鍋ぶた10 みゆきさんが戦闘します
いいねと、評価、ブックマーク、ありがとうございます!!日間のローファンタジーランキング97位にランクインしていて、こういった評価をもらえる事が初めてでとても嬉しいです。皆様のお陰です。ありがとうございます!
今回、みゆきさんが戦うのですが、大丈夫でしょうか??頑張って、みゆきさん!
「おーなーかーすーいーたー。マーマー」
いつでもお腹空いてる翔の腹時計が3時の時を告げる。ホットケーキを焼いた時にドーナツも食べたくなっていたみゆきは
型抜きを翔や柑奈にやってもらう。
誰かと一緒に料理を作るのって、とっても幸せな事だ。
(主婦って家族が一緒に家事してくれるだけで幸せなんよ。ええ子に育ってマジ嬉しいわぁ)
ジュワァーっといい音とさせてドーナツが揚がっていく。みゆきはハート型に繰り抜かれたドーナツやとぐろを巻いた蛇だと信じたい形、小さい一口サイズのドーナツなどたくさん揚げた。
とりわけ綺麗に出来たドーナツを寄せて、トッピングに、アイシングやチョコを使いドーナツ屋さんのようにデコった。
小さいひと口ドーナツにはシロップを染み込ませる。どっしり&しっとりとした、カロリーお化けの出来上がりだ。
翔と柑奈が仲良くトッピングしている。仲良き事は美しき事なりよ…
「「「いただきますっ!」」」
美味しい紅茶と共にもぐもぐタイム。甘さとスッキリ紅茶のマリアージュ!子供達とおやつ食べるって、すごくいいね。またもや、幸せ指数が急上昇だ…
「うんまっ!ザクッとしてて、中どっしりだね。」
あなた、的確!ひと口が大きい翔が幸せそうに頬張る。
「やばい。太っちゃうよ!止まらない〜」
柑奈は小食の割に珍しく2つ食べている。みゆきも小さめで形が崩れたのを食べた。
「やば〜ぃ!美味しいわぁ〜」
更紗は匂いを嗅ぎつけて、何も無かったら絶対に怒り爆発なので別皿に寄せておく。他にも旦那、父母ダンジョン用おやつに
分けておき、ダンジョン用はアイテムボックスに、こそっ
と見られないようにしまった。
みゆきは少しずつ、ダンジョン用の食事やおやつと飲み物を蓄えている。非常用にもなるしね…
「ねぇママ、これ包んで!遊び行ってくる!マサくんととタケヤンが塾終わったから遊ぼうだって!」
「ママ、私もバイトのヘルプが来たから行ってくるね。帰りは8時ね」
土曜日だと言うのに、だんだん独りが増えてきて寂しいけれど、子供達が大きくなってきたんだなぁ…と感慨深い。
よし、そうとなったら私もダンジョンへ行ってこよう!!
「ソロ活〜ダン活〜♪」
柑奈も翔も6時30分に帰るし、旦那は7時だ。
「2時間で戻れば大丈夫ね」
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みゆきは鍵をかけて秘密基地に入り一応、部屋全体にクリーンをかけた。うさゴンがダンジョンに出入りしているからね…
「朝以来だけれど、うさゴンは元気かな?」
モッサリ、ふわんふわんなうさゴンさんが居ました〜!仰向けになって寝ている〜
「かんわぇぇ〜わぁ」
起こすのもなんなので、1人でダンジョンへ入るみゆきさん。
「すぐそこまでだから。大丈夫」
自分に言い聞かせる。1人で新しい通路へ行くのは怖いが、突き当たりのT字路までほんの2、3mだ。
「慣れなければ、子供達に公開出来ないぞ!」
勇気を奮い立たせる。身を守れるような盾があれば、まだ気持ちが楽だけど…みゆきが装備するには大きすぎる物しかない。そのうち作らなきゃ…
みゆきは、初めてダンジョンへ降りた時の鍋ぶたを思い出した。あれ、丁度いいよね。キャンプアイテムとして、鍋ごとアイテムバックに入れていたので鍋ぶたを取り出す。
「これだって、無いよりマシだ」
みゆきはダンジョンへ入った。突き当たりで薬草を採取し、右の通路へ。カーブを曲がった突き当たりは、距離が伸びていて、Y字路っぽくなりそうな形状だ。みゆきは戻りながら、通路を全部落とし穴にして行く。(エグいね、みゆきさん)
T字路まで戻ってきたら、右通路の前に柵をつくり
【危険!落とし穴あり!】
と看板をつけた。自分も忘れそうだからだ。右通路でリポップしたモンスターは落ち、そこにはトゲトゲ地獄がある。
「ほんと、申し訳ない」
左の通路はカーブ先に気配を感じてゆっくり進むと、ツノラビットがいた。なんだか野生を感じる。可愛い…とは言えない。獰猛なお顔立ち……
「パラライズ」
麻痺させて近づいたが、うさゴンの時とはなんか違う。目が血走っていて、痺れさせられた事を
『絶対に許さない!』
と、いわんばかりに睨んでいる。みゆきは『クリーン』をかけてみた。毛足は違うけれども、もふもふだ。触ると牙を剥き出して『ギーッ』と鳴く。嫌みたいだ…
「オコですか。そっか、そっか。」
が、毛並みが気持ちよくて、ついつい撫でてしまう。ツノラビットからしたら大迷惑だ。
ふと、気づくと前から、ヒタヒタと足音が聞こえてきた。えっこのタイミングで?何かくる?登場が怖い…
ゴブリンだった。みゆきは慌てて進行先に落とし穴を作る。ゴブリンに意識がいってる間にツノラビットの麻痺が取れ始め、みゆきのお腹目がけてズダンッ!と突進してきた!
