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創作怪談:これから広まるかもしれない怖い作り話【復路】  作者: 井越歩夢


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其の五十四「取材の代償:祟られた記者」

これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない

いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。


全部で壱百八話。どれも短い物語です。


しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、

時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、

時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。


そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。

これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。


この話、本当なんです。



何というか……この話を目にしたとき、

私はこれを「ある意味、自業自得なのだろう」と思いました。


ある報道関係者の不可解な死。

それをセンセーショナルに取り上げるテレビニュース。

その構図そのものが、皮肉のように見えたのです。


ネットでは現実的視点の意見と、非現実的意見が飛び交い

ちょっとした騒ぎになっている様子。


ただ――


どちらにしても、私はこれを「ある意味、この男性記者の自業自得だろう」と思ったのでした。


◇◆◇


記者男性、自宅で死亡 — 半年前の殺人事件取材で厳重注意


〇〇市内の自宅で男性が死亡しているのが十一日、関係者への取材で分かった。

死亡していたのは、○○新聞に勤務する三〇代の男性記者。

十一日午前、出勤しないことを不審に思った同僚が訪問し、室内で倒れているのを発見した。

死因は特定されておらず、司法解剖が行われる予定。

男性は半年前に発生した殺人事件を担当し、遺族らへの強引な取材姿勢が問題となり、社内で厳重注意を受けていた。

警察は男性の行動履歴や交友関係を調べ、死亡との関連を慎重に捜査している。


◇◆◇


この記事について、ネットではこんな書き込みがありました。


「遺族にあれだけ強引な取材しておいて“原因不明の死”って、正直同情できない。注意されても改善しなかったって話だし、自業自得じゃないのか。」


「遺族を追い詰めるような取材をしておいて、会社は“厳重注意”だけで済ませたのか。こういう体質があるから報道が信用されなくなるんだよ。」


「半年前の殺人事件で問題取材してた記者が“原因不明の死”って、偶然にしては出来すぎ。関係者の逆恨みとか、取材で何か掘り当ててしまったとか、裏がありそう。」


私も概ねこの意見には同意します。

亡くなった記者さんには申し訳ない気持ちもありますが、

数字だけを追う強引な取材で有名だったという話が多く、ある意味、自業自得だろう、と。


◇◆◇


そんな中、書き込みの中に一つだけ、妙に引っかかるものがありました。


「記者が自宅で突然死ってニュース、ただの偶然とは思えない。半年前の殺人事件を担当していた時、彼が遺族の家に深夜近くまで張り込んでいたのを見たって人がいる。断られても玄関先に立ち続けたりと、かなり強引だったらしい。

その家、遺族が引っ越したあと空き家のままで、

それ以降『その家の窓に人影が立っている』とか『夜になるとその家の近所で足音がする』とかいう

噂が広まったことで、今は心霊スポット化しているらしい。

それで、その記者が亡くなる直前、同僚に『最近、家の中で誰かが歩いてる気がする』と話していたって証言があるとか。

警察は事件性なしって言ってるけど、死因不明で部屋は荒れていないらしいし、

もしこの記者があの家から“何か”を連れて帰ってしまったとしたら……

彼はその“何か”に、強引な取材の代償を支払わされたのかも。」


この“何か”というのは、おそらく 被害者の霊 なのだろうと私は思っています。

強引な取材に怒った被害者の霊に憑かれ、

今度は記者自身が 強引にあの世へ連れていかれた――そんな想像が浮かびました。


◇◆◇


そしてもう一つ、皮肉なことがあります。


数字をとるために強引な取材をしていた記者が、

今度は 自分の死をセンセーショナルに報道され、数字をとられている。


私はこの構図もまた、「自業自得だなぁ」と感じたのでした。


報道関係者の皆さん、どうかお気をつけください。


数字に囚われた報道姿勢は、ときに――こういう形で返ってくるかもしれません。


この話、私は本当だと思っています。


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