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第五話 始まりの夢
ふわふわとした浮遊感につつまれる。だんだんと視界がはっきりしてくる。桜の木にこしをかけた男の人が話しかけてきた。
「こんばんは。君と会えること楽しみだよ。」
まわりの風景にノイズが入る。
「君のちか…が必要……だ。」
視界が真っ白になった。
何だったんだ?
夢なのにいままで起きていたみたいな感覚。いまいち眠気がとれなかった。抱き枕にしがみついて寝ようとすると…ん?抱き枕?そんなもの家には無いはず…
月香が気持ち良さそうに寝ていた。春休みの途中だし僕ももう少し寝ようかな…
案外眠気は早くやってきた。