Chapter 011_期待外れ
林檎です。
本話、少し短いです。
ご了承くださいませ…
「遅い!」
ベリーチェを加えたベルナールパーティーは手始めにグールー狩りへと向かった。
グールーは足が速く茂みに隠れるのも得意な魔物だから
見つけるのも捕まえるのも難しいが、向こうから攻撃して
くることは滅多にない(暴れたり、つっ突く事はある)。
だから初心者で、遠距離武器を獲物とするベリーチェの実力を
確認するのに最適だと判断したのだ
「はぁー、はぁー…」
「す、すみませんアレクセイさん。少し休憩を…」
しかし、問題は
もっと単純で深刻だった
「またか!?」
「…」
ベリーチェの体は”鈍って”いたのだ。
それはもう、致命的なまでに…
「ま、まぁ…ついこの間まで治癒院で養生していたんだもの。当然かもしれないわね…」
森の小径を”たった”30分歩いただけでへばってしまったベリーチェに
アレクセイはイライラ
レオンは呆れ
メルヴィさえも苦笑いだった
ただ1人、ベリーチェの王子様だけが…
「大丈夫?歩けるかい…?」
その言葉に
「はぁ、はぁ…え、えへへ…///」
惚れてる相手にそんなコト言われたら誰だって更に深く
堕ちてしまう…
「…おい!」
…しかし
森の小径…それも、魔物が棲息するダンジョンの只中で
油断するなんてもっての外。
本物の魔物はゲームと違ってエンカウントの合図なんてないし、ご丁寧に攻撃順を待ってくれない。
油断した相手に致命の一撃を与える…
狩りとは、そういうモノだ。
「フザケている場合か!?」
アレクセイの怒りも
「…っ、」
レオンの不機嫌も当然と言える。
「ふ、2人とも!」
アレクセイとレオンの気持ちを瞬時に読み取った
メルヴィは
「早く立って!油断大敵よ!」
しゃがみ込んでいたベリーチェと、彼女を気遣っていた
ベルナールに声をかけた
「っ、」
しかし…
「…いいじゃないですか。ちょっと休むくらい…」
1年半もの間”特別な人間”として保護され、肯定され
続けてきたベリーチェは忘れていたのだ。
「なんだと!?」
この世界が如何に厳しく
「ひゃっ!?」
自分が如何にちっぽけであるかというコトを…
「アレク!?」
怒りを露わに一歩踏み出したアレクセイを押さえようと、
メルヴィが背中から彼に抱き着いたのと
「ベリーチェちゃん!!」
守ろうと…ベルナールがベリーチェを覆うように抱き込んだのは同時だった。
そして…
「いい加減にしてアレクセイ!仲間割れ…それも、ダンジョン(こんなところ)でなんて貴方らしくないわよ!」
「…」
アレクセイはメルヴィの言葉に無言になったが、
厳しい視線を変わらずベリーチェ。そして…
「…」
…身を呈して彼女を守るベルナールへと注いでいた。
「はぁ〜…」
その様子を前に
ため息を突いたメルヴィは
「もぅ…今日は”狩り”って感じじゃないわね。帰りましょうか…」
コレでは「狩り」どころじゃない…そう、考えて
提案した。
そして…
「ア、アレク!?ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!」
誰も返事をしないまま…
パーティーメンバーに背を向け
歩き出してしまったアレクセイの影を追いかけて
いったのだった…
『…』
そして、
大股で歩くアレクセイと、そんな彼を駆け足で追いかける
2人の姿が木々の陰に隠れた所で
「はぁ〜…」
緊張の息を吐いたベルナールは…
「だ、大丈夫だった?ベリーチェちゃn…」
「///」
「ベリーチェちゃん…?」
「………れふ…///」
「…?」
「は、はい。れふ…//////」
「う、うん…こ、こうなったら仕方ないね。今日は諦めて…か、帰ろうか?」
「はい…///」
「…」
…ベルナールは。
ベリーチェに腕を抱かれて森の出口へと向かって
歩き出したのだった。
そして…
「…」
もう1人の仲間は…
「………」
自分など居ないかのように…
勝手に振る舞う4人の後ろ姿を前に
無言でキツく拳を握りしめたのだった…
…あ、あれ?
投稿日(土曜日と日曜日)間違えちゃってた!?
失礼しましたー!




