鍋ぶた27 スライムを餌付け
「あれ〜!翔とうさゴン、早かったねっ!」
「めっちゃ楽勝だったよ。さっき、迷路みた
いな処もぐるぐる回って制覇してきた。」
さすがだよ。翔と、うさゴン。
花畑の部屋に、結界がかかってるのは翔が
やったのかな?
みゆきは花畑にモンスターがいないのを確認
したら、ウッドデッキやラグ、テーブル、
ソファー、椅子を出した。
18時00分
そろそろみんな来る頃かな。
マッピングで確認したらちょうど入り口に
いた。
「お腹すいた〜!」
更紗と健介がきて、一家勢揃いだ。
さ、食べよ。食べよ。
うさゴンは嬉しそうに地面ゴロンゴロン
して、葉っぱを食べ始めた。
「はぁー美味しいねっっ」
【新作のチーズチーズチーズ】も美味しい。
とろけるし伸びる!
「バナナシェイクが、また罪な味!」
ジャンクフードにはジャンクドリンク。
楽しむときは思いっきりだ!
早くもポテトを食べ終わった更紗が、
こっそりと翔の、ポテトを食べている。
気配察知で気づいた翔が怒り、更紗が悪態を
ついて逃げる。そのときにポテトが、散ら
ばってしまった。
更紗が、悪い。
「ちゃんと反省して謝る事。」
更紗は口をとんがらせてポテトを片付けて
から、シェイクを飲み干し、しばらく経って
から、やっと謝れた。
「翔、ごめん」
「いいよ」
うちの子達、可愛いっしょ。
翔は、みゆきのポテトを貰って食べたので、
ケロッとしていただけだった…
さてさて。食後の運動に、薬草摘みでもしよ
うかなと。
「この葉っぱ、うさゴンが、食べるので、
1人カゴ1つ分ね。ヨーイ、スタート!」
結構みんな早い。
みゆきがグランピングセットを片付けてい
ると、地面がプルプルしている。
「んんん?」
よく見ると、落としたポテトがまだ残ってい
るのをスライムが食べていた。
「スライム、ポテト食べるんだ…」
みゆきは、好奇心でストローや紙袋、落とし
たレタスなんかもスライムに投げると、
「シュワワワァ〜」
炭酸水のような音がしてスライムの中に溶け
ていった。
(あれ?何でもいけるかな?)
アイテムボックスのなかのゴミをいくつか
投げた。
「パチパチシュワワワァ」
ぽいっ
「シュワワワァ〜」
ぽいぽいっ
「シュワシュワワァ〜」
「「あっ!!!スライム!!」」
柑奈と更紗が、攻撃をしようとして辞めた。
ぽいぽいっ!
「シュワシュワワァー」
ぽい
「ジュウワワ〜」
これ、癖になる。なんとも言えない爽快感!
みんなで順番でゴミを与えた。
「どういう事なのかなぁ?」
柑奈が考えながらメモを取っている。探偵
みたいだ。
スライムに結界は関係ないみたいだ。
スライムって敵じゃないのか?
だんだんシュワシュワ言わなくなり、
ジュブジュブ燻ってきた。静かにじっとし
ている。倒さないで、そっとしておこう。
みんなで一度秘密基地へ。
回復の泉の部屋で温水プールを堪能してから
帰宅した。
▲▽▲▽▲
今日も秘密基地で朝ご飯の予定。
一日が楽しみ過ぎて早く目覚めてしまう。
子供の頃の日曜日の朝みたいだ。
今、山下ファミリー、全員がその状態。
「4時だよ。4時。」
みんな顔を見合わせて笑い合う。
時間さえあれば寝ているほど、寝るのが大好
きなみゆきと子供達だが、最近は寝るのも
惜しいくらいだ。
5時30分まで、
ダンジョン探索行きたいという翔。うさゴン
は寝ている。みゆき以外で行ってきてもらう
事にした。お母ちゃん、朝は忙しいんス。
みゆきは弁当を詰めて、みんなの朝ごはん
を作る。
ゆうて、ハウスキーパースキル持ちのみゆき
さんは寝ぼけててもサクサク仕事が進むので、
4時30分には、やる事が無くなっていた。
あ。今日、埋め立てゴミの日だ。
みゆきはゴミ全般はアイテムボックスに
入れているので、割れた食器や、電球、割れ
た鏡などを指定の袋にまとめた。
なんだか、ゴミが素材に見えてきてしまう。
(みゆき、ゴミ屋敷オーナーの素質があるか
も。魔の工作、やらないでね)
メイキングのスキルで、何か作れないだろう
か。何か!と思ってるだけだと何も思いつか
ないみたいだ。
暇なので、みゆきも探索に出かけた。朝の
散歩にプライベートダンジョン、いいね!
