第8話 未だに異世界生活2日目の朝
タイトル思いつかなかったら、とりあえず日付にしてしまおう、とかいう安直な思考で申し訳無い………………とか思いませんよww あひゃひゃ、おちょくるのオモロ……
俺たちは今、受付嬢が戻って来るのを待っている。周りにいた冒険者達は当然、俺が大したことのなかったことに落胆して、それぞれの仕事へ戻っていった。
はぁ……結局俺のチート能力がなんなのか、もといそもそもチート能力なんて最初から無かったんじゃないのか、っつーことすら分からずじまいだったよな…クソッ……
俺がそう心の中で悪態つきながら、なんとなく周囲を見回していると、見覚えのある金髪女が目に入った。昨日あの金髪のチャラ男と一緒にいたギャルだ。冒険者なのだろうか。
見れば見るほど綺麗に肌が焼けてるよな……この世界って冒険者やってると、自然に日焼けしちまううのかな……日焼けサロンとか必要ねぇーじゃん…
そんなことを考えながら観察していると、偶然にも目が合った。
「うっわ、昨日人妻ナンパしてたゲス男じゃん……」
「いや、その言い草はないだろ……ってか言っとくけどアレはナンパじゃないからな? ただ飯をたかろうとしてただけで……」
「いや、十分最低じゃん…っていうか、昨日の今日でもう知り合いのつもりなの? そういうの、キモイんだけど、明らかに童貞キモ男の発想っていうか……」
ぇぇぇぇぇ……速攻で童貞だってバレてるんだけど……まぁでも……
「……おいおい、それよりいいのかぁ? そんなに厳しい態度取っちゃってさぁ……」
「え? 何? どういうこと? キモいんだけど! そうやっていきなり調子づいちゃうところとかが童貞っぽいって言ってんでしょうが……!」
おいおいコイツはキモいしか言えないようなボキャ貧なのかぁ?
そこで俺は、できる限り、気持ち悪くならないようにニヤニヤしながら顔を彼女に近づけてみる。
「……もし俺が、おまえのカレピッピの弱みを知ってるって聞いたら……信じるか?」
「はぁ! 何言ってんの!? マジきもい!!」
「えぇぇぇ! せっかく気持ち悪くならない程度に笑ったつもりだったのに!?」
「そもそもニヤニヤするのがダメなのよ! 何なの! アイツが何したっていうわけ! いつもはチャラそうに見えるかもしんないんだけど、アレでも根は真面目なんだかんね!」
んんんんんん!?
「いやいやいやいやいやいやいやいや!!! アイツが真面目!? いやぁないっすわぁぁ〜〜!! 百歩譲ったとしてもあり得ないね! なんてったってあいつ人の目の前でいきなりおっぱじめ………あ、いや、何でもない」
おっと、こんなところであの痴態を暴露しちまったら旨味がねぇ!
「はぁ? ケンカ売ってんの!? 私アンタより多分強いから!」
一触即発の……いや、もうだいぶ口論にはなってるが、そんな空気の中、俺たちを宥めようとレオナが入ってきた。
「ま、まぁまぁ……二人とも落ち着こう? ほら、受付のお姉さん戻ってきたよ? 二人に何があったか知らないけどさ……ていうか人の彼氏をそんなに悪く言う必要って……」
………いや、まぁレオナは気づいてないもんな…こいつの彼氏が誰なのか…
「あ、ほらほら、二人とも何やってんのよ! 今から私がステータスチェックするんだから、見ておきなさいよ!」
「あぁ…すまんな、シアン…」
どうやら受付嬢が戻ってきたようだな…チッ、今日はこのくらいにしといてやるか……
ん〜でも、シアンが水晶に手を置いたら、こいつのカラダが記録されちまうんだよな……クソッ、なんつーもん開発してんだよ、クソエロジジイめ……生きてたらいつかぶっ殺す……
シアンが石に手をかざす。すると、その石は穏やかに白く発光したのち、受付嬢が持ってきた紙にレーザーのようなものを飛ばしながらシアンのステータスを書き記し始める。
……あぁ…シアンのスリーサイズが…俺もまだ把握できてないのに…自分よりもシアンの体をしている奴が存在する、という感覚……くっ! この感じは……まさか……
「……寝取られ!?」
「いきなり何言い出してんのか知らないけど、多分違うと思うよ!」
