穴堀さん
懸念すべき点は俺が持ってきたリュックに入っている回復薬を使われてないかだ。
基本的に上位種は頭が良い。まぁ、流石に出血多量で死んでいると思うけどな。うん。
そんなことを考えながら進んでいく。一人ではないため、進むスピードが少し遅いが完全に俺のせいだろう。だって、ノンストップで千葉県一周する奴いるか?
「最初っから言えば良かった話だな」
「いや、だからあれは不可抗力何だって……つか、どんだけ俺を求めてるんだよ男つくって安定した暮らし送ってろよ」
「おう、心遣いサンキューな?」
ふんわりと流された事実はさておき、軽く「寝たことを一生笑ってやろうか?」と、考えを振り払い以前上位種の鬼がいた階層に入った。
先日入った雰囲気とは一転した様子はなく、無愛想に可愛さの欠片もない大理石っぽい道があった。というより道がダンジョンまである。
「……ふーん?」
「いないな……つか、赤黒いか溜まりがあるように見えるんだけどたぶん気のせいだよな」
「現実逃避……だなぁ。普通に言った通りになっていて殴りたい気分だな」
それは本当に勘弁。
というより、完全に先日入った感じとは全く違う点があって泣きそうだ。血が固まったのは戦闘でって可能性もあるが入り口付近に置いてあったリュックがなくなっている時点で嫌な予感は的中していた。泣きそうだ。むしろ半泣き状態なのだが大人(仮)の意地で耐えているが……まぁ、耐えているね。うん。運が良いのは俺が持ってきた回復薬だけでは足りなかったようで固まった血痕があり、それを辿っていけば会える感じが唯一の救いだった。
「確かにユーサクのダンジョンって……」
「ああ、完全な一直線、むしろ俺の心が体現して……うん、今のナシな? 直線だからほぼ障害物はないな。穴ボコとかは結構あるけど」
「ってことは?」
「「完全にここにいるよなぁ……」」
進んでから数十分後、道端にコロコロと小石が転がっているのが目に入っていきその元凶とも言える謎の穴を見つけた。少し、話は変わるがダンジョンを形成する素材、石材などが主だがその殆どが異常な硬度をもっている。その為採取するためには特殊な機械が必要なのだが……ダンジョンも流石に己を形成するブツを採取されるとは思ってなかっただろうな。採取って言って良いか謎だけど。
んで、まぁ、最終的には話が変わる変わる詐欺になってしまうんだけどな。最初の説明と繋がるんだけど何が言いたいかというと特殊な機械無しで壁をぶち破るコイツはヤベェ……凄くヤベェ。うん。あれだ、例えるなら……ほら、えっと……な? いや、中にいるとは限らないんだけどね?




