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鍋ぶた片手にダンジョンへ  作者: ミンすけ
花壇にダンジョン!?
6/93

鍋ぶた6 自動で経験値回収

挿絵(By みてみん)


苦手な先輩ママさんから逃げる為だけに

1,000万もするスキル石を使い

無事に秘密基地ダンジョンに来れたみゆきさんです。


いいねと評価が入りとても幸せいっぱいです。

いいねをされた方がとてもいいね!です!

ありがとうございます。



「ほんと、何なのあの人。本当に精神削られるわぁ…何喋っても話が捻じ曲がるからあんまり話したく無いんだよね…」



みゆきは、ここに引っ越してから、幾度か精神を削られはしたけど、実は彼女のお陰でだいぶ鍛えられたかもしれない。粘着や、嫌味へのスルースキルが少しは身についただろう。




部屋は変化無さそうだけれど、念の為に壁のタペストリーや家具を一度しまってみると、変化は一目瞭然だった。



「うわ。ここ、すごく窪んでる…」



大きなタペストリーをかけていた後ろに、みゆきさんが2人入れるくらいの凹みが出来ていた。ダンジョンの通路になるのだろう…




「はぁ〜ーまたレイアウト変えなくちゃ」



 みゆきさんそっちか!レイアウトのほうか!窪み前には何も置かない様にする。ここが冒険の入り口になるのだ。



「ダンジョン側からしたらここが玄関だね」



秘密基地の入り口にも敷いているが、玄関用マットを敷こう。靴底の泥を落とせる様に、目が荒く硬めの毛並みがいい。メイキングのスキルは異常な速さで色々と作れたり、一瞬で出来たりと、スピードは物にもよる。



みゆきは30分かけて北欧風の玄関用お洒落マットを作りあげた。手書き風のオーバルドットが、癒されるデザインだ。



みゆきは、屈んでくぼみの前に敷いた。幅もぴったりで申し分ない。満足気に見ていると、ふと視界に汚い足が見えた。




え。なに?



ゆっくりと視線を上げると醜悪な顔をした130センチくらいのおじさん…いや、彼は…




「ぎぁぁぁ!!ゴブリン!!??」





楽しかった秘密基地作りの気分が、一気に覚めた…



みゆきが尻餅をついた処に、ゴブリンが手にしている鋭利な斧をぶん投げてきた!!



「やだっっ!」



やばいっ!やられるっ!



咄嗟に転がって回避したみゆき。

(ナイスファイトー!)


どうやら無事だった。ゴブリンをみると、見えない壁があるみたいに部屋に弾かれてこちらには入れない。斧がゴブリンの半歩後ろに落ちていた。



「あ、セイフティーゾーンか…心臓がやばい。びっくりしすぎて…」



みゆきは身体が震えている。なんとも言えない光景だ。まるで、ゴブリンの展示をみているようだ。



生まれたばかりのゴブリンだろう。でも、何でこんなに汚ないのだろうか…足の爪がガタガタに伸びていて、変色し、ゴミが詰まっている。なんならみゆきは2、3秒、そこに意識を持っていかれたくらいだ…。


「皮膚病もありそうだよ…ぼろぼろ…」



連続して斧を投げたり振り回して攻撃してきているが、ずっと境界線に阻まれている。



『ギャーギャー』と騒ぐ、ゴブリンの叫び声が耳障りで不愉快だ。みゆきは試してみた。闇魔法の状態異常を…




「パラライズ!&クリーン!」



ゴブリンが、バタンと倒れた。汚なさが気になってゴブリンにクリーンもかけた、みゆきさん…



だが、これはすごい効果だ。



少ない頭の毛が触り心地良さそうにふわふわしている。ピスタチオグリーンのツヤツヤ肌には薄く血管が浮きでている。細長い歯がぎっしり詰まって生えているが、とても健康的で真っ白だ。




