鍋ぶた69 剣の舞
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誤字訂正、ありがとうございます!
月見のラスボス、攻撃効かなくて
どうしましょ…村長、うさゴン、
みゆきさん、ファイトです!!
B9フロアを攻略し、月見ダンジョンの
攻略もあと1フロア。気を引き締めたい。
が、お腹もすいた…
「村長、扉潜ったらさぁ、お昼食べよ〜」
「おお、腹減ったなぁ」
「キュゥ〜…」
最下層への扉まで、みゆきの足取りで
40分。途中で、ツノがヘラジカみたいな
カタツムリ(ホーンスネイル)と遭遇した
り、殺人トンボにまた追いかけられたりし
た。
みゆきは村長に投擲を教わりながら歩く。
命中率がアップした気がする
みゆきさんです…
▲▽▲▽▲
階段の扉についた。あ、これボスの扉?
と思うくらいにコミカルなデザインだ。
昭和のテーマパークを思わせるような
ファンシーなデザイン。
ドキドキしながら鍵を開けた。
「「おお〜」」
「なんだかずいぶん昭和の日本的な…」
なんか知ってるこの感じ。
寂びれたベンチが並んでいたり、丸い寄せ
植えの花壇、十円入れたら動きそうな動物
の乗り物もある!
デパートの屋上にある子供の広場とかも
似ている…なんともレトロ感に溢れた一画
で、女神像ではなく現代彫刻のような変
わったフォルムの水飲み場がある。
普通に蛇口が付いている。
ダンジョンで現代的な物を見るのが
不思議だ…
ヒーローショーの、はじまりそうな舞台の
上に転移の魔法陣が描かれている。
この部屋、やっぱり汚いし臭い。
カビっぽいし、サビサビだらけ。
花壇は枯れ草しかない…
得意の『クリーン』で一掃すると、
映えそうなエモいレトロ空間に変わった。
「そこのベンチで食べよー」
「おい、俺は弁当持ってきてねぇからよ、
戻って食ってくるわ」
「村長の分もあるから来なよ」
「マジか、悪りぃなあ〜」
【みゆき特製の幕の内弁当、村長用】
(野菜と魚中心の身体に優しいお弁当)
を渡す。みゆきは普通の幕の内だ。
うさゴンにも回復のお茶や、薬草、人参を
あげると嬉しそうに、食べた。
みゆきも村長と話しながらランチだ。
「10階ってボスどんな?」
「んー、なんだ、あれだ。お月見山と言っ
て想像する動物は?」
「うさぎ?たぬき?あ、これお茶ね?」
「そっ!たぬき!つってもよ、可愛いもん
じゃぁねえぞ。甲冑の鎧を着ててよぉ、
鬼のように強えらしい。魔法っつうより
かは、妖術って感じだなっ」
しみしみガンモをパクッと食べた村長。
「うめぇ〜」のお顔、いただきましたっ!
▲▽▲▽▲
お腹も満たされ、いざボス部屋の扉の前に
立つ。
でも、まずは得意の『覗き』をする。
そーっと扉を開けると、左右にエンタシス
の柱がずらり。和風な作りで、修学旅行で
見た事のあるお寺に似ている…
最奥の玉座に、神主様のようなドクロの
モンスターが鎮座していた。
『ひっ!』
バタンと扉を閉めた。
ね、ドクロなんですけど…
もう一度扉を開けて、『鑑定』をする。
【リッチー】
ある高明な術師の成れの果て。
魂を操りしもべとする。
あらゆる妖術に長けテい流。縺薙?閾ェ!
〒縺ゅj縲∵ェ繧定ヲ・7√k縺ョ縺蛻??
「え!村長、文字化けしてて読めない…」
「読める所無いんか〜?」
「リッチーだって。
『魂操って、しもべにして、妖術に長けて
いる』までは、なんとか…」
「ここも、ボス入れ替わったんかぁ、
ガイドブック作り直さんとなぁ〜」
みゆきは、ちょっとビビりながら扉の
こちら側から『落とし穴』を使ってみた。
いきなり、スッコーンと落ちるボス…
『穴埋め』で閉じる。
ブレずに外道なみゆきさん…
ボスはさほどダメージもなく戻ってきた。
表情は無いが、怒気を感じれる。
気付けばボスの周りに、甲冑を着たドクロ
が3体現れていた…
「あららハードル上がっちまったなぁ〜」
みゆきは浄化をかけてみたら、甲冑ドクロ
達はガクンと膝から崩れ落ちた…
バタン………
ひとまず扉を、閉めた。
「しもべには浄化魔法効いたね…」
「リッチー、無傷だったなぁ〜」
「キュー!!!」
うさゴンが、
『元気スタンプ』(ステータス上るやつ)
をペタンする…
モリモリ勇気と力が湧いてきたっ!
「「やったるか!!」」
「キューッ!」
うさゴンが重ねてバフをかけてくれた。
体力魔力満タン!コンデションよし!