麻痺が残っているためか、余裕で避ける事ができた。が、みゆきの後ろには落とし穴。落とし穴の向こうにはゴブリン。
みゆきはツノラビットの足元に落とし穴を作ろうと杖を構えて叫ぶ。
「落としあ…っ!」
落とし穴ができる前にまた、ズダンッ!!みゆきの目の前にツノラビットが飛び込んできた。スピードが増している。
「うわっ!!!」
咄嗟に杖をブンッと振り回すと。ものすごい手応えでツノラビットにヒット!カウンターとでもいうのだろうか…壁にぶつかって、ツノラビットがくたっと床に転がりキラキラと消えていった。
息つく暇もなく、ゴブリンに見つかった!
「ギャッギャー!」
いがらっぽい声で叫びながらゴブリンが勢いよく走ってきた!みゆきは杖を構えたが、1m程先でゴブリンが
シュッ と消えた。
叫び声が聞こえる前に穴を塞ぐ。
「ふーーーーーーー」
長いため息をつき、震えた手の平をにぎにぎする。突然の戦闘って焦るよね…
「手応えがあまりなかったわぁ。ちゃんと強くなってるのね…」
ツノラビットの速さにはまだついていけないが、力では勝てるようだ。
モンスターを直接倒すのは久々だった。ドキドキしながらツノラビットの消えた辺りを見る。
「あ!ドロップ品!」
宝箱を開けると、毛皮、水色の魔石、桐の箱が入っている。3つも入ってた!
桐の箱を開けると、淡いピンク色の艶々でプリプリなお肉が入っていた。我が家の家族なら1食分になる量だ!
「美味しいって鑑定で出てたお肉!嬉しい!
あと、1匹分欲しいわぁ」
ドロップ品に目がくらんだ【ごうつくばり】な奥さんはさらに通路を進み出した。カーブの先は直線道路のようになっているがだいぶん広い道路になっている。
(なんだかどっと疲れたな…)
ひと口ドーナツをパクリと食べると甘さと幸せが体に染み渡る。本当は、ふわふわのツノラビットと戦ったので、心が疲れたんだよ、みゆきさん。
「いつの間にか平和慣れしちゃったんだね」
先程の興奮が落ち着いてきて、とりあえず秘密基地へ戻る事にした。うさゴンはまだ寝ていた。が、撫でると目を覚ます。
「右の通路は落とし穴だらけだから
柵を越えていかないでね」
『わかった!』
と、言ってる顔をしているうさゴンです。
念の為に一緒にダンジョンへ入ると、うさゴンは右の道をチラッとみて左の道へ進んだ。薬草が生えてるところでもぐもぐタイムだ。
みゆきは秘密基地に戻ると、薬草の軟膏を作ったり、魔石を鑑定したりして、アイテム整理をする。
「魔石、このサイズは5,000円かぁ。結構高い〜♪」
アイテムに属性を付与したり水魔法を何度か使えるみたいだ。
薬草軟膏の価値は1,000円。そして、毛皮は20,000円。とても高いと喜ぶみゆきさんだ。
みゆきは今のところ、先制攻撃が出来ているのがラッキーで、それは、ダンジョンがまだ小さいから成せる技である。
「落とし穴作戦で、レベル上げよう!」
(危なげなくB1フロアを制覇できるようになったら家族を呼ぼう!そして、うさゴンと秘密基地を紹介したい!)
やる事リストが増えた。
「あいつら、絶対喜ぶぞ〜!!」
その後、アイテムを売ってニマニマと帰宅するみゆきさんなのでした…
拙い文章ですが読んで頂きありがとうございます。少しでもみゆきさんを応援したいと思って頂けたら、どうかいいねや、高評価をお願い致します(╹◡╹)
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