表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鍋ぶた片手にダンジョンへ  作者: ミンすけ
花壇にダンジョン!?
4/93

鍋ぶた4 秘密基地完成!

挿絵(By みてみん)

ダンジョンのフロアを違う意味で完全攻略するみゆきさんです

目覚めスッキリな朝5時30分


みゆきは気分良く着替えを準備してスキルクローゼットにセットした。シャララララ〜と効果音は鳴らないけれど、くるりんと回って着替は終了。


洗濯機を回し、健介と娘達のお弁当を作って詰めていく。


いつもより手際が良く、気付けばお弁当と水筒も揃って並んでいる。ピカピカに光るテーブルには美味しそうな朝食もセッティングOKだ。


更紗が起きてきた。


「…おぉ…おはよう。え…なんか凄いね。

 美味しそう」


寝ぼけ眼に驚きが重なり立ちすくんでいる。


健介も起きてきて、一瞬だけれども久しぶりに開眼しているのを見逃さないみゆきさん。


2人とも身支度を整え、ご飯を食べたら絶好調に『いってらっしゃい』だ。少し遅れてきた翔もしっかりとご飯を食べて元気に登校!


「いってきー!」

「いってらー!」


柑奈は2時限目からの登校なので、まだ夢の中だ。みゆきは、柑奈が家を出るまでには洗濯物を干して掃除をしてしまおうと張り切る。


「今までの私じゃ考えられない!スーパーカリスマ家政婦みたい!!」


今までは痛む腰を庇いながら洗濯を干したり、掃除機をかけたり、かけなかったり、忘れちゃったり…だった…


だが、今日からは違う!


「クリーン!」


部屋があっという間にピカピカになる。


いきなり全て綺麗になるのも変だと思われるかもしれないが、気になっていた所がいっぱいあるのだ。窓ガラスのサンや、照明に溜まった埃など…あっという間に綺麗になった。空気が浄化されていくようで気持ちが良い。いつものように洗濯機を回してしまっていたが、


「ドライ&プレス」


これで、アイロンがけも終わった状態だ。


「最高かっ!!クリーニング屋になれるわ!」


玄関先まで掃除をしたら、やっと柑奈が起きてきた。


「ママ?なに?今日お客さん来るの?」


柑奈がびっくりしながらも朝ごはんの写真を撮っている…


ご飯

わかめの味噌汁

卵焼き

ハム、きゅうりとバナナのマヨグルトサラダ

(賛否両論だが、山下家はこれが好き)


普通だけど、みゆきには上出来すぎる。しかも時短で美味しい!スキルバンバンザイ!だ。


「今日もバイトだから遅くなるねっ」


柑奈を見送りがてら、玄関先の寄せ植えに水をあげる。なんともスムーズなルーティーン。(第一回目だけども…)


「さ、て、と、だよ」


ワクワクを抑えられないみゆきは、アイテムボックスを入れたマジックバッグを背負う。周りを確かめながらダンジョンの前に立ち、メイキングスキルを使って、ダンジョンが見えないように花壇を作り替えた。


コソコソッと穴に入ると、少し通路が広くなっていてスムーズに通れる。階段の真ん中に踊り場が出来ていたので、そこで装備を変える。


B1のフロアは昨日から変化は無さそうだ。ボックスがあった台座に荷物を置こうとしたところで、台座に彫ってある文字に気が付いた。


【ダンジョン発見者特典】


アイテムボックスは、発見者を登録し他人には使用できない。また、他人が持ち出す事も不可能である。アイテムは任意で譲渡可能。


「私ダンジョン発見者だって!すごくない?」


みゆきはスキル石を使えるのは当然の権利なのだと安心し、1人で勝手に使ったという罪悪感が無くなった。しかも、セイフティゾーンが一番最初のダンジョンとは…運が上振れ過ぎてるよ、みゆきさん!


何もない部屋で、全ての武器を試してみた。投石玉と、短剣は装備決定だ。少しだけサマになっている。他の武器は戦い方を知らない為か、全くしっくりこない。重かったり長かったり、難しかったり、だ。


「魔法を覚えて杖を使ってみるとか?」


杖があれば魔法の威力が大きくなると言うのは、昔聞いた事があった。みゆきは、どんな魔法が使えるのかスキル石を確認していった。


火魔法

火の生成や操作、火の攻撃


水魔法

水の生成や操作、水や氷を使った攻撃


風魔法

空気の操作、風に纏わる攻撃


土魔法

土、岩石の生成や操作、大地に纏わる攻撃


光魔法

光の生成や操作、雷や聖なる物に纏わる攻撃や支援魔法、回復、治癒や結界等


闇魔法

闇の生成や操作、召喚、テイム、状態異常魔法、隠密、隠蔽等


※メイキングでイメージすれば魔法創作出来ます。あなたのオリジナル魔法を作ってみましょう!


アイテムボックスがざっくりと説明してくれている。どれも魅力的で悩む。


「ていうか、色々出来すぎて余計分かんないわぁ」


みゆきは水筒の水を飲んで一息つくと、攻撃魔法よりも、やりたい事を思いついた。土魔法とメイキングスキルを使えば、土を材料にして色々作り出せるのでは?という、スキルと魔法のコラボ案だ。


「使ってもいいよね〜だって発見者だし」


みゆきは土魔法を覚える事に決めた。早速スキル石を両手で握りしめると、一瞬輝いてから石は消えた。魔法は覚えられたかな?早速、試してみる。土を操作といえば…


「落とし穴!」


みゆきが定めた辺りの地面が、ボコっとなくなった。穴を覗くと5、6メートルくらいの深さだ。結構深い…


「わぁ、深っ!怖っ!あなうめ!穴、ふさがれ!」


元に戻るよう念じたら元の地面に戻った。みゆきは部屋の中をいじり倒して行く。壁にはニッチ、猫足のコンソールテーブル、長椅子、宝箱の台座もリメイクしてテーブルや椅子に変身させていく。