じゃ、片手にHMPポーションも持って、
いざボス部屋へいきますよ!
「結界、マジックバリア、無敵!」
唱えたら、ポーションを飲み干し、大きく
息を吸い込んだ。
扉バーンッ!!!
「パラライズ落とし穴浄化スリープ!!」
間髪入れずに言い切って、息が上がった
みゆきだが、まだまだ続ける!
「ウォーターフォール!」
水の中から泡が出てきて地面が元に戻り、
リッチーが立ち上がり前に出てきた…
みゆき達は構える。
うさゴンが高速でアタックするが
ヒラリッ!
避けられた。
村長が『………』何か唱えてからナイフを
投擲する。3本ナイフを一気投げだ!
戻ってきたナイフも再度3本投げ!
ナイフ2本は避けられ、背後にある玉座に
刺さるが、4ヒット!!
リッチーは不敵に笑う…
「ん〜、骨っちゃ関節当たらんと
無理なんかねぇ」
「フローズントルネード!」
みゆきも魔法を放つ。リッチーに霜が降り
つつ突風に叩きつけられたが、ふわりと
起きあがる。
「ねぇ〜これ、効いてるんか〜い!」
「効いてねぇぞ〜」
「キュー!」
うさゴンが正面からリッチーに体当たり!!
またもやヒラリと避けられてそのまま玉座
をクッションに転がる…
「うさゴン、大丈夫?!」
「キュ!」
リッチーは爆風を起こす!みゆき達は
『切れ寸の無敵』にまだ守られていて
よかった…
「ファイアストーン!」
熱々な燃えたぎる岩がリッチーを直撃する。
地面にドゴドゴと降り注ぎ、辺り一帯を
コゲコゲにしていく。
リッチーが、またふわり立ち上がり杖を
掲げる。マジックバリアだ。
そして気づくと部屋も綺麗に戻っていた…
玉座だけがぶすぶすと焦げている…
「最終ボスだし、弱いはずはないけど…」
みゆきはパラライズウィップを使って
物理攻撃をするが、鞭がが当たっても全く
手ごたえがなくて気味が悪い…。
「色々試すべし!」
みゆきは剣に持ち替え、剣技を繰り出す!
その剣技は、目を見張るものがあった。
太陽の剣を振り回しながらも回転したり、
リッチーの攻撃をギリギリで躱したりする
一連の動きがスムーズで流れるようだ。
「奥さん、剣の舞か?すんげぇな!」
村長は感心して観ている。
リッチーが、連続で炎の攻撃をするが、
みゆきは柱を利用して上手く躱していく。
が、転がる玉座に足を取られて転んだ。
リッチーがにやりと笑い、大きく杖を
振った。
「マジックバリア!」
間に合ったかどうか…無傷の自分にホッと
するが、みゆきを庇ったからであろう。
目の前に倒れてる人物にびっくりし過ぎて
息が止まるかと思った…
「え??え??なんで?」
村長と、うさゴンが駆け寄ってくる。
「おおぃっ!旦那さんよぅ!」
「キュ〜〜ッ!」
目の前に倒れているのは、今晩帰ってくる
はずの健介だった…
みゆきは頭の中が真っ白になる。
「パパ…なんで?あ、回復、回復…」
「みゆき、HMPポーション…」
「え?分かった!あ、こんな時に、あれ?
あれ?」
みゆきは深呼吸し、落ち着いて探す。
そして、コップにポーションを注いで渡す
と、健介は勢いよく飲み干した…
「ふぅ、サンキュー!…」
健介はふと自分から離れていくみゆき、
うさゴン、村長を見る…
「どしたん?」
村長が驚きを隠せず声が漏れる…
「ば…化け狸じゃぁ…」
みゆきは怒り爆発だ!
「あんたぁ!まずね、顔が似てないし!
バレバレなんだよ!一瞬騙されたけど、
パパは、みゆきって今や滅多に呼んで
くれないんだよー!あほ!」
みゆきが飲ませたのは、
『呪術解除ポーション』
だった。効くのか一か八かだったが、変身
も呪術の内かと思ったのがナイス閃き
だったよね。みゆきさん!
たぬきはタジタジと後ずさりして、5つの
しっぽを抱えてくるりんと宙返りした。
甲冑侍狸に『変幻』した。
「ほらっ!ほらっ!俺の言った通りだぁ!」
ちょっと、村長、分かったから。
多分ここからが仕切り直しだよ…
みゆきと村長は特製回復のお茶を飲み、
うさゴンにはふりかけた。ごめんね、
緊急事態…
「キュ〜ッ」
しかし、喜ぶうさゴンなのでした…。
読んで頂き、ありがとうございます。
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どうぞ宜しくお願い致します!
みゆきさん、健介さんに今でも名前
呼びして貰いたいのがばれちゃって
ますねっ
月見ダンジョンの制覇目前です!
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