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voice  作者: 立花葵
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5/5

空の中

飛行場に到着し、手続きを完了させた一行。


パイロット「お兄ちゃんたち、旅行かい?」


雪「いえ、出張です」


パイロット「出張ったって、まだ若いのに働いてるのか?えらいなあ」


ブロロとエンジンがかかり、春たちは、飛行機へと乗り込む。


シロ・ロク〖 ほんとにあるのー?あやしいなあ〗


春「黙って乗ってろ」


パイロット「なんか言ったかい?」


雪「あ、いえ気にしないでください。」


パイロット「じゃあ出発するよ」


飛び立ってから15分後ー。


春「おい、雪そろそろあれ、やらないと」


雪「そうだね」


春と雪はパイロットに聞こえない程度の声で、話してる。


パイロット「今日は天気がいいから、景色もいいだろ?」


春「そうっすね」


適当に返し、雪と手を握る。


春・雪「「ミラージュ」」


そう唱えると飛行機は2機になった。


と言っても、片方は魔術で作られた春たちしか乗っていない機体だが。


本物を見送り、春と雪はミラージュで作った機体を操縦していた。


春「あんまりこれに力もってかれたくないから最短でいけるといいんだけどなあ」


雪「そうだね、2人合わせて力なくなっちゃったら困るからね。」


そう言うと、雪は、カバンからペンと用紙を取り出しブルー古書堂と書きはじめた。


雪「汝、要すものに導きを与えたまえ。」


雪が唱えると、ブルー古書堂の文字が光浮かびあがり、青い光が真っ直ぐ伸びている。


春「やっぱりこのまま飛べばいいんか?」


雪「そうみたい。近づくとこの色が濃くなって来るはずだから、ひたすら真っ直ぐってとこだね」


光を元に飛び続ける春。辺りは、雲ひとつない青空が広がる。


春「雲もないのに、ほんとにあるのかね〜。」


雪「そもそも空にあるのか半信半疑だよ」


シロ・ロク〖 ねえねえ、空お散歩してきていい?〗


春・雪「「だめ」」


シロ・ロク〖 けちんぼ!〗


そんなやりとりをしている間に、光が濃くなっていることに気がつく雪。


雪「あ、光が濃くなってきた」


春「まじかよ!」


先程まで水色だった光がいつの間にか、ブルーになっていた。


目の前には、やはり雲ひとつない空が広がる。


春「アイズ」


春は、メガネに唱えそのメガネをかけた。


メガネから見た光景に口が開く。


雪「春、口開けっぱだよ。アイズで何か見えたんでしょ」


春「雪・・・すっげーぞ!!お前も見てみろよ!」


雪「んーと・・・」


雪もメガネをかける。と、そこに広がってたのは白い雲とその上に立つ建物。ブルー古書堂の看板が見えたでは無いか。


雪「あった・・・ほんとに空にあった・・・」


雪も開いた口が塞がらない様子だった。


シロ・ロク〖 ぼくたちにも見せてよー!〗


春「お前らじゃ見えねーよ、すぐ着くから」


加速の呪文を唱える春。しがみつくシロとロク。


シロ・ロク〖ちょっと春!Gがかかりすぎてる! 〗


春「ブルー古書堂までもうすぐだ、ひゃっほーい!」


シロとロクのことなんか気にせず、春は空に浮かぶ古書堂ということだけでテンションが上がっていた。


雪「さあ、もうすぐ着くよ。このままだと雲突き抜けちゃうから、ベールかけないと」


というと、内側から機体に触り「ロック」と唱える雪。


飛行機は、雲の上に着陸した。


雪「春、ブーツにロックかけておいたからこれ履いて。じゃないと雲突き破るよ」


春「おうサンキュー!」


雪「シロとロクは飛んでおいて、猫用のブーツないんだよ」


シロ・ロク〖 わかったー!〗


恐る恐る席から外へと出る春。


雲は絨毯のようだった。まるでおとぎ話の世界のような光景ー。ブルー古書堂。


春「・・・すっげー!!なにここおもしれぇ!!雲歩いてんぞ、雪!」


雪「それはロックがかかったブーツのおかげ・・・でもほんとにあったんだね、空に古書堂。」


春と雪がはしゃいでたその時ー。


「侵入者〜侵入者〜」


けたたましいサイレン音と共に、機械音が流れる。


春「は?なんだよ俺たち侵略者扱いか?」


雪「まあたしかに侵略者状態だよね、このままじゃ」


春「支部から来ました第3隊の春と申しますー!侵略者ではありませんー!どなたか聞こえてますかー!」


シロ・ロク〖 ちょっとぼくたち見てくるよ〗


そういうと、裏手に回る2匹。真正面の扉には誰もいない。鳴り響くサイレン音。


誰かいないのか?


苛立ち始めた時、裏手から悲鳴が聞こえてきた。


シロ・ロク〖 にゃー!!!〗


急いで声が聞こえる方に回る春と雪。


春「おい!大丈夫か!・・・あれ?」


そこには、シロとロクのほかに猫が1匹いた。


雪「猫がもう1匹・・・野良かな?」


春「ばか、ただの野良なわけねえだろ!こんな空に!」


??「そ、そそうだよ、春にぃ、雪にぃ」


雪「君は・・・蓮!」


影から顔を覗かせた小柄な少女。どうやら春と雪とは知り合いのようだ。


春「蓮!?なんでお前ここにいんだよ。ていうか、古書堂の主人は?」


蓮「あ、あの、その、、わたしなの」


雪「え?」


蓮「わたしが今は臨時のブルー古書堂の主人なの! 」


春「なんでだよわけわかんねえ、この前まで支部にいたじゃねえか。なんで・・・あ、さてはお前何かやらかして飛ばされたんか」


蓮「ち、違うもん・・・色々複雑で・・・これ以上は春にぃと雪にぃにも言えないの。シロとロクが突然現れてびっくりしちゃって・・・」


シロ・ロク〖 それはこっちのセリフだにゃ〜。影に隠れてるから覗いたら蓮でびっくりしたじゃないか〗


蓮「と、とりあえずお店に入って」


蓮に促されるまま、店へと入る春と雪と2匹。


何か悪い予感が当たらなければいいが・・・春と雪はそう思っていた。


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