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剣士ユーサクのダンジョン戦記  作者: 椎木唯
1章 王女様じゃねぇか編
18/24

アイラブユー

……←これはスマホで書いたせいなのでご了承を

 第一日本地区。基本的には一つのショッピングモールが国単位になってしまったと考えれば話は早いだろう。どちらかと言えば商業地区と言う感じだな。

 基本的には様々な周辺地区の名産品をお取り寄せして産業化しているのだがその反面、店を出している人には多大な税が掛かるとか掛からないとか。これから商売を始めようって人は移動しながら無許可でやった方が稼げるね! 違法だし、見付かったら有無を言わさずに未開拓のダンジョンにピッケル一つで送り出されるけどお金は正義だよね!

 と、ざっと説明しながら歩いていると目的の場所についた。周りの景色が石材丸出しの家屋なのだが一つだけ回りと違って真っ白に塗りたくった建物があった。そう、これこそが市役所なのだ。分かりやすさ、使いやすさを度外視した設計、耐久性にステータスを全フリした結果がこの市役所、もとい豆腐なのだ。

「よし、んじゃ行ってくるけど先に帰ってるとか無しだぜ? やったら大声でユーサクのありそうでない嘘を叫ぶからな」

「風評被害ついでに近所迷惑で警察に捕まってしまえ……つか、俺だけ先に帰ったら買った荷物どうすんだよ」

「えっと、俺って完全に荷物係なん?」

「んじゃ、終わったらここ集合でいいよな。通信手段が全くないから……ああ、四時集合の方がいいか」

「無視すんなよ……ああ、りょーかいまたなー」


 四角形の白ペンキの建物の正面がウェン、と自動ドアが開きのみ込まれるように中に入っていった。見た目を度外視しているくせに内装は凝ってるんだよな。流石にドリンクバーが置いてあったのを見たときはファミレスかよと、突っ込んだのだが「まぁ、近いようなもんですよ」と、ニコニコしながら役員に言われたのは良い思い出だな。それから一度も行ってないけど。

 手に持ったジャラジャラと硬貨が擦れる音を贅沢にならしながら肩に担ぎ直す。こんなに発展してんのに外装と合わせようぜ的なノリで銀行で引き下ろしたお金を麻袋に入れるのは本当にやめてほしい。通貨も円じゃなく公共通貨“KK”と略されるようになってから全てが硬貨になったのもそのせいだろう。ロマンが入りすぎてんぜこんにゃろう。


 市役所前でたむろっていても何の意味もないので人混みに流されるように移動する。人混みで金背負ってるってバカじゃね? むしろ頭ん中に硬貨でも詰まってんじゃないの? とはならないが何の問題はない。麻袋を背負っている時点で冒険者、ダンジョンを攻略している人間と捉えられるので基本的に何かイタズラをしたら昇天一点なのでよっぽどの金欠でない限りは大丈夫なのだ。恐らく多分。人混みに流され、掻き回され、色々なっていると目的の場所に辿り着いた。目的地とは家具屋だったのだ! 流石第一日本地区最大手の家具屋……の隣に建っていたのだが廃業に追い込まれ瀕死のところで人通りの少ない場所でしみじみと細々とっやっているのが“フユキ第一店”なのだ。第一と言うか第一しかないので支店を作るのが目標だと言っていた。

「入んのが憂鬱なんだよな……」


 フユキ第一店の下に薄い字で“アイラブユー、私のツキヤノ”と新たに書き足されているのを発見し、今世紀分の運気を全て捻り出す勢いで溜め息をつく。看板に愛のメッセージ、もとい脅迫状を書いてんじゃねぇよ……。

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