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Chapter 035.5_女の戦い?〈閑話〉

「・・・ところでメルヴィちゃん」


宴も佳境。

フォニアからシードルをもらって(ヘブン)に昇ったメルヴィは

普段口にしても、あまり酔わないお酒で気分を良くし、

フォニアを膝に乗せて…本人が何も言わないのを良いことに…

抱きついたり、ホッペをぷにぷにしたり。

頭を撫でたりして遊んでいた


(※フォニアはメルヴィの年上…ぶっちゃけ母親世代…だが、身体がミニマムなので平均より大きなメルヴィが両腕を拡げるとスッポリ収まってしまう。また、その容姿のせいで弟子や娘や友達にヌイグルミ扱いされるコトも多く慣れている。さすがに異性相手だと照れる。)



「はいっ!なんでしょうかお母様!」


メルヴィは、それはもう、浮かれまくっていた。

「もう、死んでもいいや」とさえ思ったほどだ。


しかも(名乗った事など無かったのに)フォニアはメルヴィの名前を知っていた。

ベネラとの関係も知っていた。魔法のことも知っていた。


そして、”主力になれない”というメルヴィの大きな悩みを

解決できる可能性を秘めた新しい力まで授けてくれた…


社会の底辺と言っていい地獄から自分を掬い上げてくれただけでなく、

頂点へ飛ぶ為の風まで与えてくれたフォニアへの感謝と

夢にさえみなかったシンデレラストーリーの最中(さなか)にいる自分への

驚きと喜びによって

実の娘が隣にいることも忘れ、調子に乗って生意気にも「お母様」

などと呼んでいた。



あとになって我に返り

真っ赤になってリチア・ミーリア・フォニアに謝る事になるのだが…

それはまた、別のお話。


もっとも、フォニアは勿論。

娘たちも慣れたもので、何とも思っていなかったんだけどね…



「・・・ヒラヒラした・・・キレイな服を着ているけど、民族衣装か何かカナ?」


そう言いながらフォニアは、自分を背中から包む

メルヴィの腕の袖をつついていた



「あ、はい!たしか…お世話になっていたデザイナーさんが、ヌワーラーアェ諸島のドコかの民族が祭事で使う衣装からインスピレーションを受けて縫ったとか、ナンとか…」


【ヌワーラーアェ】という日本人には読みづらい固有名詞の正体は

メルヴィの出身地である【エパーニャ・リアナ】王国の西の海に

点在する諸島のコト。

リブラリアは海に棲む魔物が強過ぎて海洋進出が進んでいないが

ヌワーラーアェは遠浅の大陸棚の上にあるので比較的安全であり、

大昔に移住してきた原住民たちが素朴な暮らしを営んでいる。


大陸の人間からみると彼らの文化は

かなり独特に映るそうだ…



「へぇ…確かに珍しいデザインだなと思っていましたが、ヌワーラーアェに起源があったんですねぇ…」


そう、言ったのはリチアであった。

因みに、リチアは意外とお酒に強くてワインが好き。

普段はあまり飲まないが、今日は母親もいる宴会なので父親が

セラーの奥に隠しておいたヴィンテージのワインを勝手に開けて

飲んでいる。

現在2本目で、あと1本は飲むつもり。



「メルヴィちゃんはオシャレさんだねー!」


ミーリアはあまりお酒を美味しいと思わないけれど、飲めない

ワケではなく。誘われれば口にする。

特定のお酒が好きというコトはなく、みんなのカップから

一口ずつ貰っている。



堕天使の加護を受けているフォニアの娘たちは生まれてこのかた

二日酔いというモノを経験したことが無いし、酔ったとしても

気分が少し良くなる程度である。


魔女の娘ズルい。

さすが魔女の娘。ズルい…



「ふふふ!ありがとうございます!!」


お酒の話はともかく…

ミーリアはじめ、皆から好印象だと知ったメルヴィは嬉しくなって

笑顔で答えた



「でも・・・」


しかし…



「・・・その服装。なにか、合理性があるのかな?」


…ふと、

いろいろを台無しにしてしまう言葉が現れて…



「えっと…」


ど、どう返せばいいんだろう…?

考えていたメルヴィだったが、



「キレイな衣装だけど・・・ほら、肩とかお胸とか足とか露わにしちゃうと危ないよ?」

「そ、ソレは!」

「・・・その服。女郎蜘蛛の糸とミスリル繊維のハイブリッドだよね?多少、防御力はあるけど力任せの魔物には通じないよ?」

「ソレは…」

「・・・素材は・・・ま。お金の問題もあるから仕方ない部分もあるけど、でも、精霊たちが守ってくれるにしても限界があるから・・・。せめて、あまり肌を晒さないほうがいいんじゃないカナ?」

「…」


オシャレの何たるかを全く理解していない(そのくせ、天性の才能と侍女長様のコーデがあるからオシャレ)合理主義者の口から飛び出した



「・・・上着やマントを羽織ったらどうカナ?ま。着替えるのが一番だけど・・・」 


ソレラの言葉に…



「「「…」」」


男性陣は何も言えずに黙り込み…



「ヤレヤレね…」

「…センスが。皆無…」


“っぽいの”たちは「またか…」といった表情で呆れ果て



「もーっ!お母様ったらぁ…」


ミーリアは母親の心無い言葉に”ちょっぴり”怒り



「んふふふふ…」


リチアは内心メルヴィにも理解を示したが

お母様の言葉が絶対なので。とりあえず

微笑みを浮かべてその場をやり過ごすコトにした…



「・・・腕もお胸も足もとってもキレイだと思うけど、魔物はせいぜい「美味しそう」としか見てくれないよ?」

「そ、そう。デスよ、ね………」

「・・・ベネラちゃんにも何度も言っているのに、あの子は聞いてくれないの。でも、メルヴィちゃんは素直でいい子だよね・・・?」


自分の師匠(予定)と、師匠の師匠…

自己主張の激しい2人のパワーゲームに「板挟みの立場」で参戦

”させられた”コトを悟ったメルヴィは



「ア、アハハ。ハハ、ハ…」


まだ、

正式な弟子入りすら、していないのに…



「頼りにしてるよ!メルヴィちゃん・・・」

「ハ、ha…i……」


早くも不安を

抱いたのであった…

林檎です!


本話をもちまして 「2nd Theory 微々たる成長」の終了です!

ご覧いただきありがとうございました。


しかーし!

当然ながら、物語は続きます!!


2026年 最初の投稿日は1/4 日曜日となります!

来年もご覧いただければ幸いです!!



それでは皆様。

良いお年を― ;)

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