛んで
落ちてはくれない…
10分ほど攻防戦を繰り返す。
みゆき達はローテーションだ。
甲冑侍狸がクルン×3と宙返りを始めた…
みゆきの足元に何かがしがみついてきた。
「うわっ!なにっ?なに?」
「あーかーなーめー」
足とか掴まれるのは苦手なみゆきさん。
思い切り蹴りあげてしまうが、気付くと、
唐傘お化け、のっぺらぼう、ろくろ首、
ひとつ目小僧、などなど有名な妖怪に囲ま
れている…
「ぎゃあ〜!村長〜!」
妖怪が3匹弾けた。村長ナイフだ。
「キュ〜!」
うさゴンも帯電した角で、高速アタック!
2匹の妖怪を退治した。
「慌てんなぁ〜、妖怪はハッタリだわ〜」
「え!マギか…」
みゆきも、教わった投擲ナイフでどんどん
妖怪を仕留めていく。百鬼夜行をやろうと
していた甲冑侍狸は、悔しがり、渾身の力
で大きなガシャドクロに変身した。
みゆきはクイっと回復のお茶を飲み
『解呪!!』
唱えると、段々ガシャドクロが小さく
なっていく。その間にも、投擲ナイフや
高速アタックをかます村長とうさゴン。
みゆきも
「パラライズ!スロー!ポイズン!」
得意の状態異常コンボ!ガシャドクロは
MP切れなのか、甲冑侍狸に戻ったが、
まだまだ小さくなりコテンと倒れた…
「あれぇ、ずいぶんちっこいなぁ…
ボロ狸じゃねえかぁ?」
近づくと、気の毒にも、小汚く、皮膚が
ボロボロな禿げ狸だった…
みゆきは狸の皮膚病だと悟る。ボスだが、
気の毒で『クリーン』をかけるとツヤツヤ
な体になった。毛は生えていないが…
「ガーッ!」
少し威嚇したのか、お礼を言ったのかは、
分からないが、目を閉じてキラキラと
消えて行った…
「………クリアした??」
「おおぅ…クリアだな…」
村長は顔を背けて目頭を押さえている。
「キュ〜!」
うさゴンが、トタタトン!!と足を鳴らし
喜んでいる。
やった!月見ダンジョン!クリア!!
「「グエ〜」」
レベルアップの事を忘れていたみゆき…
村長もレベルアップしたようだ。
ぽんぽこポン!
煙と共に、葉っぱに包まれたドロップ品が
現れたので、早速開けてみる。
★月見ダンジョン攻略証明ピンバッジ
[名前入り](ステータス10%アップ!
(月見ダンジョン攻略に限る))
★変身葉っぱキャンディ(瓶入り)
★月のメイス
★金貨200枚
攻略証明ピンバッジには、
満月のモチーフに名前が入っている。
「『2代目月見ダンジョン村長』だって、
長くてかっこいいなぁ〜。うさゴンは
『アル=ミラージ うさゴン』だって。
アルミラージってツノラビットの事?」
みゆきのピンバッジには
『月見の申し子 みゆき』と書いてある。
私、申し子ですか………?
▲▽▲▽▲
ガコッと音がして部屋の奥に扉が現れた…
「終わったね」
「あぁ、奥さん、うさゴンちゃんや、
ありがとなぃ」
みゆき達は、最後の魔法陣の部屋へ入ろう
とするが、《待って》と呼ばれた気がして
足を止めた。
「月見のプヨさん?」
振り返ると、ボス部屋の入り口から、数え
きれない程の月見のプヨさんが来ていた。
「わわわぁ何事??どしたのー?」
プヨさん達は合成しながら近づき、みゆき
を魔法陣の部屋の壁際へ誘導した。
よくみると壁がズレていて、プヨさんは
そこからスルリと壁の向こう側へ入って
いった。
みゆき達も壁をもっとずらして入ると、
市民体育館くらいの大きさの空間に出た…
「なんじゃあ?こんな空間があるなんて、
初めて知ったわぁ」
中央に砕けた岩がある。プヨさんが、
治して欲しいと伝えて来た。石の修理…
接着剤とか…?
「これが…もしかして核なんか?」
村長が月見のプヨさんに話しかけると、
プヨさんがプルルンと返事をし、みゆきに
訴える。
『自分達のレベルが足りないから、治して
欲しい』との事だ。
みゆきは破片もろとも、アイテムボックス
へ収納し、その中で合成をしてみたが、
素材が必要らしい。
みゆきはアイテムボックスの意のままに、
全ポーション、金貨、アイテム等を合成
していく。
「村長、さっきのドロップ品、全部使って
いい??金貨200枚も…」
「それで治るんなら全然ええぞ!なんなら
俺のも持ってけ〜!」
村長は金貨や、ありったけのポーションを
出した。どんどんアイテムボックスに取り
込んでいく。
「あ、もうすぐ完成しそう。食べ物も必要
なの?これでいけるかな?」
みゆきはお弁当やお菓子、スイーツ等、
ありったけ合成すると、合成が完了して
核が一つにまとまった…
みゆきは、中央に土魔法で丈夫な土台を
作り、治した核を置いた。
【鑑定】
ダンジョンの核。治癒済み。
スライムが合成することで回復する。
(レベル1000以上必要)
プヨさんが、合成を終えて一匹になる。
鑑定すると【レベル3694】もある!!
(たっ…戦ったら負ける…)
プヨさんは、核に近づきなんと…核の中へ
吸い込まれた。
ええっ!?プヨさん??
すると、部屋のあちこちが光り、スライム
がたくさんリポップした。スライムと言う
か、プヨさんだ。しかも…
「耳と尻尾ついてる!かわいい!」
月見のプヨさん達は、狸を思わせる可愛い
姿になっている。変身キャンディか??
核を見ると、なんとも言えない優しい光を
放ち出した。
「おお〜!月見ダンジョンが生き返ったっ
ちゅう事か!」
「すごい!すごい瞬間!!」
「キュ〜!!」
プヨさん達と魔法陣の部屋へ移動し、
壁を見るとすっかり元通りだ。プヨさん
いわく、核の部屋は移動したらしい。
それはよかった、安心だ。
みゆき達は月見ダンジョンを攻略し、一文
なしで帰還した…。胸に付けたピンバッジ
が誇らしげに光る。
▲▽▲▽▲
外に出るとGMDSの皆が待っていた。
「お疲れ様です!換金お願いします!」
との事で、GMDSには41万円で買い取り
をする。頑張ったねぇ〜!!
ほくほくと嬉しそうな皆や自分達に
『クリーン』をかける。
雑談をしながら、村長の奥様お手製
『紫蘇ジュース』を頂いた。染み渡る〜
「あ、そろそろ帰らなきゃだ。」
「おっ!今日はありがとうなぁ!」
「みゆきさん、たくさんお世話になり
ました!自分達も一旦帰りますが、此処
には頻繁に来ますんで、また会えたら嬉
しいっす!」
克己君が爽やかだ。4人で会社の携帯一台
しか持っていないらしいので、月見に来た
時は村長が連絡くれる事になった。
みんな、ブラックな会社、うまーく切り抜
けてねっ!逃げるが勝ちな時もあるよ!
今日、何百万円もの対価を核に貢いだ
みゆきさん…
でも、不思議とそれが本望だった…と、
充実した1日に満足するのでした…
読んで頂き、ありがとうございます。
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どうぞ宜しくお願い致します!
月見のダンジョンの申し子…
気になった方、いいね!お願いします。
本当はそこまで深い意味は無いのですよ…