「いいや、お前は何も分かっていないなぁ、レオナ! どこからがNTRと取れるか、なんて人によって全然違うんだぞ! どこからが浮気かの基準が人によりけりなのと何も変わらないからなぁ!」
「いやいやいやいや、浮気ならまだしも『寝取られ』の基準なんて一つしか無いよね!? 単純に『シたら』の話じゃん!」
「はぁぁぁ〜〜〜! そっちこそ分かってないっすわぁぁぁっ! いいかぁ!? 寝取られってのはなぁ!女側の気持ちが最終的にどっちにあるかが問題なんだよ! 」
「お・ん・な側!? はぁぁぁ! めちゃくちゃ前時代的だね! 寝取られるのが女とは限らないでしょ!」
「あぁん!? 揚げ足取りやがって……今はそんなことはどうだっていいだろ!? 」
「分かったよ! ……で!? 何!? 女側の気持ちがどう、とかそんなに重要!?」
「あぁそうだよ! いいかぁ!? 人によってはなぁ! 最終的に彼氏や夫とこれまでと変わらない生活をしながらもカラダは浮気相手にあって、妊娠したけど実は…………って状況の方がエロく感じる奴は山ほどいるんだ!」
「えぇぇぇぇぇ! もうそれただの性癖の話だよね!? っていうか何でそんなに普通にセクハラできんの!? 信じらんないんだけど!」
「もう、二人とも何やってんのよ!? 私のステータス解析とっくに終わってるんだけど!」
………おっと
いつのまにかシアンが話しかけてきていた。受付のお姉さんがステータスの書かれた紙を見て、目を見開いている。
「……す、すごい! 新人冒険者とは思えない能力値です……!」
……なに!? このポンコツが優秀!? そんなバカな……
「ふふっ……! 当然よ! なんてったって日頃からちょっとずつ魔法を使ってるんだもの! そこら辺の底辺冒険者、『ゴミ』達とはモノがちがうわよ!」
くっ……! コイツ! 今暗に俺とレオナをバカにしたな!? ちょっとぐらい魔法が使えるからって調子に乗りやがって……! グヘヘへへ…分からせてやる! 今夜こそは……!
「本当にすごい数値です!」
「えへへぇ〜、でしょでしょぉ〜? 私の魔力をナメないで頂戴っ!」
「凄い腕力ですね!」
「…………………?」
………ん?
「ものすごいムキムキじゃないですか!」
「!?!?!?!?!?」
………え?
「もしかして腹筋バッキバキなんじゃないですか!?」
「〜〜〜〜〜〜っっっっ!」
「えぇぇぇぇぇ! お前割れてんのか!? バッキバキなのか!? もしや8つにでも割れてたり………!? 」
「っ!? ち、ちがっ!?」
「いや、いいぞ! 恥ずかしがらなくても……俺は腹筋割れてる子も好きだからな!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!?」
「俺はどんな女の子でも大丈夫だぜ! なんなら女なら誰でもいいまである!」
「うわぁ……」
「「最ッッッッッッッッ低っっっっ!!!」」
おふぅ……口が滑った……あ、あとお姉さん? そのじわじわ引く感じが割と一番傷つくっていうか……
「あぁ、でもだからといって素直に前衛職を勧めるのはちょっと出来ないですね……」
「え? マジっすか?」
「ここにいる三人でパーティを組むのであれば、今のところ魔法を使えるのがシアンさんだけなので……回復役をしてもらった方が……」
「あーそうか…まぁしゃあねーよな…」
「そういう事なので今から武器を渡しますね! ちょっと待っててください!」
そう言って彼女は裏に引っ込んでいった。
……ふぅ〜やっとか…やっと俺たちの冒険が始まる……にしてもアレだな、腹が減った。そういえばまだ朝飯食ってないんだよな……
「なぁ二人とも。武器とか貰ったら先に飯行かね?」
「あ! 良いわね!」
「そういえば何にも食べてない……」
「あ、レオナも何も食べてなかったんだな」
「うん……あ、そうだ! 私の泊まってる宿の近くに安いけどおいしい喫茶店あるから行かない?」
「良いわね! それ」
「あ、もちろん俺金無いから奢り、な」
「「…………………ゴミ」」
うお、なんか段々直球になってきてないか?