「楽しい!土魔法、めっちゃいい!お勧め!」


魔法を使いまくっていると、急に何も発動しなくなったので、MPポーションを飲んでみた。


「あ、ミルキーで甘い!美味しい〜!」


すぐにMPが尽きるみゆきだが、ダンジョンが広がる気配が無いので、レベルアップは難しそうだ。


「今は出来る事をすればいいよね。この部屋を、お洒落にしてみよう!オシャンにね。オシャン、オシャン、オシャンティ〜」


みゆきは材料を取りに、一度家へ帰る。外に出る際は人目を気にしていたが、パーカーに認識阻害がある事を思い出したので戻りの姿は堂々としたものだ。


「ふぅ〜」


マジックバッグに、家中の断捨離グッズを入れてきたみゆき。サイズアウトした服、古いクッション、毛布、布団、家具、壊れたベッドの手すりに、壊れた家電…。お陰で家の中は、かなりスッキリとしている。


「先ずは壁にタペストリーと照明かな。メイキングで制作してみよっと」


生地や家電、埋め立てゴミを材料に作られた、温かみのあるタペストリーや照明がダンジョンを飾った。


部屋がとても明るくなり、ダンジョンとは思えない空間に生まれ変わった。ニッチやテーブル台には木を使い、食器や花瓶を飾るとまるでファンタジーな世界のように可愛い部屋に変身した。


部屋の角には釜戸を作り(雰囲気が大切)、傍らに木箱や作業台なんかも作る。映画のセットみたいにかっこよく仕上がった。ソファや仮眠出来る長椅子には、カラフルにたくさんクッションを置いていく…


「ジャジャーン!秘密基地の完成!!」


みゆきは満足気にドヤ顔をして部屋を見渡す。


秘密基地というか…一応、ダンジョンだからね…みゆきさん…



挿絵(By みてみん)



「早くダンジョン広がらないかなぁでも、お化け系のダンジョンはいやだな」


色々考えてるうちに、家族で楽しくダンジョンを攻略している未来を見た気がした。


「やっぱりスキル石は子供達にとっておこう」


お母さんなみゆきさんです…



△▼△▼△



みゆきはお腹が空いてきたので家に戻り、適当に買い置きのパンを食べながらアイテムボックスを整頓する。マジックバッグの中に武器や防具、ポーションを詰め替えた。


アイテムボックスには、銀行の預金通帳、きつくて入らない指輪や祖母の形見のアクセサリーなど、大切な物を入れる。他にも、米や水、非常食も入れてみた。それでも、まだまだ入る。納戸にあるお雛様や、ひな壇セットも全部入った。納戸の半分がスッキリしたところでアイテムボックスが満杯になった。


アイテムボックスにメッセージが出ている。


[アイテムボックスがレベルアップ可能]

1,000,000円もしくはアイテム換金が必要です。


【レベルアップしますか?】


   はい/いいえ


「これは、はいの一択でしょ」


みゆきは迷わず【はい】を選択する。


100万円なんてお金は無いので、換金用のアイテムを選択する事にした。


「鋼の鎧って重そうだし、今の世の中こんなの着ないよね」


みゆきは独断と偏見で250万の鋼の鎧をアイテムボックスに入れて換金した。



【アイテムボックスがレベル2になりました】



アイテムボックスの大きさが半分になったが、100種×100個の容量になった。ボックスの中でアイテムの売買が出来る様にもなっている…


「うわぁ〜!これだよこれっ!」


色んなものを換金したかったので願ったり叶ったりだ。差額150万が記載されていたのだが、お金がおろせるのかドキドキする…


  【出金しますか】

  (はい/いいえ)


【はい】を選択すると金額入力画面になる



▲▽▲▽▲


「すぅーーーーー、ふぅーーーーー」


みゆきは札束を目の前にして深呼吸をした。見たことのない札束がこの手にあるのだ。


「すごい…アイテムボックス…マジですごいよ!!」



早速銀行へ行き、引き落としに必要な分を入金する。修学旅行の積み立てが2人分、スキー教室、研修旅行、値上げした光熱費分、クレジットカードの引き落とし分などなど…


多めに50万円を振り込んだ途端、みゆきはたくさんの不安や緊張感から解放された。お金のストレスがないって素晴らしい!そのあと、スーパーに買い物へ行くが、足取りがとても軽やかなみゆきさんだ。


(今日は美味しいお肉で、肉じゃが作ろう。あの高いお豆腐使って味噌汁を作ろっと。憧れのあのお米を買って、ウチにあるのと混ぜて炊こう!)


150万を手にしたんだけどね…発想が庶民的なみゆきさんなのでした…



挿絵(By みてみん)



拙い文章ですが読んで頂きありがとうございます。少しでもみゆきさんを応援したい方、どうかポチりとお願い致します(╹◡╹)


何度も確認してるのですが、消し忘れや誤字がたくさんです。すみません。

挿し絵頑張りました(*´◒`*)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ほのぼのしてて良い! [気になる点] のんきに偽札を使ってしまうみゆきさん。 (日本銀行券は日本銀行が発券、管理しているのでダンジョンが出したものは本物同等でも偽札) 紙幣、硬貨は古くなっ…
[良い点] めっちゃくつろいでるイラスト [一言] 子供達にスキル石残しておこうってあたりが、お母さん!って感じしますね
[良い点] 挿絵が可愛いです。 今後の展開も期待しています。 楽しく読ませていただいています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