其の七十二「書き手の背後」
これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
全部で壱百八話。どれも短い物語です。
しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。
そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。
これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。
この話、本当なんです。
怖い話を創作する。
けれど、創作には必ず“きっかけ”が必要です。
私は日々、怪談や都市伝説をYouTubeなどで聞き続けています。
移動中も、家事の最中も、運動中も、隙間時間も――常に耳には怪談、都市伝説、UMA、SCP。
その中で私の耳に引っかかった「言葉」が基となり、この怖い話を創作しています。
まさに日々怪談漬けです。こんな生活を続けていると、
時々、妙に胸に引っかかる“言葉”を耳にします。そのひとつが、これです。
「怪談を語る人、怖い話を書く人のところに、幽霊は寄ってくる」
怖い場所は苦手なのに、怖い話は大好きな私。
この言葉は、怪談を聞くたびに何度も耳にしてきました。
そして、怖い話を書くようになってからは、さらに頻繁に聞くようになりました。
最初は迷信だと思っていたのですが、
それでも創作を続けるうちに、ふと考えることがあります。
――もしかして、本当に寄ってきているのでは?
もちろん、今のところ“何か”を見たわけではありません。
気配を感じたことも……たぶん、ありません。
でも、来ていないと思っているのは私だけで、
ただ私が気付いていないだけなのかもしれない。
そう思った瞬間、背筋がゾゾゾと冷たくなりました。
怪談を語る人のところに、幽霊は寄ってくる。
怖い話を書く人のところに、幽霊は寄ってくる。
この言葉は、ただの噂ではなく――“よく聞く話”なのです。
信じるかどうかは、あなたにおまかせしますが……
この話、本当らしいんです。
追伸
怪談を語る人のところに、幽霊は寄ってくる。
怖い話を書く人のところに、幽霊は寄ってくる。
そして、怪談を読む人のところに、幽霊は寄ってくるというお話も――




