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消去される過去


「本気で言ってるのか!?そんなことしたらお前のことを知るやつは――」


「誰もいなくなるだろうな。それを望んでのことだ。」



そして龍二は先の出来事を慧音に話す。



「それで、お前を知ってるのは外の世界のお前を知ってるやつのみになる……」


「ああ。あとは俺が誰とも関わらないようにすれば、守る者はいない。一人でいられる。」


「多分、その考えは不可能に近いですわ。」



慧音でも、龍二でもない声が突然部屋に響き渡る。

刹那、二人の間にスキマが現れ、中から八雲紫が出てきた。



「ハロー龍二。元気してる系かしら?」


「……なら、嫌われ者になるまでだ。」


「それも無理よ。どうせなら、努力した方が早いですわ。」



紫がそう言うと、龍二はふぅっとため息をつく。



「それにしても解せないわ……何故貴方がそこまで一人にこだわるのか。」


「………一人の方が気楽だ。誰も守る必要がない。」



龍二がそう答えると、紫は小さく微笑む。

眉間にしわをよせて龍二は喧嘩腰のように聞いた。



「何がおかしい。」


「そうやって一人で背負おうとしてるところが。でも、嫌いじゃないわ。」


「…………」



むっとなってる龍二を紫はじっと見て、そして扇子を龍二の方向へ向ける。



「決めたわ。今日から貴方私のところで住みなさい。」


「はぁ!?なんでそうなるんだよ?」


「面白いから。それに、貴方という重要な人材を捨てるわけにはいかない。」



突然、真剣な表情になる紫だがそれでも龍二は納得がいかなかった。



「安心しなさい。私の場所にいてくれれば良いだけだから。貴方を必ず守ってみせるわ。」


「…………」



龍二は紫の瞳を見て、そして考えていた。

何故ならそれはまるで自分がなりたかったような存在そのものだったからだ。



(確かにこの人は強い。そして人が良さすぎる……もし、この人の下にいたら俺も………)



龍二はそう考え、答えた。



「わかった。アンタについていく。」


「ホント?」


「ただし、条件がある。俺はあくまでもアンタを参考にするつもりだ。だからアンタが少しでも弱いと思える箇所があったら俺はアンタから離れる。」


「別に良いわよ。私に勝てないものはありませんわ。」



微笑みながら紫はそう言う。



「で、結局何人が覚えていればいいようにすればいいんだ?」



と、今まで黙っていた慧音が聞く。



「そうね……私と霊夢と魔理沙ね。」


「わかった。」


「あんたに関してはわかるが他の二人は何故だ?」


「貴方の修行に付き合ってもらうのよ。一人は努力家だしもう一人はサボってるからついでにその人本人も鍛えれるし。」


「さて、着いたわ。」



慧音に頼んだあと、龍二は紫と一緒にすぐに屋敷に来た。



「八雲屋敷……」


「そうよ~ここがこれから貴方の家。でも今日は自分の部屋でじっとしてもらうわ。他の人と話してると明日デジャブが起きてめんどくさいわよ。」


「わかった。」



紫に言われた通りその日はじっと部屋にいた。

意外と時間は早く経つようでいつの間にか夜になっていた。


ぼーっと外を見てると、後ろから襖が開く音がする。



「いよいよね。」



勿論、入ってきたのは紫だ。



「……ああ。」


「まさか、今になって後悔してるのかしら?」


「そんなことはない。けど、いつあいつが動き出すのか心配なんだ。殺すとか言ったけど、ホントは闘いたくない……」


「闘いたくないって……東條雪菜とかしら?」



紫の問いに龍二はうなずいた。



「明確な理由はわからない。甘いのもわかってる。けど闘いたくないんだ……」


「ふふ。確かに甘いわ……でもどちらかというと甘酸っぱいですわ。」



微笑みながら言う紫の目は龍二を暖かく見てたが、なんか気味が悪い感じだった。



「………まあとにかく、明日から考える。」(迷うことがあっても、最悪の場合を考えて、俺は絶対に強くなる。)



心の中で龍二はそう決心した。

……はい、というわけで、高校生の頃書いた黒歴史小説はここで一区切りです。

所謂第一部完、ってやつです。


もちろんこの先の話もあります。

気力が回復次第、投稿しますので、その時はぜひともよろしくお願いいたします。


ここまで読んでいただき、有難うございました。


 にいなでした!!

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