鍋ぶた24 ようこそ、月見ダンジョン村へ
ダンジョン村の村長さん、なかなかの強者
です。割愛しますがダジャレ多いんです。
いいね、高評価、ブクマ、をありがとうござ
います!とても励まされております。
これからもどうぞ宜しくお願いします。
誤字修正、感謝です!
健介にダンジョン村へ送ってもらった
みゆき。
健介の知り合いは、ここから車で10分
くらいの所に居るらしい。用事が終わった
方から、お互いに連絡する事にした。
健介を見送り、いざダンジョン村の門を
くぐる。
「寂れてる…」
ミレニアムメガネを掛けた狸の
『ようこそ』の、看板が切ない…
受付の小屋があるが誰もいない。
居ないのだが誰か居た形跡はあるので、
何処かに行ってるのだろうか…
「すみませ〜ん、誰かいらっしゃいませんか〜?」
………………………………………………………。
みゆきはマッピングを展開。
気配察知で確認すると、あれ?受付にいる?
よくみると、人がちゃんと正面にいた。
どゆこと?
「あの、すみません、ダンジョンの事で
お聞きしたい事が有るんですけど……、
いいですか?」
みゆきは話しかけた。
「え? あ、はい。こんにちは。
村長の岡田です。ようこそ。
ダンジョン村へ。」
受付の村長は焦ったように、どもっている。
「すみません、ダンジョン村って今も営業
されてますか?」
「あ。まぁ、いや、やってるけど、奥さん
まさかダンジョン挑戦したいの?あれ??
あんた、結構ベテランかい??」
みゆきは、ステータスを覗かれてる感覚が
して、とりあえずやり返した。
「村長さんこそ、レベル30ヤバいですね!
ここのダンジョンで鍛えたんですか?」
「なんだい、奥さんもあれか。いやぁ、
すまんね。覗いてしまって。」
みゆきは勢いで来てしまったが、子供の頃に
ここのダンジョンに迷い込んだ記憶があり、
それが本当か確かめたくて来たと伝えた。
「んなことあるかぃ、ダンジョン見つかった
時には奥さんとっくにデカくなってる頃だ
よ。」
なんていってたが、優しい人だった。
あちこち見ていきな。と言ってくれてる。
「ダンジョン入るなら案内してやるよ。」
村長は受付窓口の上を指差す。
指された方を見ると
ダンジョン入場料 10,000円
ダンジョン案内料 20,000円
村長が にっかー!! と笑う。
「値上げ率、はんぱなっ!!」
みゆきもにっかー!!と笑う。今日は健介と
の約束でダンジョンに潜れないのだ。
(過保護の健ちゃんだよ。)
「ダンジョン潜るのはまた今度、準備して
からにします。入り口だけでも見せてもら
えますかー?」
村長は、顎で「どうぞ」と入り口を促して
くれた。
階段までと許可をもらい、隠密をかけて入り
口へ入る。薄暗いほら穴のような天井と壁に
少しだけ、記憶が蘇る。
が、なんだか全体的にギトギト感があって、
油や埃で汚い。しかもちょっと臭う。
床もベタベタしていて、入るのも躊躇する。
人様のダンジョンだけど、足元だけ…
かなり控えめに「クリーン」掛けたら、
歩きやすくなった。
階段の先のフロアが、うっすらとした記憶と
一致した。確かに見た事がある。その時は
もっと天井も高く感じたが、今のみゆきには
さほど大きくなかった。
ただ、なんというか、やはり汚い。
壁がギトギトに黒くなっている。
山下家のダンジョンは新しいから綺麗なの
だろうか…
ダンジョンの奥から、
ダダダダッと何かが走るような音がする。
キーキーと動物の鳴き声が響いてきて、
モンスターの気配をガンガンに感じれる。
マッピングを展開すると、まぁ、そこそこに
大きめなダンジョンのようだ。モンスターの
居場所が赤く光る。
結構居るなぁ
「いち、にい、さん、しー……
にじゅうごっ!やっば!」
山下家の花壇にあるダンジョンは、
いつも4〜6匹くらいだ。
しばらく見ていたら、赤い点がマップ上で
こちらに向かってきた。
(あ。あそこの通路から出て来るかな?)
じーっと見ていたら、
ヒクヒクと動く鼻がひょこっと出て来た。
警戒しながら姿を現す。
でっか〜いねずみだ!こいつ!こいつだよ。
幼い私が見たねずみ!
