なろうの上位作品が同じようなものばかりは2014年ごろからずっと言われているがそれなりに理由はある
さて、タイトル通りなろうの上位作品が同じようなものばかりというのは、2014年ごろからずっと言われていることで、当時は異世界転生とVRMMOばかりといわれていましたが、現在は異世界転移・転生のランキング隔離の影響と女性読者の増加などもあって追放・無双と婚約破棄が主流なわけですが、そういった状況になるのは、それなりに理由はあるとおもいます。
なろうでの人気ジャンルというのは、コンビニおにぎりの鮭とか梅、ツナマヨとか、中華まんの肉まんアンマン、カレーマン、ピザマンなどの定番の人気メニューと同じように、皆がそこそこおいしく感じるように研究され、最適化された結果、とりあえずこれを選んどけば大きく外れはないという安心感があると思うのですね。
おにぎりにせよ、中華まんにせよそのほかの味もいろいろ開発されては、結局消えて行ってるわけですが、これを選んでおけば、外れはないという安心感というのはやはり大事なのだと思います。
また、漫画に比べて小説の場合、偏りが強いのはおそらく文字媒体だからという理由もあります。
例えば髪型でミディアムマッシュウルフと書かれていて、すぐにどういう髪型なのかわかるのは、それなりにおしゃれな人だけでしょう。
なのでラノベでは、ふわりとカールした髪とか、ストレートロングみたいなわかりやすい髪型が多くなるわけですね。
漫画やアニメでしたらキャラクターの髪型は絵を見れば一目瞭然な訳ですからこの差は結構大きいです。
食べ物で言うならば、コンビニのおにぎりと懐石料理をどっちを食べるか選べるけど、懐石料理を食べるなら食事に際の食べる順番だとか、マナーなどをきちんと覚えないとだめだと言われたら、めんどくさいからおにぎりを選ぶようなものかと思います。
そもそもなのですが”鬼滅の刃はなんでこんなにヒットしてるの? その理由を考えてみた”というエッセイでも書いたのですが、最近のラノベの発行部数の減少理由は、一つには文字媒体そのものが、情報量が多いうえに文字を情景に脳内変換しないといけないので、感情移入が漫画やアニメなどに比べて難しく、読むのに疲れるという根本的なものがあると思うのですね。
ですから、余計に疲れる要素を省くわけで、読者が持っている知識で済むものを選択していくと、ハイファンタジーテンプレと異世界恋愛が最も幅が広くカバーできる人数があるということではないかなと。
要はコーラは世界で一番売れてるから、一番うまい食べ物であるわけではない、というのと同様に、なろうのハイファンタジーや異世界恋愛テンプレはなろうで一番読まれているが、だからといって一番面白いわけではないということなのでしょう。
そもそもテンプレというのは導入のスタートダッシュで、これは面白そうだと読者を引き込みやすいシチュエーションを定型化したものなので、それが有用なのは当然ですしね。