レオナの目は死んでいて、まぶたが開き切っていない。シアンはそんな俺を見ていられないのか、俯いて、前髪で目元を隠してしまう。
…ふはは、なんか最近見慣れた光景になってきたな………まだ異世界生活二日目だけど……
「「(何で嬉しそうな顔してんの……)」」
「はぁーい、持ってきましたよ〜」
おっと、受付のお姉さんが戻ってきたみたいだな。
「それでは、こちらが初心者用の武器と、装備になります」
「え? 装備までついてくるんですか?」
「はい、まぁ、装備も国から補助金が下りるので……」
いや、太っ腹だなぁ、この国……国王マジ様々っていうか…
「あ、あと戦闘経験を増やして回復魔法を習得できるようになるまでは、こういうポーションを使ってください。今回だけは無料ですよ」
そう言って彼女は、中に透明な液体の入った、コルク詮で蓋のされた、試験管のような瓶を渡してきた。
「へー…でもできるだけ早く回復魔法が使えるようにならないと、やっぱり金銭的に良くないわよね……」
「うん…そうじゃないと誰かさんがすぐに奢れ奢れってうるさくなっちゃうし…」
「……いや結構根に持ってるな…てか、俺なんて見捨てれば良くない? 別に」
「…そ、それは違うと思うんだけどな……」
そう言ってレオナは頰を朱色に染めて顔をそらしてしまう。
……え、何これ……めっちゃチョロいんだけど…俺なんもしてねぇぞ……
「………(疑惑の目)」
「…………ん?」
「今なんかロクでもない評価を下された気が…」
「はは、気のせいっしょ……それにポーションなんて出来るだけケチればいい話…」
「あ、ちなみに消費期限はかなり短いので、出し惜しみせずに使用された方かいいですよ。腐ってくると色も臭いも変わるのですぐに分かると思いますから」
「えぇぇぇ……消費期限なんてあるんすか……」
「はい。高級なものになるとある程度保存ができる物もあったりしますよ」
「そうっすか……んじゃまぁさっさと行った方が良さそうですね」
「それじゃあ武器も貰ったし、行こっか」
「あ、その前に朝ご飯よね!」
俺たちはそうしてギルドを出た。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
レオナのおすすめの喫茶店までの道。
「なぁ、盗賊ってそんな普段着みたいな格好でいいのか?」
「………え? そりゃそうだよ、だって動きにくいでしょ?」
そう言うレオナは、Tシャツに、脛まで隠れるズボン、と肌の露出といえばせいぜい二の腕まで出ているくらいか。
えぇぇぇ……俺の想像してた盗賊と違うんだけど…
俺が悔しそうにチラチラ見ていると
「……ぇ、何? なんでそんな目でみてるの?」
「…いや、何でもない」
「えぇ? ホントに? なら良いんだけど……」
「いや…これはなんかあるわね…」
チッ……コイツ…いつもポンコツのくせになんでこういう時だけ…
「あ、ほら、着いたよ」
そう言われて正面を見ると、そこには喫茶店が。外観は木の色を残しているようで、なかなかに落ち着いている。かなりこじんまりした佇まいで、なかなかに通っぽい雰囲気を醸し出している。
「へぇー、結構まともな喫茶店ね。安いって言うからどんなボロいのかと思ってたわよ」
「あはは、まぁでも塗装してないのは多分お金が無いからだと思うよ…」
「ていうかそれあんだけボロいお前の家と比べてんじゃねぇよ……」
「しょうがないじゃない……っていうか、今日アンタが署に出頭してる間にオーナーが来て、解雇通知されたからもうあそこは私の家じゃないわよ」
「うわぁ…オーナー仕事早っ…」
そんなやり取りがありつつも、ずっと立ち止まってるわけにもいかないので、とりあえず入ってみる。入って左側には10席ほどの大きなカウンター。正面にはテーブル席が6つほど並んでいた。
「あ、あれ? なんか外から見た時とはだいぶ広くないか?」
「あぁ…それならマスターが昔実はかなりの冒険者だったって話でね、そういう魔法を使ってるんだって」
テーブルに着いた俺たちは、とりあえずメニューを開く。
「てかマスターってことはカフェにはあんまりないデケぇカウンターがあったりとかってもしや……」
「あーうん。そうだよ、ここ、夜はバーになっててさ、よく来るんだよね」
え? こいつ酒飲みに来るの? どう考えても未成年に見えるんだけど………ま、まさか、俺コイツより年下なのか!?
