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転生モブが小さな幸せ見つけるための3つの法則  作者: 林檎とエリンギ
3rd Theory : 取るに足らない事件
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Chapter 002_土砂降りの夜

『バシャンッ…』

『『~!!』』


ソレは夏の始まりである 金海の月1日

蒸し暑い土砂降りの夜のコトだった…



「「…う?」」

「もっ?」


「あら?」

「…?」

「グゥ…」


フォニアが企画した宴会の日から

リチア・ミーリア・ベルナールが賄いを食べている横で

レオン・メルヴィ・アレクセイ の3人が飲んで摘んで、居眠りするのが日常となっていた。


ラッシュも終わり静かになった食堂で6人がお喋りを肴に

食事とお酒を楽しんでいると


ふと、水を含んだドアの音と水龍の声。

そして、定位置であるカウンターの上に妖精の姿もない…



「お母さ…」

「魔女様かしら!?!?」


ミートボールを『モチョモチョ』していたミーリアが

言い終わるより早く立ち上がったメルヴィは

一目散にエントランスへ続く扉の前に立ち



「大師匠様!」


勢いよく、観音開きの大扉を開け放った!



「えっ…」


しかし…



「・・・メ・・・」

「あ、は、h…こっ、kぃちゎ…」


「・・・さ。sぇる・・・」


メルヴィの声はトーンダウンし、

フォニアと…そして、



「…k…ヮ…」


初めて耳にする声も…



「いまの…」

「ん、んぅ!」


ベルナール・レオン・アレクセイは第3の声の(ヌシ)が分から

なかったが姉妹は知っているらしい。



リチアはお行儀よくフォークを置いて、ミーリアは

鷲掴みしたナプキンで口を拭きながら大扉に駆け寄った



「ぐぅ…」

「「…?」」


空になったジョッキを握ったまま机に突っ伏し、イビキを立てる

レオンを挟んでベルナールとアレクセイがお互いの顔の上に

浮かんだ「?」マークを見せ合っていると…



『…』

「…ま!」

「…だ!!」

「………ね…」

「・・・んふ・・・ふ・・・」


…断片的に聞こえる

やり取りの後



「・・・」


扉をくぐったフォニアに誘われるように



「…」


姿を見せたのは………









挿絵(By みてみん)


「…女の子?」



…見知らぬ女の子を連れていた。

フォニアと同じ色の髪…強いて言うなら、フォニアよりやや

ピンクがかった亜麻色…を同じように三つ編みにして横に垂らした…



「誰だ?」


…女の子は背が高く、フォニアを大人にしたような容姿であった。

フォニアに()()()似ているが、

「かわいい」に「慈愛」をプラスした月天使のフォニアと違い、女の子は

「キレイ」に「強さ」をプラスした戦乙女のような美少女だった。



「おんな…お、女!?女の子だとっ!?」


ベルナールとアレクセイ。そして、レオンの眼差しを受けた…



「っ!?」


…少女は。目を吊り上げて



「ちょっ、ちょっと、、、誰よアレ!?そのヒト…メ、メルヴィさん?も、だけど…ほ、他の人がいるなんて聞いてないわよ!?」


掴んでいたフォニアのローブを『ギュッ』と引っ張った



「わ」


美少女に引き寄せられたフォニアは『おっ、とっ、と・・・』と

後ろに引き戻されたが、



「・・・んふふ・・・」


慌てず騒がず、ゆっくりとした動きで振り返り



「・・・彼らは大丈夫よ。みんないい子。私が保証する。」


…そう言った



「っ…」


その一言で引き下がざるを得なくなった少女は

苦い顔を一時的に下に向け



「っ!」


スグに吊り目に戻して

顔を上げ、



「…い、いるなら。いるって言ってくれたってよかったでしょ!?」

「・・・夜も遅いから。寝ていたかもしれないし・・・」


フォニアと言い争ったものの、アッサリと正論で論破されてしまった少女は



「っ///っ〜…」


恥ずかしそうに、納得できていない顔で下を向いた



「・・・んふふ・・・」


そんな少女を…



「わふ…」


…小さな体全てを使って柔らかくお包みしたフォニアは



「・・・彼らには、宿の仕事を手伝ってもらうコトもあるわ。」


「・・・これから先。何度も何度も・・・たぶん、毎日・・・顔を合わせるコトになる。」

「…」

「・・・だから・・・ね?」


ソコまで言って。体を離して

回した腕を動かして少女の体の向きを…



「・・・ご挨拶なさい。」


…3人に。向けさせた。

すると…



「っ…」


少女は。

再び苦い顔をしたが



「はぁ〜…」


…母親には逆らえないとみえ。

諦めの溜息とともに



「セ…」


ベルナール達に向かって…


「セ、セルディア…ピアニシモよ。お名前は存じませんが、母と妹たちがお世話になっているようで…恐縮至極(きょうえつしごく)に存じます。ご尊顔(そんがん)(たまわ)り光栄です。ご機嫌麗しゅう御座いますか…?」


先程までの言葉と態度とは裏腹に

礼節を尽くした挨拶を。優雅なカーテシーと共に…



「こ、こんばn…」


…しかし。

礼に応えようとベルナールが席から立ち上がると…



「もっ、」


少女 改め、セルディア は母親であるフォニアの小さな体へ

屈み込むように抱きつき…



「もういいでしょ!?」

「・・・ん!良くできたね。いい子、いい子・・・」

「っ〜…」


…その。小さな子供のような姿に



「お、お姉様…」

「まぁ…」


妹たちも驚き。

そして…



「・・・みんな。」


ベルナール達全員に有無を言わせぬ瞳を向けて…


「・・・このまま部屋に戻るから。みんなはいつも通りに・・・ね。」


そんなコトを言われたら…



「「「「「は、はい…」」」」」


…こう、答えるしかなく。


娘を引き連れて食堂を出ていくフォニアの背中を

見送ったのだった…

フォニア4姉妹の

長女:セルディア登場です!


これで姉妹は出揃いましたね。

あとは、アリュシオンお兄様だけ…

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