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第零話 始まりの奇跡
一年中花の枯れない島…人工島ー春花島ーは魔法使いが住むためにつくられた島だ。この島で起きる様々な奇跡。その恩恵の一つが枯れない花々なのだ。2050年に島が作られてから枯れる事は無かった。この話は花々が枯れ、三人の魔法使いが来た事により始まる…
2055年、ロンドン港付近。
「思いによらず長居してしまったな。」
男性がしみじみと街を眺めながら呟く。
「早くしないと船が出るわよ。」
その男性の方を向いてツインテールの女性が呼ぶ。
「ここにもう戻る事は無いかもね。」
そばにいたもう一人の女性がさみしそうに呟く。それを掻き消すかのように船からアナウンスの音が響いた。
『まもなく発進します。乗船して下さい。』
三人は声を揃えて街に別れを告げた。
「「「さよなら」」」
そして春花島へ向かったのだった。