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星降る夜に

作者: 石田 幸
掲載日:2019/11/20

Hへ捧ぐ。

 降るような星空をひとり見上げていた。


 山奥のコテージ。

 旅先ではいつも眠りが浅い。


 午前三時。もう眠れなくて、カーディガンを羽織り、外に出た。


 灯火のない山奥の群青色の空に広がる満天の星。

「ふぅ。」と思わず知らず溜息ためいきが漏れる。


 今は亡きあの人の面影が淡くよみがえる。


 あまりにも悲しいあの人の道行きを想うと口唇くちびるが震える。


「あの時、ああ言えばよかったのか」

「もっと、優しくしてあげたら」

 

 悔いる想いは尽きることなく、私をさいなむけれど、今、この降るような星空のもとで、自分はなんてちっぽけなんだろう。


 あれこれ思い悩み、繰り言を言うのは浅はかで、おこがましい。


ーただただ、今は遠くなってしまったあの人の安らかなることをー


 私は満天の星空に祈り、静かに目を閉じた。

降るような星空の映像を観て、久しぶりにすっと頭に浮かんだ小品です。美しく静謐な情景と今は亡き人への想いを感じていただければと思います。


亡き人への想いを引きずる人々へ。


ご一読ありがとうございました。


石田 幸

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