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再会


「龍二ー早苗帰って来た?」



諏訪子は龍二に聞く。龍二は首を横にふった。



「いや、まだだな…」


「遅いなあ……買い物でこんなに遅れるものかな?」


「どっかで喋ってるんじゃないのか?」


「そんなおばさんくさいこと早苗はしないよ。」



諏訪子は言った。

神奈子が突然提案をだす。



「なら、龍二が探しにいけば良いんじゃないのか?」


「俺が?」


「私達も行きたいが生憎神様だからな。外に出ることはなかなか出来ないんだよ。」


(つまり面倒臭いのか。)



龍二は心の中でそう思ったが口にはださなかった。



「仕方ない。行ってくるよ。」


「ああ。頼んだよ。」



龍二は守矢神社を出て一人へ行った。



「とりあえず情報収集か……」



人里に着いた龍二は辺りを見回して言った。

すると何処か見覚えのある姿が目に入る。



(あいつは…?)



龍二はその者を追っていく。しかし、途中で見失ってしまったようだ。



(仕方ない…多分見間違いだなきっと……あいつとはもう4年も会ってないし。)



そう考え、情報収集に取り掛かった。



「早苗知りませんか?」


「今日は来てないな……」


「そうですか…有難うございました。」


「良いってことよ。見付けたら探してるって言っておくよ。」



八百屋にはいないみたいだ。他にも魚屋や道具屋にも尋ねてみたが、どこにも来てないらしい。


「何処に行った…?」



知っている場所を一通り見たが結局早苗は見つからなかった。

考えながら歩くと、だんだん騒がしくなる。

前を見ると人が集まっていた。



(見世物でもやってるのか?)