「ほら、早く注文しない? ほんっっっとにお腹減ってるんだから!」
「お、おう。そうだなぁ〜……うわ、なんだこれ、『本日のモンスター料理』って……てか高ぇな……」
「あーそれね、実はモンスターって食べると稀に特殊な能力が得られたりすることがあるから、高級食材でね」
「新鮮なモンスターじゃないと効果がないみたいだから、ここみたいに冒険者が店にいるとかじゃないと出せないのよ」
「っていうか今までこういう店にきたことなかったの?」
「あぁ、まぁな……」
いやぁ、やっとなんかファンタジーっぽい要素が………今異世界に来たんだなって実感すげぇ沸いてますわぁ……
俺は軽く感傷に浸りながらも、何か美味しそうなものはないか、メニューをパラパラめくる。
えーーなになにぃ〜? サンドウィッチにハンバーガー………へぇ…おかしいな…ここ異世界のくせに食文化に馴染みがあるぞ……もしやこれはあれか? 実は世界が違っても、味の好みや文化は似たようなものに収束していったりするのだろうか……お、なになにぃ〜? 朝限定メニューねぇ〜……いいじゃん。えぇぇぇ〜〜っとぉぉ〜〜…………
「「「………ブラジリアンワックス・コーヒー???」」」
………………………………………………いや、気のせいか? よ、読み間違えただけだよな? ハハハッ……ま、まさか、あの鼻の穴に突っ込んで、鼻毛を取ってスッキリしよう、とかいうやつじゃないよな? そうだ、そうに違いない。きっと他のメニューはまともなはず……
そう思い次のページを開いてみる。
「「……モーニング・スペシャル・ワールド・エンド…」」
「あら、これすごく美味しそうね!」
「「えぇぇぇぇぇぇぇ!?!? どこら辺が!?」」
「いやいや世界滅亡してんじゃん! ってかさっきからメニューおかしくないか!?」
「ブラジリアンワックスをコーヒーにぶち込むとか正気の沙汰じゃないよ!」
「え? そう? そんなの飲んでみなければわかんないじゃない。食わず嫌いは良くないわよ?」
「「いやいやいやいや、飲まなくても分かるから!!」」
っていうかこの世界の住人もブラジリアンワックス知ってんのかよ! 地球以外の転生者の仕業としか考えられないよな! 余計なことしやがって……!
「嘘………おかしい! 前はこんなメニューじゃ無かったのに!」
「ま、まぁでも、まともな料理もあるっぽいし良いんじゃねぇの……ほら、サンドウィッチとか……あ、アレ? よく見たら下の方に『こちらは現在取り扱っておりません』って書いて………」
「店員さ〜〜ん! 注文お願いしまぁ〜〜す!」
「はいはぁ〜い」
呼ばれてやってきたのは、栗色の髪を後ろでポニーテールにまとめた女性店員。その容姿はまるでいわゆる酒場の看板娘を彷彿とさせるようで……………というかギルドのお姉さんであった。
「あ、あれ? さっきもいましたよね? ギルドに」
「あらあら、さっきぶりですね。そうなんですよ、実は両方アルバイトで掛け持ちしてまして……」
「え? でもさっきはギルドにいたのになんで会わなかったのよ」
「あぁ、それはアレだよ、ここ、裏に武器屋があって同じ経営者だから、そっちからも来れるようになってるんだよね」
へー武器屋ねぇ…金に余裕があったら行ってみたいな……
「あ、注文でしたよね? ごめんなさいね? ダメな店員で…」
「あぁ、いや、そんなことないですよ」
「ね、ねぇ、途中でここに戻ってくるのもアレだし、もうここでお昼ご飯も済ませちゃわない?」
「あ、それ良いわね!」
「よし、そうと決まれば……あのー、量が多いメニューってどんなんがあります?」
笑顔で彼女は言った。
「『モーニング・スペシャル・ワールド・エンド』です!!!」
………………………………ん?
