4/56
第三話 卒業祭当日
ついに卒業祭の日が来た。昨日の惨状からして開始の13時までにどうにかしないといけない。頭が痛かった。
「はぁ…」
教室を見て驚いた。色鮮やかに飾られたイルミネーション。いつの間にか凄いものができていた。
「いったい誰が…」
「私も驚いたけどあの子の魔法よ。」
委員長が言った。
「そんな…馬鹿な。」
こんな大規模な魔法なんて限られているのに。魔法能力検定でも4段くらい必要だ。魔法能力検定というのは魔法使いの検定試験、魔法の技能をはかる検定だ。決してそれで全てが決まるわけでは無いが。でも教室ごと『改変』するのは並大抵の魔力じゃできない。それをしたという事は…この人の存在は未知数だと思った。
「これより卒業祭を開催します!」
卒業式で暗くなっていた雰囲気が変わり騒がしくなった。月香のおかげで大変な事になるのはお決まりになりつつあった。まだ転校して一ヶ月だと言うのに…なので早々と逃げようとしたのだが、落とし穴にはまった。というより歩いていたら落とし穴が出来たのだ…頭を打ちつけたのか視界がぼんやりしてくる。そのまま視界は暗闇に閉ざされた。