第二話 卒業祭前日
時は流れ2055年3月。
卒業生を明るく送り出す行事が行われる。その名も卒業祭。普通の学校ならいいのだが、魔法学校という事もあり、いつもめちゃくちゃな事になる。
さて、クラスの企画は…休憩室。
理由は準備が少ないから。きっと露店とかを楽しみにしているのだろう。ほとんどのクラスで休憩室を希望するというのが定例行事になっている。その分休憩室が通った方々は危ない行為に走るのだ。それを知ってか、クラスを真面目かどうかで割り振っているという話もある。
まぁ、それはいい。
今日は前日なのだ。しかし、この殺風景なものはどうにかならないのだろうか…やる気が無い事が見え見えな教室で溜息をついた。
「なにため息ついてるのさ。」
「お前がことごとく失敗を繰り返すからだよ。」
そう、もうすこしという所でこいつが失敗するのだ。というか厨二病的行動を取る…本当に困った事だ。
という訳で卒業祭前代未聞の簡素な休憩室になってしまった。
「どうするんだよ。」
「これはこれで楽しいじゃない。シンプル・オブ・ザ・ベストだよ」
「やる気あるのか…?」
「無かったら参加なんかしないよ。」
「やる気無くていいわ!」
「まぁまぁ困ったら魔法でなんとかするわよ。」
「そんな大がかりな魔法使える奴が学生なんかやってるか?」
月香は綺麗な歯を見せて自分を指差していた。
「健康でなにより。」
「そうじゃなくて使えるっていう事っ!」
「見え見えの嘘をつくな。」
「話してる暇があるなら手伝いなさい!」
委員長がお怒りになったので作業を始めた。