「へぇ、やっぱり人間とは全然違うんだね」




2分程観察していたら、ゴブリンの口がぱくぱくし始めた。そろそろ痺れが切れるのだろうか…



すると、突然目の前に火の塊が飛んできた!ようで飛んでこない。ゴブリンが、魔法を使ったのだが、跳ね返り自分が燃えている。




「えー!どうしよう、どうしよう、どうする?」みゆきは慌てて玄関マットで火消しをする。




思わず消火活動をしてしまったが、火が消えたと思ったら、マットの下には何もなかった。我が家のダンジョンで、最初の戦いに勝利した、みゆきさん。



ステータスは特に変化なし。



「びっくりした…ゴブリン初めて見たし!なんか、なんか、なんか申し訳ない…」



ただ、あの魔法を自分にあたったらと思うと、とても恐ろしい。子供達だったら絶対重傷、もしくは死んでしまうだろう…



この秘密基地で家族団らんをしたいけれど、ダンジョンとなれば絶対に入りたがるだろう。



みゆきは覚悟を決めた。まだ生まれたてダンジョンという、好条件のうちにレベルアップして、強くなる事!!敵には無情に徹する事!!



そして、家族とのプライスレスな思い出をたくさん作ろう!



「山下みゆき、やってやんよー!」



経験値増、必要経験値減のスキル石を使った。



みゆきは決心が鈍らないうちに、窪みの地面全体に落とし穴をつくった。落とし穴の底は非情にもトゲトゲだ。子供の頃に見た冒険映画のようだ。



みゆきは暫くの間、くぼみの前でモンスターのリポップを待っていたが、いつ湧くのか見当もつかない。



待ち時間に何かできる事はないか考え、アイテムボックスを開く。



「そういえば、買うこともできるんだよね」



ショップのアイコンをタッチすると、いろんな薬草、牙、羽、毛皮、糸、布、などファンタジーゲームのようなワクワクするアイテムがいっぱい出てきた。


なんでも良いからやってみようと、糸や毛皮、布、牙、を購入し、二万円くらい使った。


チュニックの下に合わせるボトムスがほしかったので、作ってみる事にした。


服飾は勉強をしてきたし、スキルがあるのでイメージすれば、なんとなくで出来上がる。ポケットは多め、もちろんウエストはゴムベルト。


素材によっては色々な効果をつけられるようなので、その辺も調べて飾り付けしていく。糸が綺麗なので、刺繍を施すと、ワンポイントのはずが、楽しくてどんどん広がってしまった。


高そうなエンブロイダリー生地の、素敵なガウチョパンツが出来上がった。クローゼットにセットして着てみる。さすが!採寸をしたようにピッタリだ。



「子供達にも作ろう!普段着でも着れるように、カジュアルがいいね」



翔はピッタリしてるのが嫌いだから、サルエルパンツ。

旦那はトップスが少ないから少し大きめでTシャツを何枚か作ろう。

柑奈はバイトで着れるように白シャツ。

更紗は学校ジャージのイメージだなぁ…スウェットで、元気なやつにしよう。



翔のボトムスが完成間近になった所で、


『べシャンッ』


みず風船が割れるような音がした。モンスターが罠にかかったのだろう。みゆきが穴を覗くと、穴の中で何かが動いているが、溶けて消えた。スライムだ。



「結構王道なダンジョンでよかった。ゴブリンはちょっと見た目が人っぽくて苦手だけど、ゾンビよりは全然いいよ」


挿絵(By みてみん)


その後、服を作り、ミサンガや、イヤリング、ピアス、ネックレス、帽子、等など…小さいお店が開けそうなくらいのアイテムをたくさん作れた。



アイテムボックスにいれると、金額が出る。材料費の3〜5倍くらいで売れるみたいだ。効果がついてると、更にお高いみたいだ。



たくさん作れたイヤリングとピアスの殆どを売ったら、元が取れた上に2万円の利益が!そしてその間に魔物が12回程罠にかかった音がしたのだ。



「やっと働いて金を手にできた気がするよ…しかも、私の刺繍のガウチョパンツがまさかの18万て…売らないけれども。」



『べシャン!』



また落ちた。その時みゆきは、体の中からDNAが書き換えられるような、内側からひっくり返されてるような感覚に襲われた。

 


(レベルアップきた!!)



