第七話 力を持ちし者
やれやれと椅子に座る。ありがたい事に出席番号では離れているので安心。
なかなか先生がこないと思っていると男性が入ってきた。先生だろうか?見憶えがある。一瞬目があったような気がした。
「みんな。こんにちは。担任の葛木光輝です。でこっちが助手の」
「美濃部楓花といいます。よろしく。」
質問コーナーが開かれていたが既視感でそれどころじゃなかった。
何故か月香も真剣な顔をして動いていなかった。
「さようなら」
初日の授業が終わって帰るかなと思って月香を呼びにいくと…先生がいた。
「久しぶり。」先生が気づいて声をかけてくる。
「どうかしたのか?」
「この人、魔検6段よ。凄いわ…」
どうやら質問をしていたらしい。
「ところで久しぶりってどういう事でしょうか?」
「ほら、夢の中で話しただろ。君の力を必要としているんだよ。」
夢?夢…ゆめ…ああ。春休みに見た妙な夢。そういえばこの人がいた。
「で?どうして俺の力が必要なんですか?」
「君は魔力が足りない代わりに半端じゃない知識をもってるだろ。」
たしかに魔力が低い分、知識は凄いある。
「花々が枯れたんだ。まずい事になるかもしれないからね…」
花々が奇跡の象徴とか月香が言っていたきがする。やな予感が不快感を伴って襲って来た。なんか異界が形成された感じ…でもそれはすぐに止み何事もなかったように感じた。