「『モーニング・特別な世界の終わり』です!」
「いやいやいやいやいや!! 訳せば良いとかいう問題じゃないから!!」
「あと微妙に訳せてないからな!?」
「あ、ちなみに現在キャンペーン中で、こちらをご注文くださいますと、『ブラジリアンワックス・コーヒー』が無料でついてきます!」
「えぇぇぇぇぇ!?」
レオナが顔を真っ青にして拒否反応を示す。
「あ、一杯じゃ足りませんでしたか? ちなみに今ならおかわり無料ですよ!」
「そういう問題じゃねぇよっ!!」
「いやいやいやいや、おかわりとか冗談じゃないよ!」
「ねぇねぇ! すごいじゃない! めちゃくちゃおトクよ! これにしましょうよ!」
「アホはちょっと黙ってろよ!!」
そんな俺たちの反応を見たウェイトレス姿のおねぇさんは、なぜか眉毛をピクピク動かしながら、俺たちに促してくる。
「あ、あのぅ〜………今日だけはこれ、2割引のお値段にするので……」
「す、すごいわよ! さらにお得に!?」
「「………………いりません」」
「あ、あの……であれば、半額でいいので……」
「うわぁぁ〜すごい太っ腹じゃない……私、軽く感動してるわ…」
「「……っっっ!!! い、いりません!!!」」
「……くっ! 何なの、あの新入りお坊っちゃま店長、こんなメニュー売れるわけないのにぃ…! …もう8割引でいいですよ……」
「「………わかりました。その値段でもう良いですよ………(憐れみの目)」」
「…………………」
ここまで安くなったのに騒ぎ立てないシアンを不思議に思って斜め向かいに座っている彼女を見ると…………
パァァァァァァァーーー…………
なんか目を輝かせて少女のような顔をしていらっしゃる。いや、少女だけど………っていうか、こいつこんなに金にがめつかったのか……いや、まぁ当然っちゃ当然だよな。なんせ、これまでやってきた仕事は全く稼げなかったんだからな。そう考えたら、今までほんと、どうやって生活してきたんだよ……
「というわけで、モーニング・スペシャル・ワールド・エンドを3つでよろしかったですね!?」
「あ、はい、もうそれで良いっすよ」
「ちなみにここは前払いなので、先に料金いただきますね! 『モーニング・特別な世界の終わり』を3点、8割引きで………
……合計、2400EDです!!!!!!!!!!」
………………んん!? 安………い?
「はぁぁぁ!? 一人800EDで、元値は五倍だから、本来は一人4000EDってことよね!?」
「………!?!? なにぃ!? いくら何でもそれは無いんじゃ!? てかなんでシアンは金の計算だけ異常に早いんだよっ!!!!」
「じょ、冗談ですよね!?」
「…………あっっ!? そ、そうですね! 間違えました!」
すると、おねぇさんは焦ったようにポニーテールをフリフリさせながら、慌てて訂正した。
「一桁間違えてました! 合計24000EDです! 本来は、一人当たり4万EDですねっっっっっ!!!」
いや、いい加減にしろよっ!!!
俺たちは、結局、店長本人による評判が良くなかったという、取り扱われていないサンドウィッチは諦めて、ハンバーガーで安全策を取ることにした。
うへぇ……なぜこんなにも内容が薄いのに、字数だけは多いんだ……!?
ところで、最後の「いや、いい加減にしろよっ!!」の辺り、芸人のネタ終わりみたいですね、今気づきましたけど。「もうええわ。『どうも、ありがとうございました〜』」とかだったらモロに芸人ですよね。関西弁ですし。ってか、関西弁といえば、標準語圏の人たちってどこまでハードな関西弁だったら違和感なく受け入れられるんでしょう………
あぁぁぁっぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜関西弁で文章書きたいわぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜
どうにか出来へんやろか……………あ、超名案!! …………ふふふ。
よっしゃ、ちょっとずつ関西弁の量増やして、読者を調教したったろ………