ダンジョンボックス
うーん。投稿でっす
突然だが話をしよう。あれは今から三六……まぁ、言うほど前ではないがこのガイアにダンジョンが発生した十数年後の話だ。
その時は今よりももっと殺伐としていて世紀末と錯角するまであった。血で血を拭い、むしろ血を求めるまであったそんな時代。……んまぁ、説明するのは色々と時間がかかるので手短に話すと王族が持つ力はダンジョンを生成するエネルギーを一ヶ所に集める、という力だ。その力を使って次に生成されるダンジョンの場所を決めることができた。なんやあってそんなホイホイ生成するものでもないし、自分から進んで死にに行く奴は限られてくる。だが、生成しないと勝手に作られるし作られなかった場合今まで溜まったエネルギーのせいで今までのダンジョンとは比べ物にならない凶悪なモノになってしまう。
そんな訳で出来たのが「ダンジョンボックス」の異次元ボックスだ。
ダンジョンが生成されることによって質量の概念を失った地球基、ガイアはダンジョンの空間は別次元とされていた。土地を買って申請すればその場所にダンジョンを生成してもらえる。そこを封鎖し、比較的モンスターの少ない上層部にアイテムを仕舞い、生成するときに生まれる「ダンジョン石」なるものを使うと離れた場所でも仕舞ったアイテムを取り出せることができる。アイテムを覚えてないと取り出せないのが難点だが取り出し可能なモノは今、今日に至るまでの発展の足掛けになっていた。因みにダンジョン所有とダンジョンボックス所有は金を出せば両方所有することができる。仕舞ったダンジョン以外では取り出しは所有している者の許可が必要だが……ショッピングモール等の商品を取り扱っている店舗は基本的にダンジョンボックスが使用できない仕様になっている。原理は知らん。
因みにユーサクはダンジョン保有、ツキヤノはダンジョンボックスを保有している。二つ目は圧倒的な月額量と基本使用料と金の暴力で持てない。イカサマやっ!
「んで、そのモンスターが上位種なんだっけか? しかも面倒くさい鬼とか……俺に言えって何度も言っただろ……?」
「ポップの文句は俺に言うんじゃねぇよ……つか、誰もいないんだし口調戻さないのか?」
ダンジョン一階層半分程歩いたところでツキヤノに白い目を向けられながら言われた。そんなバイト先の先輩みたいな事言うんじゃねぇよ……アレだわ。記憶が再生してしまうわ。……上手くなかったが。
答えにくいことを言われた場合には話を逸らすのが一番良い戦法だ、そう本能的に察した。
だが、それも呆気なく、白い目を通り越して軽蔑した目でこちらを見てきて「……商業柄このまんまの方が良いんだよ。ほら、壁に耳あり障子にメアリーってな」と、小ボケを織り混ぜてくるがそのせいで襲われちゃってるんだよなぁ……いや、詳細は知らないけどな?
まだ、鬼がいた場所まで時間がかかりそうだ。