朝ごはんを持っていく。
『合流して食べよう計画』だ。
トコトコ歩くみゆきの前に、ゴブリンだ。
みゆきは相変わらず『落とし穴、穴埋め!』
で進む。
【洞窟の大橋】に差し掛かり、橋の手すりに
スライムが2匹くっ付いていた。近くを通る
と、2匹ともチュワチュワ音を立てていて
みゆきには見向きもしなかった。みゆきも
素通りした。
なんとなく「お疲れ様」と声を掛けた。
ゴブリンが2匹、橋の向こうに居る。
みゆきは
「橋の上だと落とし穴が出来ん」
スリープをかける。
みゆきの魔力が強くなった為か、昏睡して
いる。そっとしておこうかと思ったが、家族
と鉢合わせしたら危ないかもしれない。
目をつぶって、ファイヤボールで攻撃する。
跡形もなく消えた。
「ごめんね」
なむなむと手を合わせて、また進んでいく。
▲▽▲▽▲
花園の近くでみんなに合流。
朝ごはんを見せると、競争のように花園まで
走り出す。
翔、更紗、健介、柑奈、みゆきの順番だ。
(くっ!昔はリレーのアンカーやったくらい
速かったんだけどな。)
結界を張り、朝ごはんを並べる。
「「「「いただきます」」」」
「めしあがれ」
昆布のおにぎり、ツナマヨおにぎり
茄子の味噌汁、甘めな卵焼き、
きゅうりのポテトサラダ
冷たいお茶
みゆきは食べながら、
昨日のスライムが居ないかと見回すと、
壁際に一匹スライムが現れた。生ごみの
卵の殻を投げてみたら、ぎゅるんと殻を掻き
込み
「ジュワワ〜」
と、溶かした。
スライムに溶かされたら、あっという間だな
と、警戒はしつつも茄子のヘタや、きゅうり
の両端、じゃがいもの皮や、お茶の出涸らし
を次々に投げる。
ぽいぽぽーいっ!
「ジュワンジュワンジュウ〜。」
みゆきは埋め立てゴミも投げた。
「シュワシュワ」
余裕で溶かしていく。スライムが、少しずつ
みゆきに近づいてきた。ちょっとだけ怖いの
で構える。
翔が、
「ママ、テイムしたら?」
と提案。更紗が、
「私やりたい!わたし!」
みゆきは更紗を、促す。
闇魔法ないけどスキルでテイムができる人も
いるかもしれない。出来るかな?
「テイム!」
鑑定したが、テイムされてなかった。
みゆきも試す。
「テイム」
キラキラとスライムがひかった。
鑑定すると、みゆきがマスターになっている。
「ママばっかり!」
更紗はプクっとふくれた。
「そのうち出来るようになるよ」
あのね、一言でいうて、可愛いのよ。
ゼリーみたいで気持ちよさそうだし。
触ったら手、溶けないかな…
この子はね。おそらく化けるね!
ゴミ処理を出来るなんて、なんて素晴らしい
の!?今日連れていくしか無いよね。
健介を見ると勘弁してくださいと顔に書いてあった。
☆☆☆☆☆
スライム
レベル1
HP2/2
MP1/10
【テイム状態/マスターみゆき】
融解、吸収
☆☆☆☆☆
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