龍二はそう思い、そこへ行ってみる。

しかしそこでは見世物はやっていなかった。



「くっ………」


「おいおい、まだやる気か?」



中心には黒いシャツに茶髪の男性と早苗がいた。



「!?」



龍二は気づくとすぐに駆け寄り早苗を見る。


遅くなった理由はおそらくこの男性となにかしていたからだろう。


彼はそう考え、男性を睨む。



「あんたがやったのか?」


「俺以外に誰がいる?」



男性はどや顔でそう言った。



「まあホントはお前が目当てだったんだがな。そいつに居場所を尋ねて目的を行ったら襲い掛かってきたんだぜ?悪いのはその女だ。」


「何のようだ。」



龍二は睨んだまま聞く。男性はすっと構え―



「お前を殺す。」



龍二に真っ先に近付き腹に拳を入れる。

何も抵抗出来ないまま、龍二は吹き飛ばされる。



「ぐっ……」


「やるからには派手にやりたいからな…ここじゃ狭い。外へ行くぞ。」


「くっ……!」



人込みをぬけていく男性のあとを龍二は必死に追う。

人里から近い森まで来ると、男性は立ち止まった。



「そういえばまだ挨拶してなかったな……久しぶりだな、旧友藤崎龍二。」


「…………まさか?」



振り返った男をじっと見て龍二は心当たりにある人物を見付けた。



「ああ。俺は死んで幻想郷に来た。そして力をつけ、いずれはお前を殺そうかと思った。だがまさかこっちに来てくれるとはな………」


「死んでいたとはな…勇樹。」



龍二は男性の名前を言った。

男性はにやっと笑みを浮かべ、刀を具現化する。



「お前も…すぐに仲間にしてやるよ!!」



勇樹は刀で襲い掛かる。

龍二はすぐに青龍剣を持ち、刀を抑えた。



「ぐっ………」


「どうした?その程度か?」



勇樹はさらに力をいれて、龍二を押し出す。

龍二はすぐに左に逃げる。そして勇樹にむかって横に剣をふった。


しかしお見通しだったように勇樹は避けられた。軽く舌打ちしたあと、剣を縦に大きく振り下ろし、そこから弾幕を放った。



「弾幕が張れるようになったのか?たいしたものだ。」


「………何故早苗をやる理由があった?」


「そういえば、靈奈や他の奴らは元気か?」


「質問してるのはこっちだ。」



吐き捨てるように龍二は言う。睨み目で、剣の先を勇樹に向けながら。



「まあ落ち着け…せっかくの再会なんだからなぁ?そんなに俺と会うのが嫌だったか?」


「いいから質問に答えろ!!」



そう言うと、勇樹は真顔になりため息をついた。



「言っただろ?あいつに事情を話したら仕掛けてきたんだ。」


「その事情が俺を殺す……」


「まあ、あの女を殺したらそれはそれで構わないがな。」



勇樹が軽く笑いながらそう言うと、龍二は目を細くした。



「なんだ?『そんなこと絶対にさせない』とでも言うのか?弱いやつでもそんなことを思うのか……」



さらに、笑いながら彼は言う。

龍二は歯を食いしばり青龍剣を構えた。



「やってみなきゃ……わからないだろ!!」


「………威勢だけはいいな。来いよ、どんな弾もクリアに避けきってやる。」



龍二は弾幕を撃ち始める。勇樹は余裕の表情で避ける。そして彼も弾を撃ちはじめた。

それぞれ相手の弾を避けながら自分の弾を撃つ。互いの弾幕が交差してるなか、龍二はスペルカードを取り出す。



「【弾符:夢想羽織】!!」



宣言をすると龍二を中心に弾が四方八方に放たれる。勇樹はそれを難無く避ける。



「甘いな……【岩符:ロックボム】。」



勇樹も宣言をする。

勇樹の周りに岩が浮かび、それがしばらく勇樹の周りを回ったあと、龍二の方にいった。


スピードが遅い為、龍二は難無く避けることが出来たしかし。



「まだ終わってない……」


「何!?」



後ろで岩同士がぶつかると、岩は破裂して再び龍二にむかって飛んできた。



「くっ…!」


「挟み撃ちだ……」


「しまっ───」



気がついたときには既に遅く、勇樹は龍二にむかって弾を何度も撃った。

龍二は必死に避けるが、結局弾に当たってしまった。

負けた龍二は俯せで倒れてる。

勇樹は彼に近付いて見下ろし笑いながら言う。



「その程度か……それじゃあなにも守れないぜ?あの時みたいにな……」


「!?」



あの時……龍二が連想するのはひとつしかなかった。



「倒したのは良いが怒りと妖力を扱い慣れてなかったせいで暴走。靈奈に止められたが自分の暴走で靈奈もまた重傷を負おう………結局は無力ってことだろ?」



掘り出されたくなかった記憶を掘り出され、そしてなにも言えないことに怒りが込み上げてくる。

龍二は無理に動こうとするが体がいうことをきかない。



「しばらくそのままでいろ。弾幕といえど岩だからな。多分そのうち里のやつらが来るだろう。俺はもう帰るか……」


「待て!?」


「次会ったときは、もっとやり甲斐があるように強くなってるんだな……」



勇樹はそう言うとその場から立ち去った。


俯せでしばらくの間いると、遠くから女性の声がする。



「おーい!!どこにいる!?」



その声はだんだん大きくなり、声の主も龍二に気づいた。



「大丈夫か!?いや、重傷だな……すぐに八意先生を呼んでくれ。」


「あいよ。先生。」



近くにいた男性はそう言い急いで飛んでいった。

彼女は龍二に話しかける。



「もう少し、じっとしてろよ。」


「ああ……なんでここらへんにいるってわかったんだ?」


「里の住人が知らせてくれたらしい。無力だから助けられなかったからほかに出来ることをしたみたいだ。」


「いや、十分助かった……礼を言っといてくれ。」


「患者はどこかしら?」


「こちらです。」



白銀の髪…八意永琳は男性に聞く。

男性は丁寧に答えながら患者…龍二の場所へ案内した。そこには俯せから仰向けにかわって倒れている龍二がいた。



「なにかに当たったようね…」


「岩の弾幕に……」


「岩?岩の弾幕なんてあるのかしら?」



永琳は龍二の言葉に少し驚いたが、すぐに応急処置を始める。



「普通生きてないわよ。弾幕とはいっても岩にあたるなんて……貴方強いわね。」



応急処置をしながら彼女がそう話すと龍二は小さくため息をついて首を横にふる。



「弱いですよ……昔も、今も。無力のままです……」


(………………なにか訳ありってことね。)「一応、応急処置は終わったわ。けど今から私の診療所に行くわよ。そこの貴方、彼を持っていってくれるかしら?」


「了解だ。」



男は龍二を背中におんぶして永琳と一緒に診療所へ行った。

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