みゆきはステータスを確認した。



☆☆☆☆☆

山下みゆき

レベル10

HP44/44

MP28/28

土魔法レベル1

闇魔法レベル1

ハウスキーパーレベルMAX

メイキングレベルMAX

クローゼットレベル2

(メイク、ヘアメイクもセットできる。

 上限50セット)

俊敏レベル0【MAX2】

状態異常【肥満】俊敏さが無くなる効果


☆☆☆☆☆


MAX14の表示は消えたが、俊敏のMAX2は消えてない。おそらくHPが今までのMAX40を超えたらからだ。レベル10で、HP44はみゆきにしてはいいステータスだ。レベルが14に戻った時、HPいくつになるんだろう。


みゆきは得した気分になった。



時間は…まだダンジョンに来てから1時間半しか経ってない。まだ午前10時30分だ。制作魂に火が付いていたので、そのまま色々、試験的に作ったり、検証していく。



その間、時々罠にかかる音が響く…



レベルは14までもどった!元々のレベル14

の時のHP40が、MAX50になった。


(10お得〜)


MP25だったものはMP31まで増えた。


(6得した〜)



HP50/50

MP31/31



他は変わらなかった。



簡単なお昼を食べる。お昼は昨日から漬け込んでいたフレンチトースト。カリッとふわっと、ジュワァ〜だ。ほんのり甘くて、集中していた脳に、養分が染み渡るようだ…



午後は販売会をする事にした。


戦闘的効果のない普通の服やアクセサリーは、今まで放置していたネットショップで販売だ!!




▲▽▲▽▲




二者面談だからと早めに帰ってきた更紗は、アクセサリーを見ている。



「えーやば。かわよ。かわよ。これも。

 欲しい!」



更紗に着画のモデルになってもらう。何個かあげると大喜びで写真を撮らせてくれた。


ネットショップに掲載し、更紗にもSNSで紹介してもらう。



いつの時代もJKは神世代だと思う。怖いもの知らずで、あざとかろうが、グイグイだろうが、全てが清々しくて、…眩しいよね…



ピロン、ピロン、と携帯がなり、モデルの更紗と同じイヤリングが売れている!!



「早くも!!更紗、すごいね!」

「イェイ」


元気スウェットを着てもらい、たくさん着画を撮った。スウェットは可愛いと思ったので、イロチで作っていて、みゆきも着てみたが色々となんか違かった…



挿絵(By みてみん)



「ママ、これどうしたの?スウェット、え?作ったって、ママが???すご!なんかママ最近神がかってる?料理も掃除も!」




ま、そのうちちゃんと説明するけど、今日は誤魔化す。




「前々から少しずつ作ってたんだよ。同じ服だと裁断一気にできるから、たくさん作れるんだよ」



更紗の為に作ったので、色を選んでもらう。




「ねえママ、友達が誕生日だから、お揃いでこれあげたい!」



《ふぇぇ〜》



「い…いいとも〜」





拙い文章ですが読んで頂きありがとうございます。少しでもみゆきさんを応援したいと思って頂けたら、どうかポチりとお願い致します(╹◡╹)


更紗ちゃんの着ているスウェットが、NBBTナベブタと気付いた方は、すごい!!ぜひいいね、ブクマ登録、高評価の星をお願い致します!!

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[良い点] ハンドメイドの売り買いできるアイテムボックス!多機能で羨ましい。 こんなに便利なのは発見者特典だからでしょうか? [気になる点] ゴブリンを初めて見た、とありますが、以前潜ったというダンジ…
[一言] 【肥満】俊敏を打ち消す効果……( ;∀;)グサッ。確かに!そのとおり…
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