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Chapter 030_荒れ狂う風

林檎です。


本話。ちょーっとダケ、短めです。

ご了承くださいませ

『ギッ…ギュグッ…』


地に墜ちたヒュポグリフだったが…



「くっ…」

「…」


ベルナールとレオンに

追撃の隙を与えるコトなく立ち上がり



『ギュグルルルゥ…』


鋭い瞳で2人を睨みつけたのだった…






『ギュク、ギュルルルル…』


視線と鳴き声で威嚇しながらも、落ち着いて翼と脚、そして全身の関節と

羽根を1つづつ動かして異常がないかを確認していった



「「…」」


身体は隙だらけなのに…

視線のせいで動けないベルナールとレオンは黙ってその

様子を見守るしかなかった…



「くっ…」


ベルナールは…

「火矢を残しておくとか…何かできたはずだろ!?なに過信してんだよ!?オレ!」

と、心の中で思い返し…



「…っそ、」


…レオンもまた

「墜ちてくるまでに後ろに回って良かったな…っそ!避ける事しか考えて無かった…」


…と、後悔したがもう遅い。


ヒュポグリフが2人を舐めていたように。2人もまた、作戦がハマって

墜落する獲物を瞳に映して…勝った気になって…数瞬の油断を

挟んでしまっていたのだ。


「こちら」の攻撃は「ダメージ」程度だが、「向こう」の攻撃は

下手をすれば「致命傷」だ。


「「もう、こんな失敗は許されない…」」


…2人は。剣の柄を強く握るコトで

悔しさを力に変えようとしていた…




『ギュグルッ…』


一方のヒュポグリフは

というと…



『グルル…』


羽根は焼かれてしまったが…風を操り。スグに消し止めたので

失ったのは表面だけ…


…大丈夫。まだ飛べる。



『っ…』


斬られた脚は…っ、物凄く痛いっ、、、


くそっ!

獲物(おもちゃ)のクセにやってくれる…



『グルルル…』


若いオスのヒュポグリフは瞳の奥で翠色の炎を燃やしていた。

全然。冷静なんかじゃ、なかった…



「「…」」


…けれど、経験の浅いベルナールとレオンは

ヒュポグリフの大きな体躯と眼差し。そして【中級】という階位(かいい)

及び腰であった。


冒険者ギルドが公表している魔物の階位は冒険者・そして

一般人の危機管理の指標として貢献しているが、

時に”油断”を誘い、”萎縮”をもたらしてしまう。


2人がシルフィの力を信じて同時に飛び出し、連係しながら

ヒット&アウェイを繰り返していれば戦いは案外、スムーズに

終わっていたかもしれないが


【中級】・【空の支配者】といったネームバリューが

2人に最大級の警戒心をもたらし。結果的にヒュポグリフに

休憩時間を与えてしまった…



『グルッ…』


ベルナールとレオンは警戒していた。


けれど、次の動作をしようとヒュポグリフが見せた

僅かなサインを見逃してしまった。


あんなに注意していたのに…

2人は後になって反省したが、コレはもう経験の問題だから

仕方なかった…



『『!!』』


…幸いだったのはヒュポグリフの動きを

2人にかわって檸檬精霊たちが察知し



「なっ!」「どわっ!?」


咄嗟に2人を

吹き飛ばしたコトだった!



『ギュワラヮアー!!!』


直後!

ヒュポグリフの雄たけびと共に中空に緑一色の魔法印が発現!



『…』『、』


ほぼ同時に出現した竜巻に

シルフゥとシルフォは、ベルナールとレオンを助けた代わりに

飲み込まれてしまい。一瞬で見えなくなった!?



「シルッ…」「だいじょ…っ!?」


自分達を助け、身代わりになってくれた精霊たちを

心配した2人だったが…



「…くっ!?」「うをぉっ!」


ヒュポグリフの生み出した竜巻は発現点から離れた場所にまで

暴風を轟かせ。2人は剣を地面に突き刺して耐える他なかった…




『ギュッ…』


そして、

暴風の中でも自由に動き回る空の狩人は!



「レオっ!」


茶色の颶風(ぐふう)の間から顔をのぞかせ!?



「なぁっ!?」


地面に伏せ、剣を握り締めて耐えていた

レオンの身体を



『ギュワヮアー!!!』


血が滴る…



『メキッ…』

「がっ!?」


…鳥脚で!?




「カハッ…っ〜」


上から押さえつけられたレオンは

肺の空気をすべて吐き出し、声にならない声を上げた!


もちろん、剣を握る余裕など

なかった…



「レッ、レオっ…!」


ベルナールは血反吐を吐く友の姿を

遠くから眺めることしかできなかった…



「くっ…そっ…」


藻掻く事さえ、できない弱い獲物を



『ギュクルルルゥ…』


目を細め。

満足げに見下ろしたヒュポグリフは



『…バサッ』


焦げて、散らかした…されど力強い翼を

拡げて飛び上がった!




「っ!?!?」


レオンの叫びは竜巻の風音にかき消され…



「レ、、ーンッ!!」


…ベルナールの叫びも颶風に斬り刻まれた!



『ギュクルゥ…』


そして、思うがままに風を掴み

またたく間に上空へと舞い上がったヒュポグリフは




『ギュグエェー!』


大きく(いなな)



「へっ!?か、風が…」


自ら起こした竜巻を払い…



「な、にを…」


小さく藻掻き囁く

無力な獲物に…



『ギュフ…』


嘲るような視線を送り

そして!?



「「なっ…」」


数十m(メートル)の上空から!?



「んな…っ!!」


脚の力を”緩めて”



「レオーーーン!!!」


小枝のように地を目指す

獲物のその身を




『キュフフフ…』


悪意に満ちた翠色の瞳で

見送った…

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