しかも、凄く汚れている。
毛先が黒く固まってるし、なんといっても
臭い!鼻がもげそうだ。
鼻を摘み小さな声で、目の前に来たねずみと
部屋の空気に『クリーン』をかけた。
空気が全て入れ替わった様に清々しくなって
いく。目の前にはふさふさでベルベットの
ような美しい毛並みのねずみがいる。
ついつい触りたくなる。
変化に驚いているのか、ヒクヒクと自分の
匂いを嗅いでいる。ギラつく赤い目以外は、
ただただ可愛い。
鑑定すると
【大鼠】
見た目は可愛いが、凶暴なねずみ。
暗くてジメジメするところに生息する。
尻尾の棘に注意!
牙や爪、毛皮をドロップする事がある。
初心者向け
大鼠はみゆきに気づかずに、どこかに行って
しまった。
清涼感のある空気にまた、嫌な匂いが
ほんのりと混ざってきたので、みゆきは外へ
戻った。
「どうだったい??」
村長はみゆきに話しかけてきた。
「臭い!ヤバい。でも。間違いなく、小さい
時に見た穴でした。もっと綺麗だったけど」
「そうかぁ、じゃ随分昔からあったんだな」
全く気づかなかったよと笑うが、なんだか
元気が無い。
「村長さん、どしたんですか??」
心配して聞くと、「長くなるが…」と語って
くれた。
ダンジョンが見つかったのは25年前。
初めは賑わっていたが、客が少しずつ減少。
父親とダンジョンに潜り生計を立てて
いたが、買取金額がどんどん減り、先程また
減額の連絡がきたようだ。
月に1回に業者が買取にくるそうだが、
このままじゃダンジョン貧乏まっしぐら、
お先真っ暗状態という事だ。
みゆきは、いつの間にか受付小屋に上がり、
お茶とおやつを食べながら聞いていた。
村長はコーヒーをお気に召していた。
(回復の泉水で入れたコーヒー&いつぞやの
ドーナツ)
「そういえば、なんで最初に隠れてたの?」
「いや、ハンターって感じもしないし、役所
の取り立てかなって思っちまってね。
悪かったね」
「他人事と思えない!」
みゆきはいい事をひらめき提案した。
「ね、ドロップ品見てみたい。ある?」
「いいよ、あるよ」
村長は、小屋の中の木箱を指差した。
みゆきは箱を覗くと、
たくさん整理されたアイテムがある。
毛皮や、鱗のついた皮、鋭い爪、瓶に入った
怪しげな液体、ポーション、錆びた短剣、
輝きを放つ糸や布、魔石等だ。
「そのほかにも、肉とかでるけどよ、悪く
なっちまうから俺が食ってるよ」
鮮度のあるものは買い取って貰えるらしい。
みゆきは、糸と布が欲しいから売って欲しい
とお願いする。業者の2倍のお金で売って欲
しいと頼むと、喜んで売ってくれた。
「糸が一巻き160円、布は200円だよ」
みゆきは全部買った。
「1840円ね、はい。ぴったり。ありがとう。
助かるよ。」
アイテムボックスにしまい、
値段をみる。
糸が一巻きで800円、布が1000円だ。
(おい業者め!相場知っててやってたら
最悪だぞ!)
みゆきは、今ある素材を全部売るといくらに
なるのか聞いた。アバウトだが2〜3万円
くらいだそうだ。
みゆきだったら多分もっと出せる。
アイテムボックスで換金するだけだ。
村長に話を持ちかけたら、二つ返事でOK
してくれた。相場の7割以上で買い取る事、
みゆきの事を誰にも教えない事を契約で
交わし、その場で全て買い取った。
アイテムボックスに入れてすぐに換金する。
概算で28万円だったので、
20万払い、約8万の利益を得た。
(キリ良くおまけした。)
これぞwinwinだ。
金貨に驚いた村長は、
アイテムボックスには驚かなかった。
買取業者も似たものを使っているらしい。
(おじさんは買取機能のボックス持ってない
んだな。ダンジョン持ってるのに、大変
だなぁ。)
月一で来ると約束した。
そして、ある条件を飲んでもらった。
ダンジョンの村の清掃や、リメイク等だ。
みゆきが個人的にやりたいと言ったら、
大喜びだ。時々ボランティアで掃除をさせて
もらう事にした。
村長に許可を取って、ダンジョンの入口や、
階段周りを早速『クリーン』する。
魔法を最大MAXで使うと、黒ずみ、
ギトギト、ベトベトがすっかりなくなり、
輝くダンジョン入口が出来上がった。
みゆきは、この月見ダンジョンをもっと
綺麗でステキなダンジョンにする楽しみを
得て、健介に連絡をするのでした…
読んで頂き、ありがとうございます。
↓広告の下辺りに☆☆☆☆☆の評価が
出来るようになっています。
評価頂けると幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します!
村長さん、村おこし頑張って!と、思ったあなた、是非いいねをお願い致します(*´◒`*)