第八話 お告げのチェリー
夢…最近はもう夢の中で起きてるような妙な感覚には慣れてしまった。ただこのような状態ー夢の中の人と話している事は初めてだ。
「こんにちは。いえ、夜だからこんばんはかしら?」
「単刀直入に聞きますが、あなたは誰でしょう?」
「私の名前を知ってどうするの?まぁ、チェリーとでも呼んで頂戴。今日までお願いがあって接続を試みてたんだけど成功してよかったわ。」
「お願いってなんです?」
「この島の魔力を利用して禁じられた書の魔法を発動しようとしている人がいるみたいなの。それを止めて。」
「禁じられた書の魔法?禁じられた書は破棄されたはずじゃ?」
「そんなの写しとけば簡単よ。」
「それに何故そんな事が分かるんです?」
「予知と言えばいいのかしら?たまに見えてしまうの。」
「でも予知なら変えられないのでは?」
「予知は予知されていない未来という物を知る事ができるのよ。予知された時点でその通りにはならないわよ。多少の誤差が生じるわ。」
「難しい…まぁわかりました。その魔法を使わせないように犯人をさがせばいいんですね?」
「そうね。発動しないならどのようなやり方でも構わないわ。こっちでもわかったことがあったらまた夢で。」
視界がくもっていった。